歯周病は高齢の人に発症する病気ですか? blog

2019.06.07

杉並区の歯医者さん、浜田山おとなこども歯科・矯正歯科です。
今回のテーマは「歯周病の発症について」です。
歯周病は歯を失う要因になっているためか、高齢の人だけに発症する病気と思っている人がいます。

しかしそれは間違いで、例え若い人でも歯周病は発症しますし、実際に日本では成人の7割以上が歯肉に何らかの問題を抱えているとされています。「歯周病=高齢の人だけに発症する」は間違ったイメージであり、改めて歯周病の発症について考えます。


歯周病は若くても発症する

結論から言うと、歯周病は若くても発症する病気です。
若い人が歯を失わないのは代謝が活発なためであり、歯周病が発症すること自体は稀ではありません。
例えば、小学校の歯科検診で歯肉炎と診断された経験のある人は多いと思います。

歯肉炎は歯肉に炎症が起こっている状態ですが、実は初期の歯周病を意味します。
つまり、初期の歯周病に至っては小学生でも発症するということです。
実際、現在では歯周病の低年齢化が問題になっているほどです。

歯周病の低年齢化

歯周病の低年齢化が問題になっていますが、そもそもなぜ子供や若い人が歯周病になってしまうでしょうか。
その理由はあくまで予測の範囲ですが、おそらくとして次のことが考えられます。

歯磨き粉による錯覚

最近の歯磨き粉は質が高く、虫歯や歯周病予防に効果的な成分が含まれています。
またミントのスッとした感覚によって、少し歯を磨いただけでも口の中全体が綺麗になったように感じます。
この錯覚によって歯を丁寧に磨いていなくても磨いたつもりになってしまい、予防ができていないのです。

油断

歯周病は高齢の人に発症するイメージがあります。
そのイメージから、若い人は自分が歯周病になることはないと考えます。
その油断によって、虫歯は予防できても歯周病は予防できなくなる可能性があります。

疲労やストレス

勉強や習い事が忙しい子供は疲労やストレスが溜まります。
また、夜更かしなどで睡眠時間が短い子供も疲労が溜まります。
こうした疲労やストレスによって身体の免疫力が低下すると、歯周病菌にも感染しやすくなります。

自覚症状の問題

歯周病は静かなる病気と呼ばれており、それは目立った自覚症状がないためです。
虫歯の場合、歯の痛みという分かりやすい自覚症状がありますから、虫歯になれば誰もがそれを自覚します。
一方歯周病にはそのような明確な自覚症状がないため、歯周病になっても気づかない人が多いのです。
例えばあなたが歯科医院で検診を受け、その結果健康と判断されたなら歯周病にはなっていないでしょう。

しかし「歯が痛くない=健康」と判断しているなら、その判断は間違っているのかもしれません。
そもそも歯周病になっても歯に痛みを感じないため、実は歯周病になっている可能性があるのです。
とは言え、歯周病の自覚症状もゼロではありません。次の症状はいずれも歯周病の自覚症状であり、
該当する自覚症状がある人は歯科医院で診てもらいましょう。

歯肉が腫れる、変色する

歯肉に炎症が起こるため、歯肉が腫れて変色します。
また、健康な歯肉の張りもなくなり、触った時の感触もプヨプヨとしています。

歯肉から出血する

歯周病になると、歯周病菌を駆除する目的で患部に血液が集まります。
このため患部は歯肉から出血しやすくなり、歯磨きや食事の刺激で出血することがあります。

口臭がする

口臭の原因は様々ですが、可能性として最も高いのは歯周病です。
歯肉から出た膿み、血液、細菌の繁殖などによってきつい口臭がします。

歯石がある

歯石がある人は歯周病になりやすく、また進行もしやすくなります。
歯石はプラークが石灰化したもので、歯科医院の専用の医療器具で除去しなければなりません。

歯が長くなって見える

実際には歯が長くなったわけではなく、これは錯覚です。
歯周病によって歯肉退縮が起こることで歯根が露出し、その分だけ歯が長くなったように見えるのです。

歯周病の予防方法

歯周病は若くても発症するため、年齢関係なく予防しなければなりません。
そこで予防方法をお伝えすると、歯周病の予防には次の3つが効果的です。

・精度の高い歯磨き
・生活習慣の改善
・定期検診の受診

もちろん、確実に歯周病を予防できるとは限りません。
しかし、これら全てを実践すれば大抵の歯周病は予防できますし、
例え歯周病になったとしても定期検診の受診によって重症化する前に発見して治療できます。

まとめ

いかがでしたか?
最後に、歯周病の発症についてまとめます。

1. 歯周病は若くても発症する :歯周病の発症に年齢は関係なく、歯肉炎は小学生でも起こる
2. 歯周病の低年齢化 :歯周病の低年齢化が問題になっており、その理由として様々なことが考えられる
3. 自覚症状の問題 :歯周病は目立った自覚症状がないが、歯肉が腫れるなどの自覚症状がある
4. 歯周病の予防方法 :精度の高い歯磨き、生活習慣の改善、定期検診の受診

これら4つのことから、歯周病の発症について分かります。
歯周病になると歯を失いますが、その症状から高齢に人だけに発症すると思っている人も多いでしょう。
しかしそれは間違いで、歯周病の発症に年齢制限はありません。
歯周病の母子感染が問題視されるとおり、小さな子供においても発症の例外ではないのです。