歯周病と口臭は関係ありますか? blog

2019.04.11

杉並区の歯医者さん、浜田山おとなこども歯科・矯正歯科です。
今回のテーマは「歯周病と口臭」です。
身体に異変が起これば、それは異変が起こった箇所が何らかの病気である可能性があります。

その意味では、身体に起こる異変は病気を知らせるSOSサインとも言えるでしょう。ちなみに口臭もそんな異変の一つです。口臭がする場合は口の中の健康状態に問題があり、最も可能性が高いのは歯周病です。

口臭の種類

口臭には一時的口臭と病的口臭があります。一時的口臭は文字どおり一時的なものであり、食べた食材などが原因による口臭ですから、歯磨きなどによって解消できますし、健康面においては全く問題ありません。

問題は病的口臭で、これは何らかの病気が原因で起こる口臭です。原因が解消されない以上は口臭が続くため、歯磨きしても時間が経過すれば再び口臭が起こります。病的口臭の原因となる病気には様々な種類がありますが、歯周病もその中に含まれます。

歯周病で口臭が起こる理由

歯周病による口臭は特に臭いがきついとされています。歯周病になると歯周ポケット(歯と歯肉の境目の溝)が深くなり、そこに細菌が溜まります。歯周ポケットは細菌が潜む絶好の場所であり、ここで細菌が繁殖して歯肉に炎症が起こります。

この炎症によって歯根膜が壊されると膿みが発生し、それが口臭の原因となるのです。また、歯石があるとそれは細菌の塊ですからやはり口臭の原因になり、これらによって起こる歯周病の口臭は臭いがきつく、会話している相手もその口臭に気づくほどです。

「病的口臭=歯周病」とは限らない

最も、病的口臭だとしてもその病気が歯周病とは限りません。確かに、可能性の話で言えば病的口臭で最も可能性が高いのは歯周病です。しかし虫歯による口臭、さらには胃や腸の不調や病気による口臭も考えられるのです。

こうした口臭の原因を特定するには歯科医院で診察を受けることですが、口臭の検査や治療を専門とした口臭外来も存在します。口臭外来の検査は自由診療になるものの、口臭の原因が歯周病など保険診療の治療が必要となる場合、その治療費にはもちろん保険が適用されます。

歯の痛みの有無では健康状態を判断できない

状態にもよりますが、歯周病で口臭が起こっていても歯が痛むことはないでしょう。多くの人は口の中の健康状態を歯の痛みの有無だけで判断しがちであり、「歯が痛いから虫歯」、「歯が痛くないから健康」などと安易に考えてしまいます。

しかしそれは間違いで、歯が痛くなくても歯周病になっている可能性がありますし、虫歯だとしても初期の虫歯なら痛みを感じないのです。口臭がする以上、一時的口臭でない限り少なくても何らかの病気や異常が起こっているのは確かです。

ガムなどによる口臭解消の効果

口臭を自覚した場合、すみやかに歯科医院で診察を受けることをおすすめします。ミント系のガムなどによって口臭を解消しようとする人がいますが、それで解消できるのは一時的口臭のみであり、病的口臭の解消はできません。

ガムを噛んでいる時には口臭を解消できるでしょうが、時間が経てば再び口臭が起こります。病的口臭の場合はその原因…つまり病気を治療しない限り口臭は続きますし、何より治療しないことで病気はどんどん進行してしまいます。

歯周病以外の病的口臭

口臭がする場合、歯周病以外の病気としては次のことが考えられます。

・肺結核、気管支炎、肺がんなどの呼吸器系の病気
・胃炎、胃がん、十二指腸潰瘍などの消化器系の病気
・肝硬変、肝炎、肝臓がんなどの肝臓の病気
・蓄膿症、咽頭がん、慢性鼻炎などの耳鼻咽喉系の病気
・糖尿病

…こうした病名を聞くと怖くなってしまうと思いますが、それは正しい感覚で、
口臭は危険な病気であることを知らせる身体が発するSOSのサインです。
そして怖い病気という点では歯周病も例外ではありません。

まとめ

いかがでしたか?
最後に、歯周病と口臭についてまとめます。

1. 口臭の種類 :一時的口臭と病的口臭があり、病的口臭の場合は最も可能性が高いのは歯周病
2. 歯周病で口臭が起こる理由 :細菌の繁殖によって歯肉が炎症を起こし、膿みの発生で口臭が起こる
3. 「病的口臭=歯周病」とは限らない :虫歯はもちろん、胃や腸の病気で口臭が起こることもある
4. 歯の痛みの有無では健康状態を判断できない :歯が痛くなくても歯周病や虫歯の可能性がある
5. ガムなどによる口臭解消の効果 :病的口臭には効果がなく、病気を治療しない限り口臭は続く
6. 歯周病以外の病的口臭 :呼吸器系、消化器系、肝臓、耳鼻咽喉系、糖尿病などの病気

これら6つのことから、歯周病と口臭について分かります。特に大人からすれば口臭はエチケットだけの問題と捉えてしまい、歯磨きやガムやサプリメントだけで解消しようとしがちです。

一時的口臭の場合はそれで問題ないですが、病的口臭となると話は別で、口臭がするということは何らかの病気である可能性が高いのです。そして、その中で最も可能性が高いのが歯周病というわけです。