喫煙が歯の健康に害をもたらすと聞きましたが、本当ですか? blog

2019.08.01

杉並区の歯医者さん、浜田山おとなこども歯科・矯正歯科です。
今回のテーマは「喫煙は歯の健康に悪い影響をもたらす」です。
喫煙が身体に有害なことは既に説明するまでもなく、タバコに箱にすら記載されているほどですね。

そんな身体に有害な喫煙ですが、実は歯の健康においても有害であることをご存知でしょうか。
そこで、ここでは実際に喫煙が歯の健康にどんな影響をもたらすのかをテーマにして、
喫煙することの怖さ、デメリットがよく分かるように解説していきます。

最も影響するのは歯周病

喫煙が歯の健康にもたらす影響として、最も関係が深いのは歯周病でしょう。
歯周病になるリスク、歯周病が重症化するリスク、いずれのリスクも大幅に高まります。

影響1. 歯周病発症のリスクが高まる

歯周病は細菌による感染症であり、細菌に感染するリスクは身体の免疫力次第で高くも低くもなるでしょう。
喫煙するとニコチンによって身体の免疫機能が狂わされ、そのため細菌に感染しやすくなってしまうのです。
また歯に栄養も届きにくくなり、喫煙すると歯周病に感染するリスクが5倍以上高まります。

影響2. 歯周病が重症化しやすくなる

歯周病になると、自覚症状として「歯肉の腫れ」や「歯肉からの出血」が起こります。
しかし喫煙するとこれらの自覚症状が抑えられてしまい、歯周病の発症に気づきにくくなるのです。
歯周病になっているのに自覚症状がない…そのため歯周病に気づけず進行を許してしまいます。

影響3. 治療の傷がなかなか癒えなくなる

歯周病は進行度次第で治療時に歯肉を切開しなければなりません。
これは一種の手術なのですが、喫煙している人はこうした手術の傷の治りが遅いのです。
時間の経過で傷はいずれ癒えるでしょうが、この場合治療期間も長引いてしまうでしょう。

喫煙はインプラントにも影響する

今後インプラントにしようと思っている人、既にインプラントを使用している人、
どちらの人も喫煙することがインプラントに悪い影響をもたらします。

影響1. インプラント失敗のリスクが高まる

喫煙すると、ニコチンの影響で血行が悪くなります。
そうすると、インプラントを埋め込んだ時に骨との結合がうまくいきにくく、治療が失敗しやすくなるのです。
このため、歯科医院によっては喫煙している人のインプラントは対応していない場合もあります。

影響2. 細菌感染のリスクが高まる

喫煙する人は、仮にインプラントできたとしても手術後の定着期間においてリスクが高まります。
この期間において最も注意すべきなのが細菌感染なのですが、
喫煙すると免疫機能が狂わされてしまうため、そのリスクがより高くなってしまうのです。

影響3. インプラント周囲炎になるリスクが高まる

喫煙しない人がインプラントしたとして、その後喫煙した場合も悪い影響をもたらします。
この場合、喫煙によってインプラント周囲炎になるリスクが高くなるのです。
インプラント周囲炎とはインプラントにおける歯周病であり、進行も早くインプラント脱落を招いてしまいます。

喫煙は虫歯にも影響する

甘いものは食べない、歯磨きも万全…この生活習慣なら虫歯になる要素は皆無に等しいものの、
喫煙すればそれだけで虫歯になるリスクが約3倍も高くなってしまいます。

影響1. プラークが付着しやすくなる

喫煙するとタール…いわゆるヤニと呼ばれるものが歯に付着しますが、
このヤニはベタベタしており、細菌が付着して停滞するのに絶好の状態です。
このためプラークが付着しやすくなり、なお停滞もしやすいことから虫歯になるリスクが高まります。

影響2. 口の中が乾燥状態になる

喫煙すると唾液の分泌が抑制され、そのため口の中が乾燥状態になります。
イコールそれは口の中の唾液が不足していることになり、唾液による細菌の自浄作用が弱まってしまうのです。
このため口の中に細菌が残りやすく、虫歯になるリスクが高まってしまいます。

影響3. 細菌感染のリスクが高まる

虫歯も歯周病同様に細菌に感染することで発症する病気です。
このため、免疫機能を狂わす喫煙は細菌に感染するリスク…すなわち虫歯になるリスクを高めます。
つまり、喫煙することで虫歯にも歯周病になりやすくなってしまうということです。

まとめ

いかがでしたか?
最後に、喫煙は歯の健康に悪い影響をもたらすについてまとめます。

1. 最も影響するのは歯周病 :歯周病発症のリスクが高まる、歯周病が重症化しやすくなるなど
2. 喫煙はインプラントにも影響する :インプラント失敗のリスクが高まる、細菌感染のリスクが高まるなど
3. 喫煙は虫歯にも影響する :プラークが付着しやすくなる、口の中が乾燥状態になるなど

これら3つのことから、喫煙は歯の健康に悪い影響をもたらすについて分かります。
よくよく考えると、喫煙は口で行う行為ですから、歯の健康に害をもたらすのは当然かもしれません。
歯周病、インプラント、虫歯、これらにおいて喫煙は天敵のようなものであり、
いくら口の中を清潔にしていても喫煙という行為によって歯の健康が失われてしまうのです。