歯周病が人にうつるって本当ですか?どうやってうつるのですか? blog

2018.07.12

杉並区の歯医者さん、浜田山おとなこども歯科・矯正歯科です。
今回のテーマは「歯周病の人から人への感染」です。
歯周病は歯周病菌に感染することで発症する…すなわち細菌による感染症です。

その意味では風邪と同じ特徴がありますが、
と言うことは風邪と同じで人から人にうつるのでしょうか。
そこで、ここでは歯周病の人から人への感染の可能性について説明していきます。

感染経路

まず結論ですが、歯周病が人から人にうつるのは本当です。
ただし、正確には歯周病の原因菌がうつる形になるため、歯周病そのものが直接うつるわけではありません。
例えば、Aの人が中期段階の歯周病だったとします。

それがBの人にうつる場合、Aの人の中期段階の歯周病がそのままうつるわけではなく、
Aの人の口の中にある歯周病菌がBの人の口の中にうつる流れになります。
そして感染経路は唾液を介すことですが、唾液を介す行為を連想すると、次のようなものが挙げられます。

・キス
・回し飲み
・歯ブラシの接触
・食器の共用

…共通するのはいずれも家族間や恋人同士が行うことであり、
つまり歯周病は親しい人にうつってしまうということになります。

歯周病の低年齢化の問題

近年歯周病の低年齢化が問題となっており、
小学生や中学生の子供の半数近くが歯肉に何らかの問題を抱えていると言われています。
最も、それくらいの年齢の子供が歯周病になることが信じられないと思う人もいるでしょう。

確かに、代謝を考えると小学生や中学生が歯周病で歯を失うことはまずないでしょう。
しかし、小学生や中学生が歯科検診で歯肉炎と診断されることはありますね。
歯肉炎は初期段階の歯周病とイコールであり、つまり小学生や中学生でも軽度の歯周病になるのです。

さて、このような歯周病の低年齢化には様々な原因が考えられますが、その1つが家族間での感染です。
いくら子供の予防を徹底しても、親が予防を徹底しなければ、親から子へ歯周病菌がうつってしまいます。
特に食器の共有や回し飲み、歯ブラシの接触には注意してください。

歯周病を予防するには

歯周病を予防するには、次の3つの予防方法が効果的です。
ただし人から人へうつる点を考えると、自分だけでなく家族や恋人も一緒に予防方法の実践が必要です。

・精度の高い歯磨きをする
歯周病予防の基本は歯磨きですが、効率良くプラークを除去できなければ歯磨きの効果は半減します。
このため、デンタルフロスや歯間ブラシを使用して精密でプラークの除去率が高い歯磨きを行いましょう。
また、プラークを確実に除去するためにプラークを染色できるプラークテスターの使用もおすすめです。

・生活習慣を見直して改善する
歯周病は細菌による感染症ですから、風邪と同じで身体の免疫力を高めれば感染しにくくなります。
そのためには、身体の免疫力低下を招くストレスや疲労は適度な解消が必要ですし、
栄養バランスのとれた食事を心掛けるなど、生活習慣そのものを見直して改善してください。

・定期検診を受ける
歯科医院の定期検診では、歯のクリーニングを行うためプラークや歯石を綺麗に除去できます。
さらにブラッシング指導や生活習慣改善のアドバイスも行うため、
それらを受けることで上の2つの予防方法の効果がより高まります。

歯周病の予防方法でよくある質問

歯周病の予防方法において、患者さんからよく質問されることとその答えをまとめます。

Q1. デンタルフロスと歯間ブラシはどちらがおすすめ?
デンタルフロスは歯と歯の隙間、歯間ブラシは歯と歯肉の境目を磨くためのものなので、
歯周病予防に向いているのは歯間ブラシです。最も、プラークが効率良く除去することがポイントのため、
デンタルフロスを使用しても歯周病の予防効果は高まります。

Q2. 生活習慣の改善についてですが、どこをどう改善すれば良いのですか?
生活習慣の改善は、確かにどこをどう改善すれば良いのか分かりづらいと思います。
それを明確に知るには歯科医院の定期検診を受けましょう。
そうすれば歯科医が患者さんの現状の生活習慣をヒアリングし、それを元に正確なアドバイスを行います。

Q3. ブラッシング指導を受けるのが面倒なので、それに関係する動画はないですか?
ブラッシングの仕方を紹介した動画は探せばあるかもしれませんが、あまりおすすめはできません。
なぜなら、正しい歯の磨き方はその人の歯並びの状態によって異なるからです。
ですから動画での紹介は一例に等しく、自分に合った歯の磨き方はブラッシング指導を受けて覚えましょう。

まとめ

いかがでしたか?
最後に、歯周病の人から人への感染についてまとめます。

1. 感染経路 :唾液を介す行為で、キスや回し飲み、歯ブラシの接触や食器の共用などが挙げられる
2. 歯周病の低年齢化の問題 :歯周病の低年齢化は、家族間での感染も原因の1つと考えられる
3. 歯周病を予防するには :精度の高い歯磨き、生活習慣の改善、歯科医院の定期検診
4. 歯周病の予防方法でよくある質問 :「デンタルフロスと歯間ブラシ、どちらがおすすめ?」など

これら4つのことから、歯周病の人から人への感染について分かります。
まとめると、歯周病は人から人にうつりますが、正確にはその原因菌がうつるというものです。
そして感染経路は唾液を介すことであり、そのような行為は家族間や恋人同士で行うものが大半です。
つまり、歯周病をしっかり予防しないと自分にとって最も大切な人にうつしてしまう可能性があるのです。