虫歯で歯が痛む人と痛まない人の違いはなんですか? blog

2019.05.24

杉並区の歯医者さん、浜田山おとなこども歯科・矯正歯科です。
今回のテーマは「虫歯の痛みについて」です。
ほとんどの人は、虫歯になると歯が痛むイメージがあると思います。

確かにそれは間違いではないですが、一方で歯が痛まない虫歯のケースもあります。
と言うことは、虫歯で歯が痛む人とそうでない人がいるわけで、
その違いは何が原因になっているのでしょうか。


虫歯で歯が痛む理由

そもそも虫歯になるとなぜ歯が痛むのか?…それは虫歯菌が歯の奥に進行していくのが関係しています。
歯の表面はエナメル質で覆われており、エナメル質は歯の中心である象牙質を刺激から保護しています。
ですから、例え歯が刺激を受けても多少のことなら痛みを感じることはありません。

虫歯においてもそれは例外でなく、歯の表面にできた初期の虫歯に痛みはありません。
しかし虫歯が進行すると状況は変わり、なぜならエナメル質の奥の象牙質まで虫歯の穴が到達するためです。
この場合、患部は象牙質が露出していますから、刺激を受けることで痛みを感じます。

また、さらに虫歯が進行すれば虫歯菌が神経まで到達しますから、
神経が炎症を起こしてしまい、その時には夜も眠れないほどの激痛を感じます。
これが虫歯で歯が痛む理由であり、つまり虫歯の痛みは知覚過敏や神経の炎症がもたらしているのです。

歯が痛まない虫歯のケース

虫歯で歯が痛まない場合、次のケースが考えられます。

初期の虫歯

初期の虫歯は歯の表面にできますが、歯の表面にはエナメル質があるため痛みを感じません。

進行して神経が死んだ虫歯

神経まで虫歯が進行すると激痛を感じますが、やがて神経が死ぬと痛みを感じなくなります。

神経を失った歯の二次虫歯

最初の虫歯治療で神経を失った場合、同じ歯に虫歯が再発しても痛みを感じません。

…このように、「歯が痛まない虫歯=軽傷」とは限りません。
確かに虫歯になりたての状態の可能性はありますが、一方で神経が死ぬほど進行している可能性もあります。
最も、その場合は神経が死ぬまでの過程で激痛を感じます。

痛みを感じない虫歯の怖さ

虫歯で痛みを感じないことをプラスと考える人がいます。
確かに、辛い歯の痛みを感じないのは一見気楽に思えるかもしれません。
しかし、痛みを感じない虫歯はむしろ痛みを感じる虫歯よりも深刻です。

と言うのも、痛みを感じないことで虫歯を自覚できないからです。
多くの人は虫歯を自覚するきっかけとして、歯の痛みをそれに挙げます。
歯が痛む、歯が痛むことで虫歯を自覚する、その結果歯科医院に行って治療します。

一方、痛みを感じなければいくら虫歯が進行してもそれに気づけず、
虫歯を自覚できないことで虫歯はどんどん進行してしまいます。
そして気づいた時には既に重症化している…そんな事態が起こるのです。

虫歯の怖さ

虫歯を放置すればどんどん進行していきますが、その怖さは痛みが増すだけではありません。
象牙質、神経まで進行した虫歯はやがて神経も破壊してしまい、
重度段階まで進行すれば歯はボロボロに溶かされた状態になってしまいます。

そうなると治療しても歯を残せず、抜歯するしかありません。
また、虫歯菌は歯をボロボロにした後も生き続け、やがては血液にまで入り込んできます。
血液に入り込んだ虫歯菌は血管を通じて全身に回ります。

この時、脳や心臓に回ることで脳梗塞や心筋梗塞が起こる危険性があるのです。
可能性としては稀ですが、実際にそうなることで死亡した例もあり、
言わば虫歯は歯だけでなく命にかかわる病気でもあるのです。

定期検診の重要性

痛みの感じない虫歯がある以上、歯が痛まなくても虫歯になっているかもしれません。
そこで重要になるのが定期的な検診の受診です。
定期検診では歯科医が歯の健康状態を確認するため、痛みのない虫歯でも発見可能です。

また何より虫歯予防の効果も高まりますし、虫歯だけでなく歯周病の早期発見や予防も可能です。
歯を守るためには定期検診は欠かせず、3ヶ月~6ヶ月に1回は受診するようにしてください。
定期検診の費用は治療内容にもよりますが、一般的には3000円~4000円ほどで受診できます。

まとめ

いかがでしたか?
最後に、虫歯の痛みについてまとめます。

1. 虫歯で歯が痛む理由 :象牙質まで進行することで知覚過敏、神経まで進行することで炎症によって痛む
2. 歯が痛まない虫歯のケース :初期の虫歯、進行して神経が死んだ虫歯、神経を失った歯の二次虫歯
3. 痛みの感じないことの怖さ :痛みを感じないことで虫歯を自覚しにくい
4. 虫歯の怖さ :放置すれば最終的に血液に入り込み、脳梗塞や心筋梗塞が起こる危険性がある
5. 定期検診の重要性 :痛みを感じない虫歯を発見するには定期検診の受診が確実

これら5つのことから、虫歯の痛みについて分かります。
虫歯で痛みを感じる人とそうでない人がいることから、「歯が痛くない=虫歯がない」とは言い切れません。
歯に痛みを感じない人は虫歯がないと思うかもしれませんが、
そうではない可能性がある以上、定期的に検診を受けて虫歯の有無を確認してください。
痛みの感じない虫歯は深刻で、痛みを感じないからこそ自覚できずに進行しやすいのです。