• ホーム
  • 週刊浜田山
  • 歯が痛くなった当日に歯医者に行ったのに虫歯が進行していました。進行はそんなに早いのですか?

歯が痛くなった当日に歯医者に行ったのに虫歯が進行していました。進行はそんなに早いのですか? blog

2018.11.05

杉並区の歯医者さん、浜田山おとなこども歯科・矯正歯科です。
今回のテーマは「虫歯の進行と自覚症状について」です。虫歯を自覚するきっかけとして最も多いのが歯の痛みです。

歯が痛いと感じることで虫歯を自覚し、そのため歯科医院に行って虫歯を治療します。では、仮に歯が痛いと感じてすぐ歯科医院に行けば、虫歯が進行する前に治療できるのでしょうか。実はその答えはノーで、痛いと感じた時点で治療のタイミングとしては遅いのです。

エナメル質と象牙質

歯の構造を簡単に説明すると、歯の表面はエナメル質で覆われており、その奥に象牙質、さらにその奥に歯の神経があります。このうち歯の主体となるのは象牙質なのですが、本来象牙質は刺激に対して非常に敏感です。

ほんの少しの刺激で痛みを感じますし、熱さや冷たさといった温度でも痛みを感じます。しかし普段そう感じないのは、表面のエナメル質によって保護されているからです。虫歯の痛みについて解説する前に、まずはこの仕組みを覚えておいてください。

虫歯と歯の痛み

虫歯は基本的に最初歯の表面にでき、そこから奥に向かって進行していきます。つまり、「エナメル質→象牙質→神経」の順に進行していくのです。さて、虫歯になると歯が痛みますが、実は初期の虫歯には痛みがありません。

と言うのも、初期の虫歯は歯の表面にできることから、例え虫歯になってもエナメル質の保護効果によって痛みを感じないためです。そのことから、虫歯で歯が痛むということはその虫歯は象牙質まで進行しているのです。

痛みを感じてからの治療では遅い

上記の説明から分かるとおり、虫歯で痛みを感じるのであれば、既にその虫歯は象牙質まで進行しています。ですから、例え痛みを感じてすぐ歯科医院に行ったとしても、虫歯が進行していると診断されるのです。もちろん、痛みを感じてすぐ歯科医院に行くこと自体は間違いではありません。

日が経てばさらに虫歯が進行する可能性もありますから、すぐ歯科医院に行くのはむしろ正しいことです。しかし、虫歯を初期段階で治療したいと考えているのであれば、痛みを感じた時点で治療のタイミングとしては遅く、さらに前に治療しなければなりません。

初期段階で虫歯を治療できない人が多い理由

実際、初期段階で虫歯を治療できる人はかなり少ないのではないでしょうか。と言うのも、初期段階の虫歯には痛みはないですし、痛みがなければ虫歯を自覚しづらくなるからです。虫歯を自覚しづらい以上は歯科医院に行こうとは思わないでしょうから、実質虫歯は放置状態になります。

そうすれば知らない間に虫歯は進行し、痛みを感じるまでになってしまうのです。つまり、初期段階で虫歯を治療できない人が多い理由は、初期段階の虫歯には痛みがないため、自分が虫歯であることに気づく人がほとんどいないからです。

初期段階で虫歯を治療するには

初期段階で虫歯を治療するには、そもそもその時点で虫歯を自覚できなければなりません。しかし痛みを感じない以上、自分が虫歯だと気づくことは難しいでしょう。ただし、定期検診を受けている方は別で、例え虫歯になっても初期段階で治療しています。

定期検診では歯科医が歯の健康状態を確認しますから、痛みのない虫歯でも発見できるのです。つまり、初期段階で虫歯を治療するには定期検診を受ける習慣を身につければ良いのです。そうすれば検診時に虫歯を発見できますし、何より定期検診によって虫歯の予防効果も高まります。

虫歯は歯が痛むとは限らない

虫歯は必ずしも歯が痛むとは限らないため、「歯の痛みがない=虫歯がない」とは限りません。今回の説明にある初期段階の虫歯には痛みがないですし、それ以外にも「神経が死んだ歯の虫歯」、「神経を除去した歯の二次虫歯」には痛みがありません。

特に、「神経が死んだ歯の虫歯」や「神経を除去した歯の二次虫歯」は神経を失っているから、どれだけ虫歯が進行しても痛みを感じることはありません。また、他の病気も含めて考えれば歯周病も歯の痛みはありません。

まとめ

いかがでしたか?
最後に、虫歯の進行と自覚症状についてまとめます。

1. エナメル質と象牙質 :歯の表面のエナメル質は、その奥の象牙質を刺激から保護している
2. 虫歯と歯の痛み :歯の表面が虫歯になっても痛みはなく、象牙質まで進行した時点で痛みを感じる
3. 痛みを感じてからの治療では遅い :痛みを感じるということは、既に虫歯は象牙質まで進行している
4. 初期段階で虫歯を治療できない人が多い理由 :痛みを感じないため虫歯を自覚しにくい
5. 初期段階で虫歯を治すには :定期検診を受けていれば、初期段階の虫歯でも発見して治療できる
6. 虫歯は歯が痛むとは限らない :痛みのない虫歯もあるため、「歯が痛くない=歯が健康」と断言できない

これら6つのことから、虫歯の進行と自覚症状について分かります。まとめると、虫歯の自覚症状として最も一般的なのは歯の痛みです。このため、誰もが歯が痛むと自分で虫歯であることに気づきます。

しかし、虫歯で歯が痛むのは虫歯が象牙質まで進行したためで、つまりその虫歯は既に進行していることになります。このため、痛みを感じてから治療するのは虫歯治療のタイミングとして遅いのです。