歯周病が発症するとどんな症状が起こりますか? blog

2020.02.01

杉並区の歯医者さん、浜田山おとなこども歯科・矯正歯科です。
今回のテーマは「歯周病の症状」です。
歯周病は静かなる病気と呼ばれていますが、それは虫歯のような目立つ自覚症状がないのが理由ですね。

虫歯には痛みという明確な自覚症状がある一方で歯周病にはそれがなく、
そのため歯周病は発症にも気づかずいつの間にか進行してしまう…それが静かなる病気の由来になります。
とは言え、全く自覚症状がないわけではなく、歯周病が発症するといくつかの自覚症状が起こります。

歯肉の腫れ、変色、出血

歯周病になると歯肉が炎症を起こすため、それに伴った症状が歯肉に見られるようになります。
まず炎症による歯肉の腫れや変色、変色においては青紫に変色するケースもあります。
また、歯肉に炎症が起こることで患部に白血球が集結、これは身体の防御機能による働きです。

ただしそうなると血液が集まった状態になるため、ささいな刺激で歯肉から出血しやすくなり、
例えば食事でかたいものを食べた時や歯磨きの時に出血することがあります。
こうした症状による痛みはないですが、歯肉に異変を感じた時は歯周病を疑ってみましょう。

口臭

歯周病になっている人の口の中では、目には見えない細菌が無数に繁殖しています。
例えば歯周病になると歯石が発生しやすくなりますが、歯石の中には億単位の細菌が含まれていますし、
歯と歯肉の境目である歯周ポケットの溝にも細菌が繁殖してしまうのです。

要するに口の中が細菌だらけになってしまい、そのためきつい口臭がするようになります。
また、歯周病によって歯肉から出た膿みや血液も口臭の原因となるでしょう。
口臭の原因は歯周病以外にもいくつか考えられますが、歯周病による口臭は臭いがきついのが特徴です。

歯が長くなったように見える

中期段階まで歯周病が進行した場合に起こる自覚症状です。
もちろん実際に歯が長くなったわけではなく、これは歯周病の進行によって歯肉退縮が起こったのが原因で、
歯肉の高さが下がったために歯根が露出してしまい、その分だけ歯が長くなって見えるのです。

ですから、人によっては「歯が長くなった」ではなく「歯肉が下がった」と感じるケースもあるでしょう。
歯肉退縮の原因は歯周病以外にも考えられますから、「歯が長くなって見える=歯周病」とは限りません。
しかし、口の中で何らかの問題が発生しているのは確かです。

知覚過敏

これは上記の「歯が長くなって見える」に伴って起こる自覚症状です。
本来、歯の表面にはエナメル質があり、エナメル質は歯を刺激から守っています。
しかし、歯肉退縮によって露出した歯根にはエナメル質がなく、つまり象牙質が剥き出しの状態です。

そうなると露出した歯根は刺激を直接受けてしまい、そのため知覚過敏が起こります。
知覚過敏とは歯が一瞬ピシッとしみる症状のことで、痛みを感じないと言われる歯周病ですが、
中期段階以降まで進行すると知覚過敏による痛みを感じるのです。

歯がグラグラする

静かなる病気の言葉が似合わないほど明確で分かりやすい自覚症状ですが、
この自覚症状で歯周病に気づくようでは遅く、既に歯周病は重度段階まで進行しています。
歯周病は歯の骨の病気であり、進行すると歯を支える歯槽骨を溶かしてしまいます。

そうなると歯は支えを失うことになるため、不安定にグラついてしまうのです。
この場合、状態によって治療不可と診断されて抜歯が必要になるケースもありますし、
そうでなくても溶かされて歯槽骨の再生は難しく、そのためには全く別の治療をしなければなりません。

噛み合わせた時に痛む

これは上記の「歯がグラグラする」に伴って起こる自覚症状です。
歯がグラつけば当然歯は傾いた状態になり、そこで噛み合わせると激痛を感じます。
なぜなら、歯が傾いているために噛み合わせた時に歯が歯肉に食い込んでしまうからです。

歯周病では知覚過敏が起こりますが、知覚過敏は象牙質が刺激を受けることで起こる症状であり、
その刺激とは温度、風、接触などが挙げられるでしょう。
それに対してこの場合は噛み合わせた時のみに感じる痛みであり、その痛みも相当な痛さになります。

まとめ

いかがでしたか?
最後に、歯周病の症状についてまとめます。

1. 歯肉の腫れ、変色、出血 :歯肉に炎症が起こることで見られる症状。初期段階の歯周病でも起こる
2. 口臭 :歯周病になった口の中では細菌が繁殖しており、そのためきつい臭いの口臭が起こる
3. 歯が長くなったように見える :歯周病の進行によって歯肉退縮が起こり、歯根が露出するのが原因
4. 知覚過敏 :歯肉退縮によって露出した歯根にはエナメル質がなく、そのため知覚過敏が起こる
5. 歯がグラグラする :歯周病の進行によって歯槽骨が溶かされ、歯が不安定な状態になると起こる
6. 噛み合わせた時に痛む :歯がグラつくと正常に支えられていないため、噛むと歯が歯肉に食い込む

これら6つのことから、歯周病の症状について分かります。
歯周病の場合はこのような自覚症状があり、自覚症状が全くないわけではありません。
とは言え、初期の歯周病となると目立った自覚症状はほとんどないため、
定期的に歯科医院で検診を受けて歯周病の有無をチェックしてもらいましょう。