詰め物は銀歯のイメージでしたが、なぜセラミックにする人が増えたのですか? blog

2019.05.08

杉並区の歯医者さん、浜田山おとなこども歯科・矯正歯科です。
今回のテーマは「セラミック治療を希望する人が多い理由」です。
虫歯治療では、一般的に歯を削った後に患部に詰め物を入れて処置します。

ですから、会話時に銀歯の詰め物が見える人は虫歯治療をしたことがよく分かります。
さて、その詰め物は近年銀歯ではなくセラミックを希望する人が多く、
そのため銀歯ではなくセラミックが主流になりつつあります。

銀歯の問題点

銀歯の詰め物は健康保険が適用されるため、費用が安いのが最大のメリットです。
しかし保険診療である分、詰め物としての質は最低限でしかなく、次の問題点が挙げられます。

審美性の問題

銀歯は文字どおり銀色の金属であり、歯列の中に存在するだけで目立ちます。
例え奥歯でも口を開けば目立ってしまい、審美性の低さが問題です。
また、劣化によって金属イオンが溶け出すことで歯肉も黒く変色します。

二次虫歯の問題

元々詰め物は患部の細菌感染を予防するためのものですが、
その点において銀歯はあまり優秀ではありません。
プラークが付着しやすく接着してあっても取れやすいため、虫歯の再発が起こりやすくなっています。

金属アレルギーの問題

銀歯は金属でできているため、金属アレルギーの人にとってはアレルギー対象になります。
とは言え、詰め物をなしにすることはできないため、
金属アレルギーの人は生体親和性が高いチタン、もしくはレジンの選択肢になります。

劣化の早さの問題

そもそも詰め物は永久に使用することは不可能であり、人工物である以上は必ず寿命があります。
銀歯の寿命で問題なのは、早い…つまり長持ちしないことと、
劣化することで接着が剥がれる、金属イオンが溶け出すなど様々な問題が起こることです。

銀歯の問題点を解消したセラミック

上記で銀歯の問題点を4つ挙げましたが、これらの問題点はセラミックにすることで全て解消できます。
つまり、銀歯の問題点を解消できるのがセラミックのメリットであり、それがセラミックにする人が多い理由です。

審美性について

セラミックは審美性が高く、人工物でありながら天然の歯に近い美しさです。
パッと見たくらいでは詰め物と分からないほどで、そのため人前でも堂々と口を開けられます。
最も、セラミックの種類によって審美性の高さには差があります。

二次虫歯について

陶器であるセラミックは材質的にツルツルしており、そのためプラークが付着しにくくなっています。
ですから清潔な状態を維持しやすく、また歯との接着もしっかりしています。
このため患部に細菌が入り込みにくく、銀歯と違って二次虫歯を予防しやすくなります。

金属アレルギーについて

セラミックは陶器ですから金属アレルギーの対象になりません。
このため、金属アレルギーの人でもセラミックなら安心して使用できます。
ただし全ての種類のセラミックがこれに該当するわけではなく、メタルボンドは一部金属を使用しています。

劣化の早さについて

詰め物の寿命は毎日のケアで大きく変わるため、ケアを怠ればいくらセラミックでも長持ちしないでしょう。
しかしケアを万全に行っていた場合、材質的にセラミックは銀歯よりも長持ちしやすくなります。
特にオールセラミックは劣化による変色も起こらず、使用している間はずっと高い審美性を維持できます。

セラミックの問題点

セラミックは銀歯の問題点を全て解消できており、それがセラミックのメリットです。
しかし、一方でセラミックにもセラミックならではの問題点…つまりデメリットがありますが、
それらのデメリットは方法次第でいずれも解消することが可能です。

費用の問題

セラミックは自由診療のため、健康保険が適用されません。
このため費用は銀歯よりも高くなり、これがセラミックの最大のデメリットでしょう。
最も、セラミックは費用に見合った価値があるのも事実です。

<解消方法>
セラミックの種類の中でも、ハイブリッドセラミックは比較的費用が安く設定されています。
また、セラミック治療は医療費控除の対象にもなっています。

硬さの問題

陶器であるセラミックは、あまり強い力で噛むと割れてしまうことがあります。
ですから、単純な強度においては金属である銀歯に劣ります。
もちろん充分な耐久性はあるものの、事故による破損の可能性があるのも事実です。

<解消方法>
セラミックの種類の中には硬さを特徴としたものがあります。
メタルボンドやジルコニアセラミックは硬く、奥歯でも安心して使用できます。

まとめ



いかがでしたか?
最後に、セラミック治療を希望する人が多い理由についてまとめます。

1. 銀歯の問題点 :審美性が低い、二次虫歯が起こりやすい、金属アレルギーの対象になるなど
2. 銀歯の問題点を解消したセラミック :セラミックは銀歯の問題点を全て解消できている
3. セラミックの問題点 :費用が高い、割れることがあるなど(ある程度の解消方法も存在する)

これら3つのことから、セラミック治療を希望する人が多い理由について分かります。
ホワイトニングをはじめ、近年では口元の美しさを追求する人が増加傾向にあり、
そのため銀歯ではなくセラミックを希望する人が増えています。
また、セラミックは審美性だけでなく機能性においても優れていますから、
「二次虫歯の予防」、「金属アレルギーの回避」などを理由にセラミックにする人も多くいます。