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「ホワイトニングは歯を白く見せる」と聞きましたが、「見せる」とはどういうことですか? blog

2019.02.16

杉並区の歯医者さん、浜田山おとなこども歯科・矯正歯科です。今回のテーマは「ホワイトニングの仕組みについて」です。ホワイトニングとはどんな治療なのか?…それは歯を白くするための治療です。

しかし、ホワイトニングの仕組みの説明を聞くと「歯を白く見せる」と表現されます。「見せる」という表現からは実際には歯は白くなっていないイメージを受けますが、ホワイトニングとは具体的にどのような仕組みになっているのでしょうか。

歯の変色のパターン

歯が変色しているとして、そのパターンは2つ考えられます。1つは歯の表面が変色しているパターンで、これは飲食物による着色が原因で起こりやすく、例えばコーヒーやワインを飲んだことによって歯が変色するパターンを意味します。

このパターンの解消方法は簡単で、あくまで歯の表面が着色しているだけですから、市販のホワイトニング歯磨き粉や歯科医院で歯のクリーニングを受けることで着色を落とせます。問題なのはもう1つのパターンで、象牙質が変色しているパターンです。

象牙質は歯の表面ではなくその奥にあるため、歯磨きで磨くことは物理的にできません。外側から磨けるのはあくまで歯の表面のみですから、象牙質の変色は磨いて白くすることはできないのです。そして、このパターンにおける歯の変色を解消できるのがホワイトニングです。

ホワイトニングの仕組み・例え

ホワイトニングの仕組みについては、別の例えで考えると分かりやすいと思います。浴室の窓を連想してください。浴室の窓が透明ガラスだと、入浴している姿が外から見えてしまいますよね。この場合どうすれば良いか?…確実なのは、見えてもいいように浴室で服を着ることでしょう。

しかし実際には入浴中に服を着るのは不可能ですから、透明ガラスを対処しなければなりません。そこで、透明ガラスを曇りガラスに変えてしまうのです。そうすれば、曇りガラスのマスキング効果によって外から入浴している姿は見えなくなりますからね。

…実はホワイトニングの仕組みはこれと同じです。要するに、変色した象牙質を白くすることは不可能なため、外から見えなくなるようにするのです。象牙質が見えなくなることで歯が白くなったように「見える」…だから「歯が白く見える」と表現するのです。

ホワイトニングの仕組み・詳細

変色した象牙質が見えるのは、歯の表面のエナメル質が無色透明だからです。言わば透明ガラスに等しい状態であり、そのためその奥の象牙質がそのまま見えてしまいます。さて、ホワイトニングで使用する薬剤には過酸化尿素や過酸化水素が含まれています。

これらの成分によって、まずエナメル質が元の無色透明な状態になり、歯の表面の着色が落ちます。さらに角ばった形状のエナメル質が丸みを帯びた形状に変化して、そうなると奥の象牙質が見えなくなります。つまりエナメル質の構造が変化して、マスキング効果をもたらすようになるのです。

…これがホワイトニングの仕組みです。ホワイトニングの薬剤によって透明ガラス状態のエナメル質を曇りガラス状態に構造変化させ、マスキング効果によって変色した象牙質が見えなくなり、歯が白くなったように「見える」のです。

ホワイトニングの後戻り

ホワイトニングではエナメル質を元々の状態から構造変化させており、そのためエナメル質は時間をかけて元の状態に戻ろうとします。完全に元に戻れば再び透明ガラス状態になるため、そうなると変色した象牙質が見えてしまいます。

これがホワイトニングの後戻りであり、残念ながら後戻りを防ぐことはできません。最も、ホワイトニングの後戻りはそれほど深刻な問題ではなく、後戻りした場合は再びホワイトニングをする…つまり重ねてホワイトニングすれば良いだけです。

ちなみに、ホワイトニングには歯科医院で行うオフィスホワイトニング、自宅で行うホームホワイトニングがありますが、後戻りがしづらく長持ちするのはホームホワイトニングです。ただしホームホワイトニングは長持ちする分、白くなるのにも時間がかかります。

まとめ

いかがでしたか?
最後に、ホワイトニングの仕組みについてまとめます。

1. 歯の変色のパターン :象牙質が変色している場合、白くするにはホワイトニングが必要になる
2. ホワイトニングの仕組み・例え :浴室の透明ガラスを曇りガラスにして浴室を見えなくさせる
3. ホワイトニングの仕組み・詳細 :薬剤によってエナメル質を曇りガラス状態に変化させる
4. ホワイトニングの後戻り :後戻りしても再びホワイトニングすれば白さを維持できる

これら4つのことから、ホワイトニングの仕組みについて分かります。ホワイニングでは実際には象牙質が白くなったわけではなく、象牙質をうつすエナメル質を構造変化させることで変色した象牙質をうつらなくさせる仕組みです。ですから、ホワイトニングの説明では「歯が白くなる」ではなく「歯が白く見える」と表現するのです。