歯も白く、全く痛みがないのに歯周病と診断されました blog

2018.05.12

杉並区の歯医者さん、浜田山おとなこども歯科・矯正歯科です。
今回のテーマは「歯周病の症状」です。
歯科医院の検診で、健康だと思っていたのに思わぬ診断をされた…そんな経験はないですか?

そんな場合、診断の結果は大抵が歯周病です。この診断に納得できない人は、
おそらく「痛みもなく歯も綺麗なのに歯周病なのはおかしい」と思ったのでしょう。
しかし、痛みの有無や歯の見た目はそもそも歯周病だと自覚する判断基準にはならないのです。

病気と自覚症状

私達が病気を予感する時、それはそう感じさせる自覚症状があるからです。
例えば毎日のように胃が痛むのであれば、何らかの胃の病気を予感するでしょう。
痛みという自覚症状があるからこそ、痛みを引き起こす原因…つまり病気があることを自覚するのです。

これは歯科においても同じで、例えば虫歯の場合、ほとんどの人は自分が虫歯であることを自覚しています。
そしてその理由は歯が痛むから…つまり痛みという自覚症状があるため虫歯だと自覚しているのです。
では歯周病はどうでしょうか?…実は歯周病には虫歯の痛みのような自覚症状はありません。

また、歯周病は歯肉の病気ですから歯の見た目に変化はありません。
つまり、歯が痛くなくても歯の見た目が綺麗でも歯周病の可能性があるわけで、
その意味でも歯周病は「静かなる病気」と呼ばれています。

歯周病は怖くないのか

歯の痛みもなく歯も見た目も変わらない…だったら歯周病は怖くないと思う人がいるかもしれません。
しかしそれは大きな間違いで、歯周病は進行すると最終的に歯を失う怖い病気です。
では、なぜ歯周病で歯を失うことになるのかについて説明していきます。

歯周病になると歯肉が炎症を起こしますが、この時点での症状は歯肉の腫れや変色のみです。
しかし進行することで歯を支えている歯槽骨が溶かされてしまいます。
支えを失った歯は当然不安定な状態になりますからグラつくようになり、やがて抜け落ちてしまうのです。

また、そこまで進行すると治療も容易ではありません。
治療自体は可能ですがその過程で手術が必要になることもあるため、
歯周病が進行すると症状においても治療方法においても辛いものになるのです。

歯周病の自覚症状

歯周病には虫歯の痛みのような分かりやすい自覚症状はありません。
だからこそ、気づかない間に歯周病になってしまっている人が多いのです。
しかし自覚症状が全くないわけではなく、歯周病になると以下のような自覚症状があります。

・歯肉が腫れる、変色する
初期段階からの自覚症状です。
歯周病になると歯肉が炎症を起こすため、その影響で歯肉に腫れや変色が見られるようになります。

・歯肉から出血しやすくなる
初期段階からの自覚症状です。
歯肉が炎症を起こすとその箇所に血液が集中するため、歯磨きなどによって出血しやすくなります。

・口臭がする
初期段階からの自覚症状です。
歯周病菌の繁殖、歯肉から出た膿み、出血などが原因で口臭がするようになります。

・歯が長くなって見える
中期段階からの自覚症状です。
歯槽骨が溶かされると歯肉が下がるため、歯の根が露出してしまい歯が長くなったように見えます。

・冷たいものや熱いものがしみる
中期段階からの自覚症状です。
歯肉が下がって露出した歯の根は象牙質が剥き出しのため、冷たいものや熱いものでしみてしまいます。

・歯がグラつく
重度段階からの自覚症状です。
指で触るだけで歯が動くので分かりやすい自覚症状ですが、ここまでになると歯周病は相当進行しています。

自分が歯周病なのかを知るには

歯周病には目立った自覚症状がなく、虫歯のように痛みを感じることもありません。
つまり、現状あなたの歯が全く痛まないとしても、実は歯周病になっている可能性があるわけです。
そこで、自分が歯周病になっているのかを確実に知る方法をお伝えします。

それは歯科医院で定期検診を受けることです。定期検診では歯科医が口腔内の健康状態を確認するため、
自分では気付きにくい歯周病を発見できますし、同じく虫歯の発見も可能です。
また、定期検診を受けることで歯周病の予防効果も高まります。

とは言え、たった1回の定期検診では予防効果を高めることはできません。
理想は3ヶ月に1回、それが無理でも半年に1回は歯科医院で定期検診を受けるようにしましょう。

まとめ

いかがでしたか?
最後に、歯周病の症状についてまとめます。

1. 病気と自覚症状 :歯周病は「静かなる病気」と呼ばれ、虫歯の痛みのような目立つ自覚症状がない
2. 歯周病は怖くないのか :進行すれば最終的に歯を失い、さらに治療で手術が必要になることもある
3. 歯周病の自覚症状 :歯肉が腫れる、変色する、歯肉から出血しやすくなる、口臭がするなど
4. 自分が歯周病なのかを知るには :歯科医院で定期検診を受けるのが確実。予防効果も高まる

これら4つのことから、歯周病の症状について分かります。
歯周病はよく虫歯と比較されますが、その場合虫歯よりも怖くないと考える人がいます。
それは自覚症状の差で、虫歯のように辛い痛みがないことから歯周病を軽く考えてしまう人が多いのです。

しかし歯周病は虫歯と同じで怖い病気です。進行すればやがて歯が抜け落ちてしまいますし、
そこまで進行すると治療するにしても歯肉を切開する手術をしなければなりません。
このため、歯周病も虫歯と同じで徹底予防と早期発見・早期治療を心掛けましょう。