歯が痛いです。虫歯か歯周病、どちらが原因ですか? blog

2019.04.04

杉並区の歯医者さん、浜田山おとなこども歯科・矯正歯科です。
今回のテーマは「虫歯と歯周病の症状の比較」です。
歯が痛いという症状だけでは、虫歯なのか歯周病なのか判断できません。

最も、歯周病は歯が痛むことはあまりないため、確率だけで考えれば虫歯の可能性が高いでしょう。
しかし、状態によっては歯周病でも歯が痛むことがあるのです。
改めてここで虫歯と歯周病のそれぞれの症状を比較してみましょう。

歯周病で歯が痛むケース

歯周病で歯が痛むケースとしては、次の2つが考えられます。

ケース1. 知覚過敏が起こっている

歯周病が中期段階まで進行すると歯肉が退縮するため歯の根が露出します。
そして、露出した歯の根はエナメル質がない…つまり象牙質が剥き出しのため知覚過敏が起こります。
ズキズキと常に痛むことはないですが、冷たいものなどの刺激によって痛みを感じます。

ケース2. 歯が不安定な状態になっている

歯周病が重度段階まで進行すると歯を支える骨が溶かされ、歯は不安定な状態になってグラつきます。
つまり、しっかりと歯が支えられていない状態になっているわけですから、
そうすると噛み合わせた時に強い痛みを感じるようになります。

…どちらのケースにも登場するワードとして「進行」があります。
つまり歯周病で痛みを感じる場合、その歯周病は最低でも中期段階まで進行していることになります。

2. 虫歯で歯が痛むケース

虫歯で歯が痛むケースとしては、次の2つが考えられます。

ケース1. 知覚過敏が起こっている

本来歯は表面のエナメル質によって刺激から保護されていますが、
虫歯が進行して歯に穴が空いた場合、患部に至っては象牙質が剥き出しの状態になります。
このため刺激に対して敏感になってしまい、冷たいものや熱いものの飲食で痛みを感じます。

ケース2. 神経が炎症を起こしている

これは痛みどころか激痛であり、虫歯において最も辛い自覚症状でもあります。
虫歯はどんどん下に向かって進行していき、象牙質の下には神経が存在します。
神経まで虫歯が進行すると神経が炎症を起こしてしまい、夜も眠れないほどの激痛を感じます。

…やはりどちらのケースにも「進行」のワードがあり、
つまり痛みを感じた瞬間に歯科医院に行ったとしても、既に虫歯は進行しているのです。

初期段階で治療する難しさ

虫歯と歯周病では痛みの程度やその原因は異なるものの、
どちらの痛みにおいても「進行することで痛む」という点は同じです。
さて、「進行することで痛む」ということは、「進行していなければ痛まない」とも言い換えられますね。

元々自覚症状の少ない歯周病はともかく、実は虫歯も完全な初期段階では痛みを感じません。
そして、虫歯も歯周病もこうした初期段階に治療すれば、大きな治療をすることなく治せます。
しかし、実際には虫歯も歯周病も初期段階で治療できる人は少ないのです。

と言うのも、痛みを感じなければ虫歯や歯周病にあることに気づかないからで、
特に虫歯は痛みがきっかけで虫歯を自覚して、それから歯科医院に行く人がほとんどではないでしょうか。

定期検診のすすめ

虫歯や歯周病を初期段階で発見して治療するには、定期的に検診を受けることです。
定期検診では歯科医が口の中の健康状態を確認するため、
例え痛みを感じないほど初期段階の状態だとしても確実に発見して治療できます。

また、何より定期検診を受けることでこれらの予防効果も高まり、
ブラッシング指導、歯のクリーニング、生活習慣改善のアドバイスなどの予防治療を受けられます。
とは言え、一度受けてそのままでは大きな効果はありません。

定期検診は文字どおり定期的に受けるからこそ効果があり、
理想は三ヶ月に一回、それが無理なら半年に一度のペースでは受けるようにしましょう。
虫歯や歯周病を治すためでなく、予防するために歯科医院に行くという発想が大切です。

まとめ

いかがでしたか?
最後に、虫歯と歯周病の症状の比較についてまとめます。

1. 歯周病で歯が痛むケース :知覚過敏が起こっている場合、歯が不安定な状態になっている場合
2. 虫歯で歯が痛むケース :知覚過敏が起こっている場合、神経が炎症を起こしている場合
3. 初期段階で治療する難しさ :虫歯も歯周病も初期段階では痛みを感じないため気づきにくい
4. 定期検診のすすめ :定期検診を受ければ虫歯や歯周病を初期段階で発見できる

これら4つのことから、虫歯と歯周病の症状の比較について分かります。
歯の痛みがあるというだけで虫歯か歯周病かの判断はできず、
なぜなら虫歯においても歯周病においても歯の痛みを感じる自覚症状があるからです。

しかし、それより重要なのは「歯が痛くない=虫歯も歯周病もない」とは限らないということです。
つまり、今あなたが歯の痛みを全く感じないとしても、実は虫歯か歯周病になっている可能性もあり、
それを確実に知る、確実に治療するためには歯科医院で定期検診を受けることです。