人工物ですから、被せ物にケアは必要ないですか? blog

2019.06.21

杉並区の歯医者さん、浜田山おとなこども歯科・矯正歯科です。
今回のテーマは「人工物のケアの必要性について」です。
歯科の場合、症状によっては治療しても歯を綺麗に残せないことがあります。

虫歯で歯を削る、歯周病で抜歯する、こうした場合は詰め物や被せ物、また人工の歯で対処しますが、
これらの人工物は天然の歯ではないため、虫歯になることはありません。
では、人工物にはケアの必要性は一切ないのでしょうか。

人工物のケアを怠って起こる問題

結論から言うと、例え人工物でもケアは必要です。仮にケアを怠った場合、次のような問題が起こります。

他の歯に異常が起こる

口の中には人工物以外に健康な歯がいくつも存在します。
しかし、人工物のケアを怠ることで口の中全体の健康に影響するため、
今まで健康だった歯が虫歯になるなどの問題が起こる可能性があります。

虫歯が再発する

虫歯治療している場合、詰め物や被せ物は治療した歯を保護するために入れています。
しかしこれらのケアを怠れば、治療した歯との間から細菌が入り込み、虫歯が再発してしまいます。
実際、成人の虫歯治療の多くがこの二次虫歯によるものです。

人工物の寿命が短くなる

詰め物や被せ物などの人工物は永久に使用することは不可能です。
素材にもよりますが、長く使用していれば劣化して寿命になり、交換が必要になってきます。
人工物のケアを怠った場合、その人工物は長持ちせずに早く寿命になってしまいます。

歯周病になる

歯周病は歯の病気ではなく歯の骨の病気です。
ですから歯が天然だろうと人工物だろうと発症しますし、ケアを怠れば当然そのリスクは高まります。
特にインプラントに至っては、インプラント周囲炎と呼ばれる厄介な病気になってしまいます。

人工物の素材へのこだわり

詰め物や被せ物などの人工物には様々な素材が採用されており、それぞれ異なった特徴があります。
一般的には銀歯にする人が多く、それは健康保険の適用によって費用が安くすむからでしょう。
しかし、素材にこだわることで人工物の審美性、機能性を高めることができます。

このため近年では素材にセラミックを希望する人が増加傾向にあり、
銀歯を使用している人でもセラミックに交換するケースが多くなっています。
では、なぜセラミックはそこまで人気なのでしょうか?…その理由として次のことが挙げられます。

審美性が高い

見た目の美しさがセラミックの最大のメリットです。
本来詰め物や被せ物は目立つため、人に見られたくないと思うでしょう。
しかしセラミックは見た目が美しく、天然の歯と比べても違和感のない白さ

二次虫歯を予防しやすい

虫歯の再発である二次虫歯は、セラミックにすることで予防しやすくなり、
これはセラミックだとプラークが付着しにくく、また接着が剥がれにくいのが理由です。
とは言え、ケアを怠れば例えセラミックでも二次虫歯が起こってしまいます。

金属アレルギーが起こらない

セラミックは陶器であり、言わば普段使用する茶碗や湯呑みと同じ素材です。
つまり金属を使用しておらず、そのため金属アレルギーの人でも安心して使えます。
ただしセラミックには種類があり、メタルボンドと呼ばれるタイプは一部金属を使用しています。

長持ちしやすい

あくまで万全なケアを行っていることが前提となりますが、
自由診療のセラミックは保険診療の銀歯に比べて材質的に長持ちしやすくなっています。
セラミックの種類によって変色も起こらず、使用している間は高い審美性を維持できます。

定期検診の重要性

詰め物や被せ物、さらに入れ歯やインプラント、これらの人工物の状態を自身で管理するのは難しく、
そのため重要になってくるのが歯科医院の定期検診です。
まず、詰め物や被せ物の状態を確認することで二次虫歯の予防と発見が可能です。

また、入れ歯やインプラントは定期的に調整が必要になってきますし、
特にインプラントは健康管理や調整を怠るとインプラント周囲炎になってしまいます。
こうした問題を防ぐため、歯科医院で定期的に検診を受けてください。

まとめ

いかがでしたか?
最後に、人工物のケアの必要性についてまとめます。

1. 人工物のケアを怠って起こる問題 :他の歯に異常が起こる、虫歯が再発する、人工物の寿命が短くなる
2. 人工物の素材へのこだわり :セラミックにすれば審美性や機能性が高まり、二次虫歯を予防しやすくなる
3. 定期検診の重症性 :人工物の状態を管理するため、定期的に歯科医院で検診を受ける

これら3つのことから、人工物のケアの必要性について分かります。
人工物の管理を怠れば、二次虫歯やインプラント周囲炎などの問題を引き起こし
そのため詰め物、被せ物、入れ歯、インプラント、人工物の種類問わずケアが必要です。
近年ではこれらの人工物の質が高まり、素材によっては様々なメリットが得られます。
しかし、そのメリットもあくまで毎日のケアが前提になっており、ケアを怠ればデメリットばかりが発生します。