「女性の方が歯周病になりやすい」と聞きましたが、その理由を教えてください blog

2018.12.07

杉並区の歯医者さん、浜田山おとなこども歯科・矯正歯科です。今回のテーマは「女性が歯周病になりやすい理由」です。「男性より女性の方が歯周病になりやすい」…そう聞いたことのある方もいると思います。

確かに、妊娠中の女性は歯周病に要注意とされていますし、それは妊娠中の女性が歯周病になると早産や低体重児を出産するリスクが高まるからです。しかし、歯周病になるリスクにおいて性別の違いはあるのでしょうか。

女性が歯周病になりやすい理由

女性が歯周病になりやすいのは事実です。とは言え、常にそのリスクが高いわけではなく時期が限られており、特に歯周病になりやすいのは妊娠中です。そして、その理由には次のようなことが挙げられます。

女性ホルモンの過剰な分泌

妊娠すると女性ホルモンのバランスに変化が起こり、過剰な分泌が起こることがあります。そして、歯周病菌の中には女性ホルモンを栄養源するものが存在するため、女性ホルモンの過剰な分泌によってそのような歯周病菌の働きが活発になってしまうのです。

つわりの影響

妊娠してつわりが起こると、どうしても歯磨きがしづらくなります。つわりの程度には個人差がありますから、歯ブラシを口に入れただけで気持ち悪くなる女性もいるでしょう。このため歯磨きが普段どおりできなくなり、磨き残しが増えて歯周病になるリスクが高まります。

食生活の変化

妊娠すると食生活に変化が起こります。食欲が増して食べる頻度が高まる女性もいますし、好物が変化して甘い物を好きになる女性もいます。食べる頻度が高まる、甘い物を食べる…こうした変化は歯周病になるリスクを高める要因になります。

…これらはいずれも妊娠によって起こる変化であり、すなわち女性だけに起こる変化です。こうした理由から、男性に比べて女性の方が歯周病になりやすいのです。

歯周病になりやすい人の特徴

歯周病になりやすいのは女性だけではありません。女性ホルモンのバランスの変化はあくまで歯周病になりやすくなる要因の一つであり、例え男性であったとしても歯周病になりやすい特徴を持った人がいます。

歯並びが悪い人

歯並びが悪いと歯並びが凸凹しているため、歯磨きの精度が落ちます。さらに歯と歯が重なっていると、そこにプラークや歯石が溜まりやすくなります。このため、歯並びが悪いと歯周病になりやすいのです。

疲労やストレスを解消できない人

社会人として生活している以上、疲労やストレスをゼロにすることはまず不可能でしょう。しかし、本来なら蓄積された疲労やストレスは睡眠や趣味によって解消するものです。それができない人は疲労やストレスの蓄積によって身体の免疫力が低下し、歯周病になりやすくなります。

噛み合わせが悪い人

噛み合わせについては、歯並びに比べて深刻に考えない人が多いかもしれません。しかし、噛み合わせが悪いと歯肉がダメージを受けて炎症を起こしやすくなりますし、噛み合わせの悪さによって口呼吸になると歯周病になりやすくなります。

唾液の量が少ない人

唾液の質は人それぞれ異なり、最も歯周病になりやすいのは唾液の量…つまり分泌量が少ない人です。唾液の量が少なければ細菌が流されにくくなりますし、口の中が常に渇いた状態になります。歯周病菌は嫌気性菌といって空気を嫌いますから、乾燥状態の口の中は歯周病菌にとって絶好の環境です。

歯周病を予防するための歯磨き

歯周病予防の基本は毎日の歯磨きで、なぜなら歯周病菌はプラークに含まれているからです。最も、歯磨き自体は誰もが欠かさず行っていると思いますが、プラークを効率良く除去できる歯磨き…つまり精密な歯磨きができなければ充分な予防はできません。そこで、歯磨きの精度を高めるための3つの方法をお伝えします。

デンタルフロスや歯間ブラシの使用

デンタルフロスは歯と歯の間、歯間ブラシは歯と歯肉の境目を磨くためのものです。一般的に、ブラッシングだけの歯磨きではプラークの除去率は6割ほどですが、これらを使えばプラークの除去率がさらに2割高まります。

ブラッシング指導を受ける

予防歯科や定期検診では、治療メニューの中でブラッシング指導を行っています。これはその人の歯並びに合った正しい歯磨きの仕方を指導するもので、ブラッシング指導を受けることで毎日の歯磨きの技術が確実に向上します。

プラークテスターを使う

プラークテスターを使うと、目に見えないプラークを染色することができます。このため確実に磨き残しを減らせますし、数日連続して使えば染色されるパターンも分かるため、どこに磨き残しが多いか…つまり、自分の歯磨きの弱点も把握できます。

まとめ

いかがでしたか?
最後に、女性が歯周病になりやすい理由についてまとめます。

1. 女性が歯周病になりやすい理由 :妊娠時の女性ホルモンの過剰な分泌や、つわりによる歯磨きのしづらさ
2. 歯周病になりやすい人の特徴 :歯並びが悪い、疲労やストレスを解消できない、噛み合わせが悪いなど
3. 歯周病を予防するための歯磨き :デンタルフロスや歯間ブラシの使用、ブラッシング指導を受けるなど

これら3つのことから、女性が歯周病になりやすい理由について分かります。女性には歯周病になりやすい時期があり、それは女性ホルモンの分泌が過剰になる時期です。それは主に妊娠時が挙げられ、特に妊娠時はつわりによって歯磨きがしづらくなるなど、他の理由もいくつか合わさって歯周病になりやすくなります。