矯正学会の認定医・専門医とは? blog
2018.08.01
杉並区の歯医者さん、浜田山おとなこども歯科・矯正歯科です。
今回のテーマは「矯正学会の認定医・専門医制度について」です。
歯科の世界では、歯科治療の様々な分野において発展や進歩を目的として設立された学会が存在します。
ちなみに、矯正においてはこうした学会や団体が3つほど存在し、最も会員数が多く規模が大きいのは日本矯正歯科学会です。
そして、日本矯正歯科学会では認定医・専門医の資格制度があり、今回はそれについての説明をしていきます。
矯正治療を行える歯科医の基準
矯正治療は虫歯や歯周病の治療に比べて期間も長く、同時に高い費用の掛かる治療です。
このため、治療を行う歯科医のレベルも他の歯科医に比べて高いイメージがあると思います。
しかし、実際には必ずしもそうとは限らないのが事実です。
と言うのも、日本の歯科医師法では歯科医師免許を所持していれば全ての歯科治療を行えるからです。
つまり極端な話、歯科医師免許さえ所持していれば矯正治療の経験がない歯科医でも治療を行えますし、
免許を所持してたった数日の歯科医が矯正治療を行うことも、法律的には全く問題がないのです。
さて、この事実を知ることで不安に感じた方も少なくないと思いますが、
その一方で矯正治療の経験と実績に長けたプロフェッショナルの歯科医がいることも事実です。
そして、そんなプロフェッショナルな歯科医の証とも言えるのが、日本矯正歯科学会の認定医・専門医制度です。
日本矯正歯科学会の認定医・専門医
日本矯正歯科学会では認定医・専門医制度を設けており、
これらの資格は一定の基準を満たした学会の会員(歯科医)に対してのみ与えられます。
ただしその基準は厳しくなっており、資格取得のためには高い技術と経験と知識が求められます。
日本矯正歯科学会の認定医
日本矯正歯科学会において最も基本的な資格であり、以下の基準を満たした歯科医に与えられます。
・歯科医師免許を有すること
・歯科医師免許取得後、5年以上継続して学会会員であること
・学会指定研修機関において、5年以上矯正歯科研修を修了したもの
・学会の認めた学術刊行物において、矯正歯科臨床に関する報告を発表したもの
・学会倫理規定を遵守するもの
…注目すべき点は2つ目と3つ目の項目における「5年以上」という部分です。
ここから言えるのは、認定医になるためには歯科医として最低5年の経験が必要という点で、
歯科医師免許取りたての歯科医では取得できない資格ということが分かります。
日本矯正歯科学会の専門医
認定医の中で、特に技術と経験が優秀な歯科医のみが取得できる資格です。
・日本矯正歯科学会・認定医の資格を有する歯科医師であること
・10年以上継続して学会の会員であること
・学会の定めた10種類の課題症例を自分で治療し、なおかつそれら全ての治療結果が学会の定めた基準を満たして合格すること
・過去10年以内に学会の定めた刊行物、もしくは学術集会において矯正歯科に関する発表をしたもの
・学会倫理規定を遵守するもの
…注目すべき点は2つ目と3つ目の項目で、まず専門医になるには最低10年の経験が必要という点です。
また、学会の定めた症例において自ら治療し、さらにその治療の結果が基準以上でなければなりません。
つまり矯正治療の経験があるだけでなく、その治療実績も確かなものでなければ専門医にはなれないのです。
日本矯正歯科学会の認定医・専門医の探し方
上記の説明から、日本矯正歯科学会の認定医・専門医…特に専門医のレベルの高さが分かります。
そうなると、患者さんとしては矯正治療の際に日本矯正歯科学会の専門医の治療を受けたいと考えますが、
ここで問題なのは専門医が在籍する歯科医院をどのように探せば良いのかという点です。
その方法は実は簡単で、日本矯正歯科学会のWEBサイトから探せます。
WEBサイトでは専門医の名前だけでなく在籍する歯科医院を都道府県別に検索でき、
さらに該当する歯科医院の住所と連絡先も分かるため、専門医の在籍する歯科医院を簡単に探せます。
まとめ
いかがでしたか?
最後に、矯正学会の認定医・専門医制度についてまとめます。
1. 矯正治療を行える歯科医の基準 :歯科医師免許があれば、例え未経験の歯科医でも矯正治療を行える
2. 日本矯正歯科学会の認定医・専門医 :資格取得のためには厳しい基準を満たす必要がある
3. 日本矯正歯科学会の認定医・専門医の探し方 :日本矯正歯科学会のWEBサイトを利用する
これら3つのことから、矯正学会の認定医・専門医制度について分かります。
日本矯正歯科学会の認定医・専門医の資格の有無は、矯正歯科医の腕の良さを判断する基準にも役立ちます。
矯正治療は費用が高く、通院の期間も長い治療です。
このため、費用や通院の距離だけで治療を受ける歯科医院を選ぶ方もいるでしょう。
しかしそれだけでなく歯科医の腕もポイントにして、
日本矯正歯科学会の認定医・専門医の資格の有無に注目することも大切です。