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歯が痛くないので虫歯はありません。それでも定期検診を受ける意味はありますか? blog

2019.05.01

杉並区の歯医者さん、浜田山おとなこども歯科・矯正歯科です。
今回のテーマは「定期検診を受ける意味」です。
歯科医院の定期検診では、口腔内の健康状態を知ることができます。

当然、虫歯があればその時点で発見して治療できますし、虫歯を早期発見するには定期検診は欠かせないと言えるでしょう。では、虫歯がなければ定期検診を受ける意味はないのでしょうか。

虫歯と歯の痛み

歯の痛みの有無は虫歯の有無を判断する根拠にはならず、そのため「歯が痛くない=虫歯がない」とは断言できません。例えば、次のケースの虫歯ではいずれも歯は痛まないのです。

進行して神経が死んだ虫歯

神経が死ぬと痛みの感覚が伝わらなくなるため、虫歯の痛みを感じなくなります。最も、この場合は虫歯の自覚がないとは考えられません。神経が死ぬまでの過程で痛みはもちろん、激痛を感じることになるからです。

神経を失った歯の二次虫歯

二次虫歯とは虫歯の再発です。最初の虫歯で神経を失っている場合で、その歯に虫歯が再発しても歯は痛まず、さらに詰め物や被せ物によって見た目でも虫歯を確認できません。このため、歯が痛くなくても詰め物や被せ物の下で二次虫歯が起こっている可能性があります。

初期の虫歯

虫歯で歯が痛む時点で、その虫歯は既に進行しています。最初、虫歯は歯の表面に発生しますが、この状態では歯に痛みを感じません。つまり、初期の虫歯では歯は痛まないのです。

…このようなケースの虫歯では歯に痛みを感じません。
「歯が痛くないから虫歯はない、虫歯はないから定期検診を受ける必要はない」と考える人がいますが、そもそも「歯が痛くないから虫歯はない」の考えた方が間違っているのです。

定期検診の必要性

仮に本当に虫歯がないとしたら、その人は定期検診を受ける必要性はないのでしょうか?…答えはノーです。理由は簡単で、定期検診を受けるのは虫歯の有無の確認だけではないからで、定期検診を受けることには虫歯の有無の確認以外に次の目的があるのです。

虫歯や歯周病の予防

定期検診では虫歯や歯周病を予防するための治療を行っており、具体的にはブラッシング指導、歯のクリーニング、生活習慣のヒアリングと改善のアドバイスなどがあります。このため虫歯がない人でも、さらに予防効果を高めるためには定期検診の受診が必要です。

口腔内全体の健康状態の確認

定期検診では口腔内の健康状態を確認しますが、虫歯の有無と同時に歯周病の有無も確認しますし、口腔内全体の健康状態を確認しているのです。虫歯がなくても歯周病があるかもしれないですし、詰め物や被せ物に劣化が起こっているかもしれず、これらを確認するためにも定期検診の受診は必要です。

…特に歯周病は静かなる病気と呼ばれ、自覚症状がほとんどありません。
一見健康に思える人が定期検診によって歯周病が発覚するケースは稀ではなく、虫歯だけでなく歯周病も予防するためには定期検診の受診は欠かせません。

定期検診における質問と回答

歯科医院の定期検診において多い質問とそれぞれの回答をここで挙げていきます。

定期検診を受診する頻度は?

予防効果の向上、虫歯や歯周病の早期発見を確実に考えるなら、3ヶ月に1回の頻度が理想です。最低でも6ヶ月に1回は定期検診を受診するようにしてください。

定期検診の費用は?

検診時のメニューが歯科医院によって異なるため、費用は一律で決まっているわけではありません。一般的には3000円~4000円、簡易的なものであれば2000円ほどの場合もあります。

予防のために費用を支払うのは勿体ないのでは?

虫歯や歯周病になってしまうとその治療のために費用はかかり、しかも治療は一回では終わりません。特に進行している場合は費用が高くなり、そう考えると定期検診を受けることはむしろお得です。

定期検診の治療は痛い?

「歯科の治療=痛い」とイメージする人は少なくないと思いますが、定期検診の予防治療に痛みはありません。ただし、虫歯や歯周病の治療が必要になった場合は進行度次第で痛みを感じることはあります。

まとめ

いかがでしたか?
最後に、定期検診を受ける意味についてまとめます。

1. 虫歯と歯の痛み :初期の虫歯などは痛みがなく、歯の痛みの有無は虫歯の有無の参考にならない
2. 定期検診の必要性 :虫歯や歯周病の予防効果を高めるなどのメリットもあり、定期検診の受診は必要
3. 定期検診における質問と回答 :質問「定期検診の受診の頻度は?」…回答「3ヶ月~6ヶ月に1回」など

これら3つのことから、定期検診を受ける意味について分かります。定期検診を受けるのは虫歯の有無を確認することだけが目的ではなく、そのため虫歯がない人でも定期検診の受診には意味があります。

また、虫歯がない根拠として歯が痛まないのが理由であれば、それは全く根拠にはなりません。なぜなら、初期の虫歯や神経が死んだ虫歯などの場合は歯に痛みを感じないからで、全く歯に痛みのない人でもこうした虫歯が起こっている可能性があるのです。