歯周病と診断されましたが納得できません。本当に歯周病なのでしょうか? blog

2019.06.14

杉並区の歯医者さん、浜田山おとなこども歯科・矯正歯科です。
今回のテーマは「静かなる病気と呼ばれる歯周病」です。
歯科医院で歯周病と診断された時、おそらく多くの人がその診断に驚くのではないでしょうか。

と言うのも、虫歯に比べて歯周病を自覚している人は少ないからです。
実際、歯周病は静かなる病気と呼ばれており、発症に気づかない人が多く、そのため進行を許して重症化してしまうケースが多々あります。


病気と自覚症状

例えば虫歯の場合、虫歯と診断されて納得しない人はまずいないでしょう。
なぜなら、診断前の時点で自分が虫歯だと自覚しているからです。
ではなぜ虫歯だと自覚しているのか?…それは虫歯には明確な自覚症状があるからです。

虫歯になると「歯に穴があく」や「歯が痛む」などの分かりやすい自覚症状があり、
そのため自分が虫歯であることに気づきます。
しかし、歯周病にはこのような明確な自覚症状がなく、それが静かなる病気と呼ばれる理由です。

考えてみれば、ほとんどの人は自覚症状を理由に病気に気づきます。
熱が出るから風邪に気づく、咳が出るから風邪に気づく、くしゃみが出るから風邪に気づく、
風邪を例にした場合、いずれも何らかの自覚症状によって風邪を自覚しますよね。

一方、歯周病にはそのような明確な自覚症状がないため、自分が歯周病だと自覚できないのです。
だからこそ、歯周病と診断された時に驚く人や納得できない人が多いのです。

歯周病の自覚症状

静かなる病気と呼ばれる歯周病ですが、自覚症状がゼロというわけではありません。
虫歯の痛みほど明確ではないものの、歯周病になると次の自覚症状が起こります。

歯肉からの出血

歯周病になると身体の防御機能が働き、原因菌を駆除しようと患部に血液が集まります。
このため歯肉が出血しやすい状態になり、ちょっとした刺激で出血してしまいます。
例えばかたいものを食べた時や歯磨きをした時など、これらの刺激で歯肉から出血するようになります。

歯肉の変化

歯周病になると歯肉が腫れます。これは歯肉が炎症を起こすためで、
赤く変色して触った感触もプヨプヨとして歯肉らしい張りがなくなります。
つまり、歯肉の形状、色、触った感触が変化するのです。

口臭

口臭の原因はいくつかあり、そのため口臭だけで歯周病と断定することはできません。
しかし口臭の原因として最も可能性が高いのが歯周病であり、
また歯周病による口臭は、他の原因による口臭と比較しても特に臭いがきついとされています。

知覚過敏

知覚過敏は虫歯の自覚症状でもありますが、歯周病によって起こることもあります。
これは歯周病の進行によって歯根が露出した場合、露出した歯根はエナメル質に覆われていないからで、
刺激を感じた時に知覚過敏が起こってしまうのです。

歯が伸びて見える

歯周病が進行すると歯槽骨が溶かされ、その影響で歯肉退縮が起こります。
歯肉退縮が起こると歯肉の高さが下がるため、歯肉に覆われていた歯根が露出します。
つまり、今まで見えなかった歯根が見えるようになることで、一見歯が伸びたように見えるのです。

歯が動く

歯周病の進行で歯槽骨が溶かされることで、歯は支えを失います。
支えを失った歯は不安定になり、指で触れた時や噛み合わせた時に動くようになります。
自覚症状としては分かりやすいものの、この自覚症状で歯周病に気づいてもタイミングとして遅すぎます。

定期検診の重要性

歯周病は予防することも大切ですが、発症した時に早期発見することも大切です。
静かなる病気である歯周病は自覚しにくく、そのため進行させてしまうケースが多いからです。
進行して重症化すれば歯を失うため、歯周病は早期発見して早期治療しなければなりません。

さて、そんな歯周病の予防と早期発見の同時を可能にするのが定期検診です。
定期検診では歯のクリーニングやブラッシング指導など、
歯周病予防につながるプラークコントロールが高まる治療を受けられます。

また、定期検診では口の中の健康状態も確認しますから、歯周病が発症していてもそれを発見できるのです。
もちろん発見した時点で治療することができるため、定期検診を受けていれば歯周病を予防しやすくなり、
さらに歯周病が発症してもそれを早期発見して早期治療できるのです。

まとめ

いかがでしたか?
最後に、静かなる病気と呼ばれる歯周病についてまとめます。

1. 病気と自覚症状 :病気を自覚きっかけは自覚症状が起こるからで、そのため歯周病は自覚しにくい
2. 歯周病の自覚症状 :歯肉からの出血、歯肉の変化、口臭、知覚過敏、歯が伸びて見える、歯が動く
3. 定期検診の重要性 :歯周病に対する予防と早期発見の両方が可能になる

これら3つのことから、静かなる病気と呼ばれる歯周病について分かります。
歯周病は目立った自覚症状がなく、そのため発症しても気づかないケースは稀ではありません。
最も、自覚症状が全くないわけではないため、今回お伝えした歯周病の自覚症状は覚えておきましょう。
そして予防、早期発見の両方が可能になるよう、歯科医院で定期的に検診を受けてください。