末期の虫歯なら抜歯するでしょうし、治療する意味がないと思うのですが… blog

2019.07.11

杉並区の歯医者さん、浜田山おとなこども歯科・矯正歯科です。
今回のテーマは「虫歯を放置することで起こる問題」です。
虫歯を放置して末期段階まで進行させてしまった人は、治療に積極的になれないかもしれません。

と言うのも、そこまで虫歯が進行していれば歯を残せない可能性が高く、
治療において抜歯が必要になるからです。
「どうせ歯を失うなら治療しなくても良い」…そう考えてしまう人が多いのです。

虫歯を放置することで起こる3つの問題

末期段階まで虫歯が進行している場合、確かに治療しても歯を残せないかもしれません。
しかしそれでも治療は必要であり、なぜなら治療しないことで3つの大きな問題が起こるからです。

問題1. 虫歯菌が生き続ける

これが虫歯を放置する最大の問題です。虫歯菌は歯をボロボロにした後も生き続けており、
やがては血液の中にまで入り込み、血管を通じて全身に回ってしまいます。
これが原因で脳梗塞や心筋梗塞が起こることがあり、実際に虫歯を放置して死亡した事例もあるのです。

問題2. 隣接する歯が動く

虫歯で歯がボロボロになった場合、歯が失われたことでそこにスペースが発生します。
そうなると、隣接していた歯は徐々に動いてしまい、傾いて歯並びが悪くなってしまうのです。
歯並びが悪ければ見た目も悪くなりますし、歯を失った箇所への処置も施しにくくなってしまいます。

問題3. 確実に歯を失う

確かに、末期段階まで虫歯が進行すれば治療時に抜歯が必要になる可能性は高いでしょう。
しかしあくまでそれは一般論であり、もしかすると歯を残せるかもしれません。
また、治療すれば例え歯を失ったとしても、入れ歯やインプラントでの対応が可能です。

虫歯の放置は治療方法にも影響する

虫歯を放置する人の場合、その理由として治療が嫌だと答える人がいます。
確かに虫歯治療は大人でも嫌なものですが、放置することで大きな治療まで必要になってくるでしょう。
一方、虫歯になっても早期治療すれば簡単な治療ですむのです。

初期の虫歯治療

完全な初期段階の虫歯なら、歯を一切削らずに治すことも可能です。
この場合、プラークコントロールによって歯の再石灰化を促すことで虫歯は治ります。
最も、自然治癒する虫歯はこの初期段階の場合のみであり、一度でも進行した虫歯は治療が必要です。

象牙質まで進行した虫歯治療

多くの人が想像する虫歯治療は、この象牙質まで進行した虫歯の治療でしょう。
虫歯になっている歯を削り、最終的に詰め物で処置します。
削る範囲はそれほど広くなく、そのため被せ物ではなく詰め物での処置が可能です。

神経まで進行した虫歯

虫歯が神経まで進行した場合、歯を削るだけでなく根管の清掃と消毒が必要です。
いわゆるこれが根管治療であり、歯の神経も除去しなければなりません。
また、ここまで虫歯が進行していると詰め物では処置できず、被せ物が必要になる可能性が高いでしょう。

末期段階まで進行した虫歯

末期段階まで進行した虫歯だと、治療しても歯を残せない可能性が高いでしょう。
しかし、ここで虫歯を治療しないと虫歯菌が血液に入り込んでしまいます。
治療後は失った歯への対処として、入れ歯やインプラントやブリッジを提案します。

定期検診のすすめ

虫歯を末期段階まで進行させないためには、定期的に検診を受けるようにすると良いでしょう。
定期検診で行うのは症状を治す治療ではなく、症状を予防する治療です。
また口腔内の健康状態も確認するため、虫歯があった場合もその時点で発見可能です。

3ヶ月~6ヶ月に1回の頻度で定期検診を受けていれば、虫歯も予防しやすくなりますし、
例え虫歯になっても大きく進行する前に発見して治療できるのです。
ちなみに、定期検診では次のような予防治療を行っています。

歯のクリーニング

歯磨きでは除去しきれないプラークまで綺麗に除去可能です。
また、歯磨きでは対応できない歯石も除去でき、口腔内を清潔な状態にできるのです。

ブラッシング指導

自分の歯並びに合った効率の良い歯の磨き方が分かります。
ブラッシング指導で行ったとおりの歯磨きを実践すれば、毎日の歯磨きの効果が確実に高まるでしょう。

生活習慣改善のアドバイス

食生活を含め、虫歯へのなりやすさは日常生活の過ごし方が深く関係しています。
そこで生活習慣改善のためのアドバイスを行い、虫歯になるリスクを少しでも減らします。

まとめ

いかがでしたか?
最後に、虫歯を放置することで起こる問題についてまとめます。

1. 虫歯を放置することで起こる3つの問題 :虫歯菌が生き続ける、隣接する歯が動く、確実に歯を失う
2. 虫歯の放置は治療方法にも影響する :虫歯の進行に比例して、大掛かりな治療が必要になる
3. 定期検診のすすめ :定期的に検診を受けていれば、虫歯の重症化を確実に予防できる

これら3つのことから、虫歯を放置することで起こる問題について分かります。
歯の痛みは虫歯の症状の一つであり、進行することでさらに深刻な症状が起こります。
痛みは増していきますし、さらに放置すれば神経や歯を失うことになるのです。
また、最後まで虫歯を放置してしまえば脳梗塞や心筋梗塞が起こるケースもあります。