矯正装置が見えるのが嫌で、矯正装置をしたくてもできません blog

2018.08.25

杉並区の歯医者さん、浜田山おとなこども歯科・矯正歯科です。
今回のテーマは「見えない矯正方法について」です。
矯正治療は歯並びが美しくなりますが、それまでの過程を苦痛に思う方は少なくありません。

と言うのも、矯正治療中は矯正装置の装着が必要となるため、
その期間中は口元の見た目が悪くなってしまうからです。
しかしそれはもう以前の話…最近では審美性を重視した見えない矯正方法が人気です。

見えない矯正方法

見えない矯正治療には2つの方法があります。
どちらも「矯正装置を使用して歯を動かす」という点については同じですが、
使用する矯正装置が異なっており、1つは裏側矯正、もう1つがマウスピース矯正と呼ばれるタイプです。
以下の項目で、裏側矯正とマウスピース矯正について詳しく説明していきます。

裏側矯正について

裏側…つまり舌側に矯正装置を装着することから舌側矯正とも呼ばれます。
表側に矯正装置を装着しないため矯正装置が目立ちにくく、そのため見えない矯正方法と言われています。
さて、裏側矯正は矯正装置が目立たないのがメリットですが、それ以外にもメリットはあります。

裏側矯正のメリット

・虫歯になりにくい
矯正治療中は虫歯になりやすく、それは矯正装置を装着することで歯磨きがしづらいからです。
このため普段以上に食べカスやプラークが溜まってしまい、虫歯になるリスクを高めてしまいます。
しかし、裏側矯正は唾液が集まる舌側に矯正装置を装着するため、唾液が細菌を洗い流してくれるのです。

・唇のケガを予防できる
表側矯正の場合、口元をぶつけると矯正装置の金具があたって唇をケガしてしまいます。
しかし裏側矯正では表側に矯正装置を装着しないため、多少ぶつけた程度で唇をケガすることはありません。
ただし、格闘技など身体同士が激しくぶつかるスポーツになると、裏側矯正でも口の中を切る恐れがあります。

…「審美性の高さ」のメリットだけが目立つ裏側矯正ですが、
「虫歯になりにくい」、「唇のケガを予防できる」などのメリットもあります。
特に矯正治療中は虫歯になりやすいため、「虫歯になりにくい」は大きなメリットと言えるでしょう。

裏側矯正のデメリット

・発音がしづらい
舌側に矯正装置を装着するため、舌を使っての発音がしづらくなります。
最も、これは慣れで解消できるためそれほど大きな問題ではないですが、
例えば英会話の講師など、発音が重要な仕事をしている方は要注意です。

・費用が高い
矯正治療は健康保険が適用されないので費用は高額です。
特に裏側矯正の費用は高く、相場は表側矯正の1.5倍ほどの費用になっています。
これは裏側矯正の場合、矯正装置がオーダーメイドになるからです。

…「発音のしづらさ」や「費用の高さ」は裏側矯正に限らず、全ての矯正方法に言えるデメリットです。
このため、表側矯正にしたからと言って発音に何の違和感がないわけではありません。
裏側矯正の場合、そのデメリットがより強くなるイメージで捉えれば良いでしょう。

マウスピース矯正について

マウスピース矯正は、文字どおりマウスピース型の矯正装置を使用します。
自分で取り外しできる上にマウスピースも透明なため、見えない矯正方法と言われています。
自分で取り外しできるという大きな特徴が、マウスピース矯正のメリットにもデメリットにもなっています。

マウスピース矯正のメリット

・食事や歯磨きに不自由さがない
矯正装置であるマウスピースは自分で取り外し可能なため、食事や歯磨きの時には外すことができます。
このため、食材による矯正装置への着色や食べカスの付着を気にしなくて良いですし、
歯磨きがしやすいことは虫歯になるリスクを減らせることを意味します。

・痛みが小さい
矯正装置を装着すると、慣れるまではどうしても痛みを感じます。
しかし、マウスピース矯正の場合はその痛みが小さいとされています。
また、マウスピース矯正はそれほど強く歯が動かないため、歯が動く痛みも小さくなっています。

…大きなメリットは、自由に取り外しができることです。
これによって食事や歯磨きの不自由さがなくなり、普段を同じ感覚で日常生活を過ごせます。
ただし、「自由に取り外しできる=いつでも外して良い」と考えてしまうのは間違いです。

マウスピース矯正のデメリット

・対応できる症例に限界がある
マウスピース矯正は、ワイヤーを使用する表側矯正や裏側矯正に比べて歯を動かす力が弱く、
そのため歯並びがあまり凸凹した難しい症例には対応できません。
マウスピース矯正は治療期間が短いですが、それは元々の症例がそれほど難しくないからです。

・矯正治療をサボってしまう
これは患者さんの意志の問題です。
自由に取り外しできることから、つい外してしまう機会が増えてしまうと治療の成果が得られなくなります。
自由に取り外しできるとは言え、マウスピース矯正では1日20時間ほどの矯正装置の装着が必要です。

…審美性や利便性だけに注目すれば、マウスピース矯正は表側矯正に比べて全てにおいて優れています。
それでも表側矯正をする方がいるのは、マウスピース矯正では対応できる症例に限界があるからです。
つまり見た目は目立たなく美しい反面、歯を動かす矯正力はそれほど高くありません。

まとめ

いかがでしたか?
最後に、見えない矯正方法についてまとめます。

1. 見えない矯正方法 :方法としては、裏側矯正とマウスピース矯正がある
2. 裏側矯正について :メリットは虫歯になりにくいこと、デメリットは発音がしづらいこと
3. マウスピース矯正について :メリットは食事の時に外せること、デメリットは対応できる症例が限られること

これら3つのことから、見えない矯正方法について分かります。
裏側矯正やマウスピース矯正なら、矯正装置の見た目を気にすることなく矯正治療を行えます。
従来の表側矯正を含め、それぞれの矯正方法にはメリットとデメリットがあるため、
それらを把握した上で最も自分に合った矯正方法を選択しましょう。