出っ歯だと噛み合わせも悪いですか? blog

2019.04.18

杉並区の歯医者さん、浜田山おとなこども歯科・矯正歯科です。
今回のテーマは「出っ歯の状態について」です。
噛み合わせが悪い場合の原因は様々で、中には見た目でしづらいケースもあります。

例えば、被せ物の高さが合わなければ噛み合わせが悪くなりますが、おそらくその場合は自分の歯並びを見ても噛み合わせの悪さを自覚できない人が多いでしょう。
一方で、出っ歯の状態のように見た目で噛み合わせの悪さを判断できるケースもあります。

出っ歯の状態と噛み合わせ

出っ歯だと上の前歯が前方に突き出ている状態ですから、下の歯と正常に重なり合うことができません。
ですから、その時点で出っ歯だと噛み合わせが悪いことが判断できます。
しかし問題はそれだけではなく、出っ歯の状態だと前歯だけでなく全体の噛み合わせが悪くなります。

まず前にある歯の噛み合わせが悪いことで、その後ろの歯の噛み合わせまで悪くなります。
すると本来力のかからない箇所に力がかかり、その力は歯に対するダメージとなります。
仮に本来ぶつかるはずのない箇所に歯がぶつかれば、そのダメージで歯が破損することも考えられます。

例え破損しなくてもダメージによって歯は確実に擦り減りますから、徐々に歯の高さが下がっていきますし、歯の高さが下がることで元の噛み合わせと変わってしまい、噛み合わせが悪くなるのです。
このように、出っ歯の状態だと全て歯に影響して最終的に全ての歯の噛み合わせが悪くなるのです。

出っ歯の状態が引き起こす問題

出っ歯は噛み合わせが悪い状態ですが、このような状態だと具体的にどのような問題が起こるのでしょうか。
そこで、出っ歯の状態が引き起こす問題を次にまとめます。

口の中が乾燥する

出っ歯だと口呼吸になるため、呼吸時に乾燥した空気を直接口の中に取り込みます。
このため、口の中が乾燥してしまいます。口の中が乾燥すると唾液の分泌量が低下するため、虫歯や歯周病になるリスクが高まりますし、嫌気性菌が活発になることで口臭も起こります。

会話時に発音しづらくなる

出っ歯の時の歯並びを正確に示すと、歯と歯の間に隙間があいている状態です。
この隙間は見た目に影響があるのはもちろん、会話時の発音にも大きく影響してきます。
と言うのも、この状態だと「サ行」と「タ行」の発音がしづらくなるからです。

歯が破損しやすい

出っ歯だと前歯が前方に突き出ていますから、正面から衝撃を受けた時に真っ先にダメージを受けるのは前歯です。
それもまともにダメージを受けてしまうため、衝撃の度合いによっては歯が破損します。

肩こりや頭痛が起こる

これは出っ歯に限らず、噛み合わせが悪い全てのケースに言える問題です。
噛み合わせが悪いことで噛む筋肉である広頸筋と側頭筋に悪い影響を与えます。
これらは肩や頭の横につながる筋肉のため、悪い影響を受けることで肩こりや頭痛が起こります。

顎関節症になりやすい

これも噛み合わせが悪い全てのケースに言える問題で、
噛み合わせが悪いと常に顎…つまり顎関節に負担をかけた状態になります。
このため顎関節症になりやすく、さらに重症化しやすい傾向があります。

虫歯や歯周病になりやすい

出っ歯だと口呼吸になるため、口の中が乾燥して唾液の分泌量が低下します。
唾液はそもそも細菌を流す役割を担っていますから、唾液の分泌量が低下すればその働きが不充分になり、細菌が残ったままになるため虫歯や歯周病になりやすくなります。

出っ歯の状態になる原因

出っ歯になる原因は様々ですが、これらは先天的原因と後天的原因に分けることができます。
先天的原因は生まれつきの問題ですから予防のしようがありません。
一方、後天的原因は子供の頃の癖や生活習慣が深く関係してきます。

先天的原因のケース

生まれつき出っ歯のケースですが、これは骨格の遺伝によって起こる問題です。
そもそも骨格の状態はある程度遺伝するため、親の上顎が大きければ子の上顎も大きく可能性が高いのです。
また、歯の大きさや形も遺伝するため、親の出っ歯が子にそのまま遺伝することもあります。

後天的原因のケース

小さな子供が何気なく行う癖の中には出っ歯の原因になるものが多々あります。
指しゃぶり、爪噛み、舌癖、頬杖、これらはいずれも出っ歯の原因になります。
こうした癖を早めに止めさせてあげることで、出っ歯を予防しやすくなります。

まとめ

いかがでしたか?
最後に、出っ歯の状態についてまとめます。

1. 出っ歯の状態と噛み合わせ :前歯だけでなく、最終的に全ての歯の噛み合わせが悪くなる
2. 出っ歯の状態が引き起こす問題 :口の中が乾燥する、会話時に発音しづらくなる、歯が破損しやすい
3. 出っ歯の状態になる原因 :先天的原因によるケースと後天的原因によるケースに分けられる

これら3つのことから、出っ歯の状態について分かります。出っ歯の状態は噛み合わせが悪いのは事実です。最も、出っ歯は見た目で判断できるため、噛み合わせの悪さはある程度予測できる事実だと思います。

問題は、噛み合わせが悪いのは前歯だけではないということです。出っ歯の状態では一見噛み合わせが悪いのは前歯だけのように思えますが、他の歯にも徐々に影響を与えてしまい、最終的には全ての歯の噛み合わせが悪くなるのです。