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私はインプラントですし調整も行ったので、噛み合わせが悪くなることはないですか? blog

2018.09.11

私はインプラントですし調整も行ったので、噛み合わせが悪くなることはないですか?

杉並区の歯医者さん、浜田山おとなこども歯科・矯正歯科です。
今回のテーマは「インプラントと噛み合わせの問題」です。
インプラントでは上部構造…つまり被せ物を立てた時にしっかりと高さを調整します。

そして一度噛み合わせを調整した以上、もう噛み合わせが悪くなることはないと考える人がいますが、
それは大きな間違いです。インプラントで噛み合わせの調整を行ったとしても、
その後しばらく経つと噛み合わせが悪くなっている…そんな事態もあるのです。

なぜ調整した噛み合わせが悪くなるのか

調整したはずのインプラントの噛み合わせが悪くなる、その原因として4つの可能性がまず考えられます。

元々噛み合わせが合っていなかった可能性

インプラントは難易度の高い治療ですから、歯科医による腕の差がより明確に出ます。
そこで考えられるのが、不慣れな歯科医が治療を行うことで元々噛み合わせが合っていなかった可能性です。
そもそも被せ物の高さが合っていなければ、その時点で噛み合わせが正常ではないのです。

一方の歯で噛む癖が噛み合わせを悪くさせた可能性

インプラントは歯を失った時に行う治療ですから、治療前はその箇所に歯がなかったことになります。
歯がなければそこで噛もうとせず、残った歯で噛もうとするでしょう。
インプラントをしてもその癖がなおってなければ、一方の歯だけで噛んで噛み合わせを悪くさせてしまいます。

インプラント周囲炎の可能性

インプラントは人工物ですから虫歯になることはありません。
しかしインプラントを支える顎の骨は天然のものですから、歯周病になることはあります。
そしてインプラントが歯周病になると、インプラントが不安定になって噛み合わせが悪くなってしまいます。

他の歯の噛み合わせが悪くなった可能性

例えインプラントをしても、お口の中にはそれ以外の歯がたくさんあります。
このため、インプラントではなくそれらの歯の噛み合わせが悪くなることも考えられます。
例えインプラントが正常でも、他の歯の噛み合わせが悪ければ全体の噛み合わせは悪くなるのです。

…特にインプラント周囲炎は噛み合わせが悪くなるだけでなく、インプラントの脱落すら招く深刻な病気です。
歯周病に比べて進行も早いため、インプラント周囲炎の場合は早期治療が必要です。

メンテナンスの重要性

インプラントは治療後もメンテナンスを目的とした定期的な通院が必要です。
メンテナンスではインプラントの状態を確認するため、噛み合わせが悪い場合は調整を行います。
ちなみに、メンテナンスで行うメニューは次のとおりです。

口腔内の健康状態の確認

インプラントはもちろん、他の天然の歯や歯肉の健康状態も確認します。
噛み合わせが悪い場合はここで発見できますし、他の歯の虫歯や歯周病の発見も可能です。

レントゲン

インプラントを支える顎の骨の状態を確認するのが目的で、歯周病やインプラント周囲炎の発見が可能です。
特にインプラント周囲炎はインプラント脱落の原因となるため、予防はもちろん早期発見が重要です。

クリーニング

インプラントや他の歯に付着したプラークを除去して、虫歯や歯周病やインプラント周囲炎を予防します。
また、歯磨きでは対処できない歯石まで綺麗に除去できます。

ブラッシング指導

毎日の口腔ケアの基本となる歯磨きの精度を高めるのが目的です。
正しい歯の磨き方の指導を受けることで、歯磨きの技術が向上してより効率良くプラークを除去できます。

メンテナンスの頻度

いくら腕の良い歯科医が治療した場合でも、インプラントの噛み合わせに永続性はなく、
日常生活を過ごす中で少しずつ噛み合わせは合わなくなっていきます。
そのためにメンテナンスが必要なのですが、通院の頻度はそこまで高くありません。

治療直後は経過観察も兼ねてどうしても頻度が高くなりますが、
1年経過して安定すればメンテナンスの通院の頻度は年に2回や3回ですむでしょう。
ですから、メンテナンスの通院が日常生活の支障になるようなことはありません。

まとめ

いかがでしたか?
最後に、インプラントと噛み合わせの問題についてまとめます。

1. なぜ調整した噛み合わせが悪くなるのか :元々噛み合わせが合っていなかった可能性も考えられる
2. メンテナンスの重要性 :噛み合わせの調整やインプラント周囲炎の予防のために欠かせない
3. メンテナンスの頻度 :インプラントが安定すれば1年に2回か3回ほどの頻度で良い

これら3つのことから、インプラントと噛み合わせの問題について分かります。
噛み合わせが徐々に合わなくなるのは仕方のないことで、これはインプラントに限ったことではありません。
例え天然の歯でも、生活習慣によって噛み合わせが悪くなることは稀ではないのです。

ただ、インプラントの噛み合わせにおいてはそこまで慎重に考える必要はなく、
なぜならメンテナンスさえ欠かさなければその中で歯科医が噛み合わせを調整してくれるからです。
ですから、「噛み合わせに注意する」よりも「メンテナンスを欠かさない」の意識を持ってください。