初期の虫歯には痛みがないそうですが、痛みのない虫歯なら気づかないのでは? blog

2019.07.18

杉並区の歯医者さん、浜田山おとなこども歯科・矯正歯科です。
今回のテーマは「定期検診の重症性」です。
虫歯は早期治療が大切で、早いタイミングで治療すれば歯を削らずに治すことも可能でしょう。

では、歯が痛くなった時点ですぐに歯科医院に行けば良いでしょうか。
歯科医院に行くこと自体は間違ってないですが、早期治療を目的とするならタイミングとしては遅く、
痛みを感じる前の段階で虫歯を発見して治療しなければなりません。

そうなると一つ問題があり、痛みのない虫歯をどうやって発見すれば良いのかという点です。

虫歯の痛みのメカニズム

まず、なぜ虫歯になると歯が痛くなるのでしょうか。
虫歯は最初、歯の表面に発症するのですが、歯の表面はエナメル質で覆われています。
このエナメル質は象牙質を刺激から保護しており、エナメル質自体が刺激を感じることはありません。

このため、歯の表面のみ虫歯になった状態では痛みを感じないのです。
痛みを感じるのは虫歯が象牙質まで進行した場合で、
これは虫歯の穴が象牙質まで到達したために、象牙質が直接刺激を感じるようになるからです。

刺激に敏感な象牙質は触れた場合はもちろん、熱さや冷たさの温度も刺激となるくらい敏感で、
ですから熱いものや冷たいものを飲食すると歯が痛み、これを知覚過敏と言います。
また、さらに虫歯が進行した場合は神経に炎症が起こり、そうなると常にズキズキと痛むようになります。

虫歯の早期治療の難しさ

初期の虫歯には痛みがありません。これは痛みを感じる虫歯に比べて気楽に思えますが、
痛みがないということは、虫歯を自覚する大切な症状がないということになります。
考えてみると、ほとんどの人が痛みをきっかけに虫歯を自覚するのではないでしょうか。

その痛みを感じなければ、自分が虫歯だと気づかない人がほとんどでしょう。
虫歯に気づかなければ治療しようとも思わないでしょうし、
その結果初期の虫歯を見過ごすことになってしまいます。

つまり、虫歯の早期治療において最も難しいのは、
そもそも虫歯であることに気づけない…自覚できないという点です。
逆に言えば、それに気づくことができれば虫歯の早期治療は容易でしょう。

定期検診のすすめ

虫歯を早期治療するためには、痛みを感じる前の時点で虫歯を発見しなければなりません。
そのためにおすすめしたいのが、歯科医院での定期検診の受診です。
定期検診では歯のクリーニングなどの予防治療を行い、さらに口腔内の健康状態を確認します。

このため、自分では気づかない初期の虫歯も発見してその時点で治療できるのです。
最も、定期検診の言葉どおり定期的に受診しなければ効果は低く、
3ヶ月~6ヶ月に1回くらいのペースで定期検診を受診すれば、少なくとも虫歯が重症化することはありません。

また、定期検診を受診することは虫歯を予防することにもつながります。
歯のクリーニング、ブラッシング指導、生活習慣の改善のアドバイス、
これらはいずれも虫歯の予防効果を高め、さらに虫歯だけでなく歯周病の予防効果も高まるのです。

虫歯を早期治療するメリット

そもそも、虫歯を早期治療することにはどんなメリットがあるのでしょうか。
まず、完全な初期の虫歯なら削らずに治せる可能性があるのが大きなメリットで、
大切な歯を削らずにすむことは歯を長持ちさせることにつながります。

また、初期の虫歯は治療方法も簡単なため、患者さんの身体に負担がかかりません。
歯を削るのは誰もが嫌でしょうが、削らなくても治せる可能性がありますし、
例え歯を削ったとしてもわずかな範囲ですむでしょう。

そして、簡単な治療ですむということはそれだけ治療期間も短くてすむということです。
長く歯科医院に通うのはスケジュール管理も大変ですし、それだけ治療費もかかってしまいます。
こうした問題が解消されるため、虫歯を早期治療することには多くのメリットがあるのです。

 

まとめ

いかがでしたか?
最後に、定期検診の重要性についてまとめます。

1. 虫歯の痛みのメカニズム :象牙質まで進行すると知覚過敏が起き、さらに進行すると神経に炎症が起こる
2. 虫歯の早期治療の難しさ :初期の虫歯は痛みを感じないため、そもそも虫歯に気づくことが難しい
3. 定期検診のすすめ :定期検診を受診していれば、自分では発見できない虫歯も発見して治療できる
4. 虫歯を早期治療するメリット :歯を削らずに治せる可能性がある、治療方法が簡単、治療期間が短くなる

これら4つのことから、定期検診の重要性について分かります。
定期検診を受ければ虫歯を予防しやすくなりますが、さらにもう一つのメリットがあり、
それは初期の虫歯を発見して治療できることです。

初期の虫歯には痛みがなく、そのため虫歯を自覚するのは困難でしょう。
しかし、定期検診を受けることで口腔内の健康状態を確認するため、初期の虫歯も発見できるのです。
定期的に検診を受けて、虫歯の予防と早期治療を心掛けてください。