審美性を求めていなければ被せ物をセラミックにする意味はないですか? blog

2018.04.17

杉並区の歯医者さん、浜田山おとなこども歯科・矯正歯科です。
今回のテーマは「審美性を求めていない場合のセラミックの価値」です。
セラミックの最大のメリットは審美性の高さであり、実際にセラミック治療は審美治療に含まれます。

さて、セラミックは被せ物に使用するわけですが、被せ物は歯を守るために必要なものです。
しかし審美性の高さに興味がないとすれば、その人はセラミックにする意味はないのでしょうか。
セラミックの価値は審美性の高さだけなのか?…ここではその点について説明していきます。

セラミックにするメリット

被せ物をセラミックにするメリットは以下の4つです。

・審美性が高い
セラミックは美しく、特にオールセラミックはパッと見ただけでは天然の歯と見分けがつかないほどです。
本来被せ物は目立つため、人に見せたくないものです。
事実、銀歯を使用している人は人前で大きな口を開けることに抵抗を感じるのではないでしょうか。
その点セラミックは天然の歯に近い見た目なので、「被せ物を見られたくない悩み」を解消できます。

・二次虫歯になりにくい
二次虫歯とは虫歯治療をした歯…つまり被せ物をした歯が再度虫歯になることです。
銀歯はこの二次虫歯になるリスクが非常に高く、虫歯と治療の繰り返しに陥っている人も少なくありません。
一方セラミックは表面がツルツルしているのでプラークがしにくく、
さらに接着も剥がれにくいため二次虫歯を予防しやすいのです。

・金属アレルギーが起こらない
セラミックは陶器ですから、材質的には普段使用している茶碗や湯飲みと同じです。
このため身体に優しく、使用することに対して害が一切ありません。
特にそれを実感できるのは金属アレルギーの人でしょう。
セラミックは金属と違うので、銀歯のように金属アレルギーが起こることがありません。

・長持ちする
いくら美しいセラミックでも永久に使用することはできません。
人工物である以上、被せ物としていずれは寿命がきて交換が必要になります。
しかしセラミックの寿命は長く、一般的に10年以上使用できると言われています。
一方銀歯の寿命は3年~5年ほどですから、銀歯に比べてセラミックの寿命は2倍以上長くなっています。

審美性を求めない人にとってのセラミックの価値

・審美性が高い
・二次虫歯になりにくい
・金属アレルギーが起こらない
・長持ちする

…以上セラミックにするメリットを4つ説明しましたが、
審美性を求めない人にとっては「審美性が高い」のメリットは価値のないものになります。
しかしそれ以外の3つは価値があり、例え審美性を求めない人でもセラミックにする意味があるのです。

ただし「金属アレルギーが起こらない」のメリットは1つだけ注意が必要です。
セラミックにはいくつか種類がありますが、その中のメタルボンドと呼ばれるタイプは金属を使用しています。
このため、金属アレルギーを理由にセラミックにする場合はメタルボンド以外の種類を選択してください。

奥歯の被せ物をセラミックにする場合

被せ物に審美性を求めない人の理由が「奥歯だから」という場合、
セラミックにすることに不安があると思います。と言うのも奥歯は噛んだ時に最も強い力の掛かる箇所のため、
セラミックの被せ物にすれば割れてしまうのではないかと考えてしまうからです。

もちろん簡単に割れることはないですが、
確かに陶器であるセラミックはあまり強い力で噛むと割れることがありますし、欠けることもあります。
最も、このケースについてはセラミックの種類にこだわることで解決します。

・メタルボンド
見えない箇所に金属を使用しているセラミックです。
金属を使用しているため、セラミックでありながら金属と同じ耐久性を誇ります。
ただし見る角度によっては金属が見えてしまうなど、審美性は他の種類のセラミックに劣ります。

・ジルコニアセラミック
人工ダイヤモンドのジルコニアを使用しているセラミックです。
ジルコニアは金属ではないので金属アレルギーが起こらないですし、メタルボンドより審美性も高いです。
メタルボンドの完全な上位タイプですが、その分メタルボンドより費用は高くなっています。

…これら2つのセラミックはいずれも耐久性の高さを特徴としたタイプです。
もちろん前歯などでも使用できますし、奥歯に使用することで割れたり欠けたりするリスクが減少します。

まとめ

いかがでしたか?
最後に、審美性を求めていない場合のセラミックの価値についてまとめます。

1. セラミックにするメリット :二次虫歯になりにくい、金属アレルギーが起こらない、長持ちする
2. 審美性を求めない人にとってのセラミックの価値 :「1」のメリットはいずれも価値がある
3. 奥歯の被せ物をセラミックにする場合 :強度が不安ならメタルボンドやジルコニアセラミックがおすすめ

これら3つのことから、審美性を求めていない場合のセラミックの価値について分かります。
二次虫歯を予防できる、金属アレルギーが起こらない、長持ちする、
審美性以外のセラミックのこれらの特徴は、いずれも被せ物を使用する上で大きなメリットになります。
これらのメリットがある以上、例え審美性を求めない人でもセラミックにする価値があるのです。