虫歯と歯周病は全くの別物なのに、なぜ予防方法が同じなのですか? blog

2018.06.26

杉並区の歯医者さん、浜田山おとなこども歯科・矯正歯科です。
今回のテーマは「虫歯と歯周病の比較」です。
虫歯は歯の病気、そして歯周病は歯肉の病気であり、これらの病気は全くの別物です。

そして病気として別物である以上、予防方法も異なることが予想できます。
しかし実際には虫歯と歯周病の予防方法は同じで、この点に疑問を抱く人も少なくありません。
それぞれ別の病気なのになぜ予防方法が同じなのか?…今回はその点について説明していきます。

細菌とプラーク

虫歯も歯周病も細菌の感染によって起こるという点は同じですが、細菌の種類は異なります。
それぞれ原因菌には複数の種類がありますが、虫歯の原因菌は虫歯菌、
歯周病の原因菌は歯周病菌と呼ばれています。

このように虫歯と歯周病は原因菌が異なりますが、
その原因菌の存在箇所…つまり棲み処は同じでプラークと呼ばれる細菌の塊の中です。
プラークには億単位の細菌が存在しており、虫歯菌も歯周病菌もその中に存在しています。

予防方法が同じな理由

虫歯と歯周病の予防方法が同じ理由をここで説明します。
上記で説明したとおり、虫歯菌も歯周病菌もプラークの中に存在しており、
どちらの病気もプラークを除去することが予防の基本です。

これが虫歯と歯周病の予防方法が同じ理由です。
つまりどちらの病気も原因菌を除去することが予防の基本であり、
それぞれの原因菌は全く同じ場所(プラーク)に存在しているのです。

歯磨きの精度を高めるには

虫歯と歯周病を予防するにはプラークの除去が必要で、そのためには毎日の歯磨きが必要です。
しかし、ただ適当に歯を磨くだけでは予防として不充分であり、確実な予防は難しくなるでしょう。
歯磨きにおいて重要なのは頻度ではなく精度です。

つまり、1日1回の歯磨きでも精度が高ければ虫歯と歯周病を予防できるのです。
そこで問題なのが、精密な歯磨きをするにはどうすれば良いのかということです。
以下の方法を実践すれば、精密な歯磨きをすることが可能です。

デンタルフロスや歯間ブラシを使用する

ブラッシングだけではプラークの除去率が6割程度と言われており、つまり4割の磨き残しが出てしまいます。
一方、デンタルフロスや歯間ブラシを使用すれば、プラークの除去が2割以上高まります。
磨く箇所から判断して、デンタルフロスは虫歯予防、歯間ブラシは歯周病予防に効果的とされています。

ブラッシング指導を受ける

歯科医院の定期検診や予防歯科では、治療メニューの中に「ブラッシング指導」があります。
いわゆる正しい歯の磨きの指導で、歯並びに合った効率の良い磨き方を指導してもらえます。
これによってブラッシング技術が高まり、歯磨きの精度が向上します。

プラークチェッカーを使用する

プラークチェッカーとはプラークテスターとも呼ばれるもので、プラークを染め出すことができます。
プラークを目に見える状態にすることで確実に磨き残しをゼロにできますし、
繰り返し使用することで染色される箇所のパターンを覚え、自分の歯磨きの弱点も分かります。

虫歯と歯周病はどちらが怖いのか

虫歯と歯周病でよく比較されるのが、どちらが怖い病気なのかということです。
そして、ほとんどの人は虫歯の方が怖いと答えるのではないでしょうか。
と言うのも、虫歯になると辛い痛みを感じますが、歯周病にはそのような痛みがないからです。

このため、痛いから虫歯が怖い、痛くないから歯周病は怖くないと考える人が多いのです。
しかしそれは間違いで、痛みのない歯周病も虫歯同様に怖い病気です。
まず痛みを感じないことはむしろマイナスで、痛みという自覚症状がないために歯周病の発覚が遅れます。

そうなると発覚した時には歯周病は進行しており、簡単な治療で治すことができなくなります。
また、歯周病が進行すると最終的に歯が抜け落ちてしまいますし、日本人が歯を失う要因の1位は歯周病です。
このように、歯周病は決して軽い病気ではないのです。

まとめ

いかがでしたか?
最後に、虫歯と歯周病の比較についてまとめます。

1. 細菌とプラーク :虫歯の原因菌も歯周病の原因菌もプラークの中に存在する
2. 予防方法が同じな理由 :虫歯も歯周病もプラークの除去が予防の基本なため
3. 歯磨きの精度を高めるには :デンタルフロスや歯間ブラシを使用する、ブラッシング指導を受けるなど
4. 虫歯と歯周病はどちらが怖いのか :どちらも怖い。歯周病が怖くないと考えるのは大きな間違い

これら4つのことから、虫歯と歯周病の比較について分かります。
虫歯と歯周病は病気としては別物ですが、予防方法は同じです。
ただし原因菌が異なるため、一方が予防できて一方ができないこともあります。

つまり、虫歯がないからといって歯周病がないとは限らないですし、
歯周病がないからといって虫歯がないとは限らないということです。
精密な歯磨きや歯科医院の定期検診を受け、どちらの病気もしっかり予防するようにしてください。