歯周病ですが痛みなど全くないですし、歯周病がなぜ怖い病気なのか分かりません blog

2018.07.05

杉並区の歯医者さん、浜田山おとなこども歯科・矯正歯科です。
今回のテーマは「歯周病の怖さを知っておこう」です。
虫歯と歯周病のどちらが怖いか?…ほとんどの方はこの質問に虫歯と答えると思います。

と言うのも、虫歯になると苦しい歯の痛みが起こるからで、その点で虫歯を怖く感じるのは分かります。
しかし、だからと言って歯周病が怖くないというのは間違いであり、歯周病も虫歯同様に怖い病気です。
そこで、ここでは歯周病の怖さを理解してもらうためのお話をしていきます。

痛みがないのはむしろ怖いこと

歯周病には虫歯のような痛みはありません。だから歯周病を怖くないという方がいますが、
それは全く逆で、歯周病は痛みがないからこそ怖いのです。
そもそも、痛みという自覚症状は病気になった時に身体が発するSOSの貴重なサインです。

・お腹が痛いことでお腹の不調に気づく
・胃が痛いことで胃の不調に気づく
・頭が痛いことで風邪に気づく

…このように、身体の不調や病気に気づくきっかけは大抵が痛みであり、
痛みを感じなければ病気に気づけず、発覚と治療が遅れてしまいます。
その点、虫歯は痛みを感じることで自分が虫歯だと気づけるため、大きく進行する前に治療できます。

しかし、歯周病は痛みがないため自分が歯周病だと気づきにくく、
そのせいで気づいた時には重症化と言えるほど進行してしまっているケースが多いのです。
つまり痛みがないのはむしろ怖いことで、その理由は自分が歯周病だと気づけないからです。

歯周病になると歯を失う

歯周病になると歯肉に炎症が起こり、その影響で歯肉に腫れや変色が見られます。
ただしそれが原因による痛みはないため、大した症状ではないと思う方もいるかもしれません。
確かにこの時点の歯周病はそれほど怖くないですが、歯周病は進行する病気です。

そして歯周病が進行すると、顎の骨である歯槽骨が溶かされてしまうのです。
この歯槽骨は歯を支える役割を担っているため、
歯槽骨が溶かされることは歯が支えを失うことを意味します。

治療しない限り歯槽骨はどんどん溶かされていき、やがて歯が抜け落ちてしまうのです。
つまり歯周病になると最終的に歯を失うことになり、実際に歯周病で歯を失う方は深刻なほど多く、
歯を失う原因の1位はここ数年歯周病が常にトップになっている状態です。

歯周病の自覚症状

痛みがないとは言え、歯周病も自覚症状が全くないわけではありません。
進行度に応じた自覚症状があるため、それを知っておけば歯周病にいち早く気づけます。

<初期段階の歯周病の自覚症状>
初期段階の歯周病には次のような自覚症状があります。

・歯肉が腫れる、変色する
歯周病になると歯肉が炎症を起こすため、その影響で歯肉が腫れたり変色したりします。
触った感触にも張りがなくなり、患部の歯肉に触れるとプヨプヨした感触がします。

・歯肉から出血しやすくなる
歯周病になると歯肉が炎症を起こして腫れあがります。
さらに患部に血液が集まるため、食事や歯磨きなどのささいな刺激で出血しやすくなります。

・口臭がする
口臭の原因は様々なので、「口臭がする=歯周病」とは限りません。
歯周病が原因による口臭は細菌や膿みや血液などによる臭いのため、相当きつい口臭となります。

<中期段階の歯周病の自覚症状>
中期段階の歯周病には次のような自覚症状があります。

・歯が長くなる
歯周病が進行すると歯槽骨が溶かされ、その影響で歯肉退縮が起こります。
歯肉退縮が起こることで歯肉の高さが下がるため、歯の根が露出して歯が長くなって見えるのです。

・冷たいものや熱いものがしみる
歯周病が進行して、歯肉退縮によって歯の根が露出した場合に起こる自覚症状です。
露出した歯の根はエナメル質に保護されていないため、冷たいものや熱いものは刺激となってしみるのです。

<重度段階の歯周病の自覚症状>
重度段階の歯周病には次のような自覚症状があります。

・歯が動く
歯が支えを失っているため、指で少し触れただけでも歯が動きます。
自覚症状としては非常に分かりやすいものの、ここで歯周病に気づくようでは遅すぎます。

・噛んだ時に歯が痛む
歯槽骨が溶かされると歯は支えを失った状態になります。
支えを失ったことで歯の位置が正常な位置からズレてしまうと、噛み合わせた時に強い痛みを感じます。

まとめ

いかがでしたか?
最後に、歯周病の怖さを知っておこうについてまとめます。

1. 痛みがないのはむしろ怖いこと :痛みがないことで歯周病に気づけない
2. 歯周病になると歯を失う :歯周病が進行すると歯を支える歯槽骨が溶かされ、歯が抜け落ちてしまう
3. 歯周病の自覚症状 :歯周病にも自覚症状はある。「歯肉が腫れる、変色する」、「口臭がする」など

これら3つのことから、歯周病の怖さについて知っておこうについて分かります。
歯周病を怖くないという方は、痛みがないことが理由だと思います。
しかし、痛みがないということは歯周病に気づくきっかけを失うことにもなります。

そうなると発覚が遅れ、歯周病は進行してしまいます。
歯周病が進行してしまえばやがて歯を失う事態を招きますし、
治療も簡単なものでは終わらず、症状も治療内容も患者さんにとって辛いものになってしまいます。