歯周病が人にうつることについて詳しく教えてください blog

2019.06.01

杉並区の歯医者さん、浜田山おとなこども歯科・矯正歯科です。
今回のテーマは「歯周病の人から人への感染」です。
歯周病は細菌による感染症であり、その原因菌は人から人にうつります。

最も、症状が直接うつるわけではないため、症状が直接うつることはありません。
とは言え、原因菌がうつれば確実に歯周病が発症するリスクが高まりますし、実際に母から子への歯周病の母子感染が問題になっています。

歯周病はどうやってうつるのか

歯周病は唾液を介してうつる…正確には、原因菌がうつります。
さて、唾液を介すという点から次のような行為を連想できると思います。

・キス
・回し飲み
・同じ皿のものを食べる
・歯ブラシの接触
・同じコップでうがいをする

これらの行為に共通するのは、いずれも親しい間柄で行われるという点で、つまり歯周病の原因菌は家族間、もしくは恋人同士の間でうつることが分かります。
歯周病の原因菌がうつるのは回避するにはこれらの行為を控えれば良いのですが、実際のところそれは難しいと思うので、家族や恋人同士で歯周病を予防することを考えましょう。

歯周病の予防方法その1. 歯磨き

歯周病予防の基本は歯磨きですが、求められるのは頻度よりも精度です。
つまり、磨き残しの少ない丁寧で精密の歯磨きをしなければなりません。
とは言え、ブラッシングだけの歯磨きでは不充分であり、精度を高めるために3つことを実践してください。

デンタルフロスを使う

ブラッシングだけの歯磨きではプラークの除去率は6割程度…つまり、4割の磨き残しが発生します。
その点、デンタルフロスを使えばプラークの除去率が2割程度高まり、磨き残しを2割まで減らせます。
使用するのは1日1回で良いので、時間をかけて磨ける夜の歯磨き時に使うと良いでしょう。

プラークテスターを使う

歯垢染色剤、プラークチェッカーなどとも呼ばれるもので、使用するとプラークを染色することができます。
目に見えないプラークを目に見える状態にすることで、磨き残しを確実に減らせます。
また、数日連続して使用すれば染色のパターンを把握でき、自分の歯磨きの弱点が分かります。

ブラッシング指導を受ける

定期検診や予防歯科を受診すると、その中でブラッシング指導を受けられます。
これは正しい歯磨きの仕方を覚えるためのもので、自分の歯並びに合った歯磨きの仕方が分かります。
学んで実践すれば歯磨きの精度が高まり、磨き残しを確実に減らせます。

歯周病の予防方法その2. 生活習慣の改善

歯周病は生活習慣病ですから、日常生活の中には発症のリスクを高める要因が多々あります。
また、日常生活のささいな癖によって歯周病の発症のリスクを高める場合もあり、そのため生活習慣を見直して次のことを改善してください。

疲労やストレスの解消

歯周病は細菌による感染症であり、感染のリスクは身体の免疫力次第で高くも低くもなります。
そして、身体の免疫力は疲労やストレスの蓄積によって低下しますから、充分な睡眠やゆったりした入浴など、適度に疲労やストレスの解消を意識してください。

タバコを吸わない

喫煙すると、ニコチンによって身体の免疫機能が狂わされてしまいます。
実際、喫煙者と非喫煙者を比較すると歯周病の発症のリスクに5倍以上の差がありますし、さらに喫煙者が歯周病になった場合、重症化しやすい傾向があります。

食生活を見直す

身体の免疫力を高めるため、栄養バランスの摂れた食生活を意識しましょう。
また、糖の摂取はプラークが付着しやすくなりますし、よく噛まずにやわらかいものばかり食べていると、唾液の分泌量が低下して細菌が繁殖しやすくなります。

歯周病の予防方法その3. 定期検診の受診

歯科医院では、症状を治すためだけでなく予防するための治療も受けられます。
定期検診を受ければ歯周病の予防効果が高まり、さらに歯周病の早期発見も可能です。
自覚症状の少ない歯周病は自分での発見が難しく、早期発見のためには定期検診の受診は欠かせません。

ブラッシング指導

自分の歯並びに合った正しい歯の磨き方を学べます。
歯ブラシの選び方、持ち方、磨き方など、歯磨きの効果を高めるために必要な全てのことが分かります。

口腔内の健康状態の確認

虫歯や歯周病の有無を確認し、これらを発見した場合はすぐに治療できます。
詰め物や被せ物の状態も確認するため、二次虫歯も予防しやすくなります。

生活習慣改善のアドバイス

歯周病を予防するには生活習慣の改善が必要です。
そこで、患者さんの日常生活をヒアリングして具体的な改善方法をアドバイスします。

まとめ

いかがでしたか?
最後に、歯周病の人から人への感染についてまとめます。

1. 歯周病はどうやってうつるのか :唾液を介して原因菌が人から人にうつる
2. 歯周病の予防方法その1. 歯磨き :歯磨きに大切なのは精度。デンタルフロスなどを使うと良い
3. 歯周病の予防方法その2. 生活習慣の改善 :疲労やストレスを解消して身体の免疫力低下を防ぐ
4. 歯周病の予防方法その3. 定期検診の受診 :歯周病を予防するだけでなく早期発見も可能

これら4つのことから、歯周病の人から人への感染について分かります。
歯周病はその原因菌が唾液を介して人から人へとうつります。
このため、充分な予防を考えるなら自分だけ予防してもそれは万全とは言えず、
家族や恋人同士で予防して、うつるリスクも減らさなければなりません。