インプラントの治療はどのような流れで行われますか? blog

2020.07.24

杉並区の歯医者さん、浜田山おとなこども歯科・矯正歯科です。
今回のテーマは「インプラントの治療の流れ」です。
インプラントは手術を伴う治療であり、そのため簡単な治療ではありません。

一方で、インプラントは入れ歯に比べて審美性の高く、
また機能性も高いため人工の歯としての品質に心配する人はいないでしょう。
おそらくみなさんが心配するのは治療内容であり、そこでインプラントの治療の流れを説明します。

カウンセリング・精密検査

インプラントの場合、来院してすぐに治療を開始することはなく、
まずは医師によるカウンセリングとインプラントをする上での精密検査を行います。
レントゲンやCTを用いて口の中・骨格の状態を詳しく診断、結果によっては治療不可の可能性もあるでしょう。

例えば骨の量が不足している場合は治療を受けられず、
その場合インプラントを希望するなら骨移植など全く別の治療をしなければなりません。
また、カウンセリングではインプラントにおける不明点や疑問点を医師に質問することができます。

一次手術

ここから、本格的な治療に進みます。まず行うのが一次手術なのですが、
「一次」という表現から想像できるとおり、インプラントでは治療の過程で二度の手術を行います。
一次手術では、歯肉を切開して顎の骨に穴をあけ、そこに人工の歯の根となるインプラント体を埋め込みます。

手術の時間はおよそ1時間~3時間ほどで、特に異常がなければ入院などの必要もありません。
インプラント体を埋め込んだ後は歯肉を塞ぎ、ひとまず一次手術はこれで終了です。
手術と言っても歯肉の切開のみですが、もちろん麻酔を使用した上で行います。

 

定着期間

一次手術によって埋め込まれたインプラント体は、すぐに骨が結合することはありません。
インプラント体と骨の結合において必要なのは時間の経過であり、
そのため定着期間を定めてインプラント体と骨が結合するまでの待ちの期間に入ります。

定着期間の長さには個人差がありますが、一般的に早くても3ヶ月はい必要とするでしょう。
定着期間中は歯を失ったままでの生活になりますから、一時的な仮歯を使用することも可能です。
とは言え、この仮歯はインプラントとは別物のため、安定性も高くなくそれほど強い噛むこともできません。

 

二次手術

定着期間を終えた後、今度は二度目の手術となる二次手術を行います。
一次手術によって既にインプラント体は埋め込まれているため、後は人工の歯を連結させるのみです。
ただし、構造上インプラント体と人工の歯は直接連結させることはできません。

そこで必要となるのがインプラント体と人工の歯をつなぐジョイントであり、
そのジョイント代わりとなるのがアバットメント、二次手術の目的はこのアバットメントの装着です。
歯肉を切開して埋め込まれたインプラント体を再び露出させ、そこにアバットメントを装着します。

 

上部構造の装着

二次手術は早ければ30分ほどで終わりますから、一次手術ほど大きな手術にはなりません。
とは言え、歯肉を切開したため次の治療まで数週間ほど期間をあける必要があります。
そして二次手術を終えたから数週間経過後、最後に上部構造の装着を行います。

上部構造とは人工の歯にあたる部分で、すなわち被せ物です。
型を取って被せ物を製作、この被せ物が完成して装着した時点で治療は終わりになります。
ここまでにかかるトータルの治療期間は、3ヶ月~10ヶ月ほどを目安と思っておいてください。

 

メンテナンス

インプラントの治療は上部構造の装着までで終わりますが、
その後は定期的な通院が必要となり、通院の目的はインプラントのメンテナンスです。
ここで最も警戒しなければならないのが歯周病、インプラントにとって歯周病はまさに天敵です。

人工の歯であるインプラントが虫歯になることはないですが、
歯の骨の病気である歯周病にかかることはあり、インプラントの歯周病をインプラント周囲炎と呼びます。
インプラント周囲炎は進行が早く、実際に進行すればインプラント脱落を引き起こしてしまうのです。

 

まとめ

いかがでしたか?
最後に、インプラントの治療の流れについてまとめます。

1.カウンセリング・精密検査:健康状態を確認して、インプラントを行えるか行えないかを診断
2.一次手術:一回目の手術。歯肉を切開してインプラント体を埋め込む
3.定着期間:埋め込んだインプラント体と骨の結合を待つための期間
4.二次手術:二回目の手術。埋め込んだインプラント体を露出させ、アバットメントを装着する
5.上部構造の装着:アバットメントに上部構造を装着して治療完了
6.メンテナンス:治療後は定期的な通院が必要で、その目的はインプラントのメンテナンス

これら6つのことから、インプラントの治療の流れについて分かります。
ここで説明したのは、二回法と呼ばれる治療の流れであり、
二回法とは文字どおり二度の手術を行う治療方法です。
この他にも一回法と呼ばれる方法もあり、一回法では一度の手術で治療を終えられます。