原因が分からず、歯がグラグラしていて抜けそうなのですが歯周病ですか? blog

2019.04.01

杉並区の歯医者さん、浜田山おとなこども歯科・矯正歯科です。
今回のテーマは「歯周病について」です。
歯が抜けそうなぐらいグラグラしている場合、その原因として可能性が高いのは歯周病でしょう。

と言うのも、その症状は重度の歯周病の症状と全く同じだからであり、
実際に歯周病は進行すると最終的に歯を失う怖い病気です。
今回はそんな歯周病をテーマした様々なお話をしていきます。

歯周病になると歯がグラグラするのはなぜ?

歯周病になると歯肉に炎症が起こるため、「歯周病=歯肉の病気」と思っている人が多いのですが、
実際にはそうではなく歯の骨の病気です。歯は歯槽骨という骨に支えられているのですが、
歯周病が進行するとその歯槽骨が溶かされてしまいます。

歯槽骨が溶かされることは歯が支えを失うことを意味しますから、
当然歯は不安定な状態になってグラつき、最終的には抜け落ちてしまうのです。
つまり歯周病になると歯がグラグラするのは、支えである歯槽骨が溶かされているためです。

何歳の人が歯周病になる?

歯が抜けるという症状から、歯周病は高齢の人だけがなる病気のイメージがあります。
しかしそうではなく、歯と歯肉があれば誰でも…つまり子供でも歯周病になります。
最も、若い人は代謝も活発ですから、歯を失うほど歯周病が進行することはまずないでしょう。

しかし初期の歯周病を意味する歯肉炎は小学生の子供でもなりますし、
実際に検診時に歯肉炎と診断される小学生の数は少なくありません。
ですから、歯周病は何歳であったとしても予防が必要です。

歯周病は人にうつる?

歯周病は人から人にうつると言われますが、実際には歯周病の症状がそのままうつることはなく、
「歯周病の原因菌が人から人にうつる」が正しい表現です。
その経路は唾液を介すことであり、例えば回し飲みやキスや歯ブラシの接触などが挙げられます。

つまり、家族や恋人の間で歯周病の原因菌がうつってしまうことになり、
大切な人に病気をうつさないためにも家族や恋人と一緒に予防することが大切です。
特に、最近では歯周病の母子感染が問題視されています。

どういう人が歯周病になりやすい?

言うまでもなく、歯磨きが不充分だと歯周病になりやすいのですが、
他にも唾液の分泌量が低いと歯周病になりやすく、なぜなら唾液による細菌の除去ができないからです。
また歯周病は生活習慣病ですから、日常生活の過ごし方次第で発症のリスクは高くも低くもなります。

ちなみに、発症のリスクが高いのは喫煙している人や疲労などで身体の免疫力が低下している人です。
さらに噛み合わせが悪い人も歯周病になりやすいですし、糖尿病の人も歯周病になりやすいとされています。
それと歯周病の原因菌は女性ホルモンを栄養としますから、男性よりも女性の方が歯周病になりやすいです。

歯周病になるとどんな症状がある?

元々歯周病は「静かなる病気」と呼ばれており、目立った自覚症状がないのが特徴です。
とは言え自覚症状が全くないわけではなく、ズラリと挙げると次のような自覚症状があります。

・歯肉が腫れる
・歯肉が変色する
・歯肉から出血しやすくなる
・口臭がする
・歯石ができる
・歯肉の高さが下がって歯の根が露出する(歯が伸びたように見える)
・知覚過敏が起こる
・歯がグラつく

…このような自覚症状があり、歯がグラつくのはその中でも分かりやすい自覚症状です。
ただし歯がグラつくとなると歯周病は重度段階まで進行していますから、
この自覚症状で歯周病に気づくようでは治療のタイミングとして遅すぎです。

歯周病はどうやって予防する?

もちろん100%確実な予防方法はないのですが、「精密な歯磨き」、「生活習慣の改善」、「定期検診の受診」、
これら3つを全て実践していれば、大抵の歯周病は予防できるでしょう。
また、定期検診を受診している点で歯周病の重症化も防げます。

そして、精密な歯磨きをするにはブラッシングだけでは不充分なため、
デンタルフロスや歯間ブラシを使うと良いでしょう。
ちなみに、これら3つの方法を実践することで歯周病だけでなく虫歯も予防できます。

まとめ

いかがでしたか?
最後に、歯周病についてまとめます。

1. 歯周病になると歯がグラグラするのはなぜ? :歯周病によって歯を支える歯槽骨が溶かされるため
2. 何歳の人が歯周病になる? :高齢に人に限らず、初期の歯周病である歯肉炎なら小学生でもなる
3. 歯周病は人にうつる? :歯周病が直接うつることはないが、その原因菌は唾液を介して移動する
4. どういう人が歯周病になりやすい? :歯磨きが不充分な人、唾液の分泌量が低い人など
5. 歯周病になるとどんな症状がある? :歯肉が腫れる、歯肉が変色する、歯肉から出血しやすくなるなど
6. 歯周病はどうやって予防する? :精密な歯磨き、生活習慣の改善、定期検診の受診

これら6つのことから、歯周病について分かります。
歯がグラつく場合は重度段階の歯周病が高いでしょう。
突然「重度段階の歯周病」と告げられれば困惑するかもしれませんが、それが歯周病の怖さであり、
「静かなる病気」である歯周病は明確な自覚症状がないのです。
痛みがないから歯周病は怖くないと考える人がいますが、痛みがないからこそ怖いのです。