虫歯なのに歯が痛くないことってあるのですか? blog

2018.10.18

杉並区の歯医者さん、浜田山おとなこども歯科・矯正歯科です。
今回のテーマは「歯に痛みを感じない虫歯のケース」です。
虫歯になると歯が痛くなりますが、その一方で歯が痛くならない虫歯もあります。

このため、歯が痛くないのは虫歯がないという根拠にはなりません。
歯が痛くなくても診断すれば虫歯が発見されるケースがあり、今回は、そんな「歯が痛くならない虫歯」についての説明をしていきます。

歯が痛くならない虫歯のケース

まず、歯が痛くならない虫歯とはどんなケースの虫歯なのでしょうか?…それは次の3つのケースの虫歯です。

初期の虫歯

実は虫歯は発症した時点では痛みがありません。これは、最初虫歯は歯の外側…つまり表面にできるからです。
歯の表面はエナメル質によって刺激から保護されているため、虫歯になっても痛みを感じないのです。
この時点で虫歯を発見できれば、治療においても痛むことはないですし、歯を削らずに治せることもあります。

神経を除去した歯の二次虫歯

二次虫歯とは一度虫歯治療した歯が再度虫歯になることで、言わば虫歯の再発です。
そして、最初の虫歯治療で神経を除去した場合、二次虫歯が起こっても痛みを感じることがありません。
これは神経を除去しているのが理由であり、神経を失ったことで痛みの感覚を感じないのです。

虫歯が進行して神経が死んだ場合

虫歯が進行して神経が死ぬと、神経を失ったことでその時点で痛みを感じなくなります。
最も、このケースにおいては神経が死ぬまでの期間に痛みも激痛も感じているでしょうから、
例え痛みがなくても虫歯に気づかないというのはまずあり得ません。

歯が痛くならない虫歯の怖さとは

虫歯になって最も嫌なのが歯の痛みです。ズキズキと感じる痛みは大人でも辛いですからね。
その意味では、今回のケースのように歯が痛くならない虫歯は一見全く怖くないように思えます。
しかし実際にはそうではなく、歯が痛くならない虫歯はむしろ歯が痛くなる虫歯よりも怖いのです。

痛みというのは辛い感覚ですが、その一方で身体の異常を知らせる大切な信号です。
歯が痛いから虫歯に気づき、虫歯に気づいたからこそ歯科医院に行きます。
そして歯科医院に行けば、虫歯を治すことができます。

では痛みがなければどうなるでしょうか。痛みがなければ虫歯だと気づけません。
虫歯だと気づかなければ歯科医院にも行かないでしょうし、そうすれば虫歯はどんどん進行していきます。
これが、歯が痛くならない虫歯の怖さです。虫歯を自覚できないため、進行させてしまうのです。

歯が痛くならない虫歯に気づくには

歯が痛くならない虫歯は、自分で虫歯だと気づけないのが怖いところです。
では実際、こうしたケースの虫歯ではどうやって虫歯に気づけるのでしょうか。
実は簡単な方法があり、それは歯科医院で定期検診を受けることです。

定期検診を受ければ、歯科医が患者さんの口の中の健康状態をチェックします。
そうすれば、例え痛みのない虫歯でも発見できますし、その時点で治療も行えます。
また、何より定期検診を受けることは虫歯の予防効果を高めることにもなるのです。

歯の健康状態

歯が痛くない虫歯のケースがあることから分かるのは、
歯が痛くないのは歯が健康な根拠にはならないということです。
「虫歯=歯が痛い」のイメージが強いため、歯が痛くなければその歯は健康のように思えます。

しかし歯が痛くない虫歯のケースがある以上、歯が痛くても虫歯の可能性があるのです。
また、これは虫歯に限ったことではなく歯周病にも同じことが言えます。
歯周病も歯の痛みをほとんど感じないため、実際に「静かなる病気」とも呼ばれています。

虫歯が進行し続けるとどうなるか

痛みのない虫歯に気づけなければ、虫歯はどんどん進行していきます。
そして、虫歯が進行し続けることで次のような深刻な事態を招きます。

歯を失う

虫歯が末期段階まで進行すると、もうその時には歯はほとんど残っていない状態です。
虫歯菌の酸によってボロボロに溶かされ、そこに歯があることすら確認できないでしょう。
ここまで虫歯が進行してしまうと、例え治療しても抜歯が必要になる可能性が高くなります。

命にかかわる病気を招く

虫歯菌は治療しない限り生き続けます。歯を完全に破壊した後も生き続け、
今度は血液の中にまで入ってきます。そうすると血管から全身に虫歯菌がまわり、
ケースとしては稀ですが脳梗塞や心筋梗塞が起こる原因となります。

まとめ

いかがでしたか?
最後に、歯に痛みを感じない虫歯のケースについてまとめます。

1. 歯が痛くならない虫歯のケース :初期の虫歯、神経を除去した歯の二次虫歯、進行して神経が死んだ虫歯
2. 歯が痛くならない虫歯の怖さとは :痛みの自覚症状がないことで、自分が虫歯であることに気づけない
3. 歯が痛くならない虫歯に気づくには :定期検診を受けて、歯科医に口の中の健康状態を確認してもらう
4. 歯の健康状態 :歯が痛くないのは歯が健康な根拠にはならない
5. 虫歯が進行し続けるとどうなるか :歯を失う、脳梗塞や心筋梗塞が起こる原因になる

これら5つのことから、歯に痛みを感じない虫歯のケースについて分かります。
初期の虫歯、神経を除去した歯の二次虫歯、進行して神経が死んでしまった虫歯、これらのケースの虫歯では痛みを感じることがありません。
と言うことは、歯が痛くない人でも実際には虫歯になっている可能性もあるのです。