歯周病と虫歯の共通点と違いを教えてください blog

2020.02.01

杉並区の歯医者さん、浜田山おとなこども歯科・矯正歯科です。
今回のテーマは「歯周病と虫歯の共通点と違い」です。
歯周病と虫歯はどちらも口腔内の代表的な病気であり、そのためたびたび比較されます。

その中では共通点もありますし、また違いもあり、
それぞれの病気の特徴を知れば予防意識をより高めることができるでしょう。
そこで、ここでは歯周病と虫歯の共通点、そして違いについて分かりやすく解説します。

共通点1. 予防方法

歯周病と虫歯の予防方法は同じです。どちらの原因菌もプラークの中に含まれていますし、
歯磨きによるプラークの除去、そして正しい食生活が予防につながるという点は全く同じですね。
とは言え、それぞれの原因菌が異なる以上、一方だけ発症してしまうことはあります。

歯周病を予防できても虫歯をできない…こうしたケースは多々ありますが、
これは歯周病と虫歯の原因菌が異なるのが理由です。
精密な歯磨き、生活習慣の改善、定期検診の受診、歯周病も虫歯も予防の基本はこれら3つになります。

共通点2. 進行すれば歯を失う

歯を失う要因として真っ先に連想するのは歯周病でしょうが、虫歯でも歯を失います。
ただし、実際に歯を失うまでの過程は異なっており、歯周病の場合は歯を支えている歯槽骨が溶かされ、
支えを失った歯が不安定になって抜け落ちてしまうことで歯を失います。

一方虫歯の場合、進行すればするほど虫歯の原因菌によって歯が溶かされますから、
末期段階まで進行すれば歯はほとんど残っておらず、歯としての機能が失われてしまいます。
その時点で歯は失われた状態になりますし、治療したとしても抜歯するしかないのです。

共通点3. 進行する病気

歯周病も虫歯も進行する病気であり、さらに言えば進行した場合は歯科医院での治療が必要です。
また、それぞれの症状は進行に伴って変化していきます。
例えば歯周病の場合、発症すると歯肉が腫れる、歯肉から出血するなどの症状が起こりますね。

しかしそれはあくまで初期段階の歯周病の症状であり、進行すれば全く別の症状が起こるのです。
これは虫歯も同様で、虫歯の場合は進行すれば痛みも増していくでしょう。
そして、どちらの病気も重度段階まで進行することで歯を失う結果になってしまいます。

違い1. 発症する箇所

細かい説明に思うかもしれませんが、実はこれが歯周病と虫歯における最も大きな違いです。
歯周病を歯や歯肉の病気と思っている人がいますが、そうではなく歯を支える骨の病気であり、
これは「歯の周りの病気」と書く病名に注目すると連想しやすいと思います。

そのため歯周病は歯が人工のものであっても発症し、
インプラントではインプラント周囲炎(インプラントの歯周病)と呼ばれる病気が発症します。
一方虫歯は「歯」の言葉が示すとおり歯の病気であり、虫歯の原因菌の出す酸で歯が溶かされる病気です。

違い2. 治療方法

歯周病と虫歯は、予防方法は同じですが治療方法は全く異なります。
まず歯周病ですが、治療の基本は口腔内を清潔にすることであり、
症状を治すためには歯石の除去や患者さん自身によるプラークコントロールが求められます。

一方虫歯治療の基本は歯を削ることで、患部を削って詰め物を入れて処置するのが治療方法です。
ただし、どちらの病気も進行した場合はそれに伴って治療内容も変わり、
歯周病の場合は歯肉の切開、虫歯の場合は根管治療が必要になってくるケースもあります。

違い3. 自覚症状

歯周病と虫歯の自覚症状は、一部共通する部分もありますが異なる部分もあります。
歯周病の自覚症状をズラリと挙げると、歯肉の腫れ、歯肉の変色、歯肉からの出血、口臭、
歯肉の退縮、歯が長くなって見える、知覚過敏、歯がグラつくなどの症状が起こります。

一方虫歯の場合は歯の痛みという分かりやすい自覚症状がありますが、
進行当初の虫歯の痛みの原因は知覚過敏、酷く進行した虫歯の痛みは神経の炎症が原因です
これらの自覚症状は一度に起こるわけではなく、進行度によって起こる自覚症状が変わります。

まとめ

いかがでしたか?
最後に、歯周病と虫歯の共通点と違いについてまとめます。

共通点1. 予防方法 :歯周病と虫歯の予防方法はほぼ同じ。精密な歯磨き、生活習慣の改善、定期検診の受診
共通点2. 進行すれば歯を失う :歯周病では歯槽骨が溶かされ、虫歯では歯が溶かされて歯を失う
共通点3. 進行する病気 :歯周病も虫歯も進行する病気で、進行した場合は歯科医院での治療が必要
違い1. 発症する箇所 :歯周病は歯を支える骨の病気、虫歯は歯の病気
違い2. 治療方法 :歯周病は歯石の除去とプラークコントロール、虫歯は患部を削って詰め物で処置する
違い3. 自覚症状 :歯周病は歯肉の腫れ、変色、歯肉退縮など。虫歯は歯の痛み

これらのことから、歯周病と虫歯の共通点と違いについて分かります。
一つ補足すると、歯周病と虫歯の共通点として知っておかなければならないのは、
どちらも怖い病気だという点で、今回説明したとおり歯周病も虫歯も歯を失う病気です。
つまり、歯周病も虫歯も予防しなければ自分の歯を守ることはできないということになります。