詰め物で処置してある歯が虫歯になることはありますか? blog

2020.11.13


杉並区の歯医者さん、浜田山おとなこども歯科・矯正歯科です。
今回のテーマは「二次虫歯の説明」です。
虫歯の治療で歯を削った場合、その歯は詰め物を入れて処置します。

さて、詰め物をした歯はもう虫歯にならないと思っている人もいますが、
実際にはそうではなく虫歯が再発するケースも稀ではありません。
そんな虫歯の再発を二次虫歯と呼び、今回は二次虫歯についての説明をしていきます。

二次虫歯が発生する流れ

虫歯治療で削った歯は脆く、これは歯を削ることで表面を覆うエナメル質が失われるのが理由です。
エナメル質は歯を保護する役割を担っていますが、その保護が失われることで歯は脆くなってしまい、
そこで詰め物で処置して患部が再び細菌に感染してしまう事態を防ぎます。

ただ、患部にピッタリと接着した詰め物も年数の経過によって次第に劣化、
接着が弱まることで歯との間に隙間が生じてしまうのです。
そして、生じた隙間に細菌が入り込むことによって虫歯の再発…すなわち二次虫歯が起こります。

二次虫歯が起こることの問題点

中には、例え二次虫歯が起こっても再び治療すれば良いと考える人もいるでしょうが、
二次虫歯の発症は深刻な事態であり、その理由として2つのことが挙げられます。
1つは二次虫歯の繰り返しによって歯が失われてしまうことです。

虫歯で歯が溶かされる、治療して歯を削る、これらを繰り返せば少しずつ歯が失われてしまいます。
もう1つは自覚と発見が難しいこと、何しろ見た目は詰め物で処置されていますからね。
そのため虫歯の再発に気づかず進行するケースが多く、これらの点で二次虫歯の発症は最初の虫歯以上に深刻です。

二次虫歯と痛み

虫歯を自覚するきっかけとして最も多いのが「歯の痛み」、
歯が痛くなることで自分が虫歯になっていることを自覚する人は多いですよね。
そう考えると、例え二次虫歯が発症しても歯の痛みで自覚できるのではないかと思う人もいるでしょう。

確かに、二次虫歯の場合も痛みを感じるため、その時点で虫歯の再発に気づけるでしょうが、
ただ最初の虫歯で神経を失っている場合、二次虫歯が発症しても一切痛みは感じません。
そのため、「歯が痛くない=二次虫歯が発症していない」とは言い切れないのです。

二次虫歯が発症しやすい詰め物の素材

銀歯・レジンを素材とした詰め物だと二次虫歯が発症しやすくなります。
まず銀歯ですが、銀歯は元々歯とくっつかないため専用のセメントを使って接着しています。
そのため接着が剥がれやすく、またプラークも付着しやすいため二次虫歯が発症しやすいのです。

次にレジンですが、レジンは柔軟性があるものの強度そのものは決して高くなく、
そのため割れることがありますし、やはりプラークが付着しやすいことで二次虫歯が発症しやすくなります。
また、どちらの素材も劣化すれば接着が剥がれ、隙間の発生によって二次虫歯になってしまうでしょう。

二次虫歯を予防するには

二次虫歯の発症は、詰め物に生じた隙間がそもそもの要因になります。
そこで2つの予防方法を紹介すると、1つ目は定期的に詰め物の交換をすることで、
検診を受けて劣化した詰め物を新品のものと交換してもらいましょう。

2つ目は二次虫歯が発症しにくい素材の詰め物に変えることで、
自由診療にはなりますがセラミックの詰め物にすると二次虫歯を予防しやすくなります。
またセラミックは見た目も美しいため、二次虫歯の予防だけでなく審美性向上の効果もあります。

セラミックが二次虫歯を予防しやすい理由

セラミックにすると二次虫歯を予防しやすくなりますが、その理由を説明します。
まず、陶器であるセラミックの表面はツルツルしており、プラークが付着しにくくなっています。
そのため詰め物を清潔に保ちやすく、二次虫歯を予防しやすくなるのです。

また、セラミックの製作過程におけるサイズの誤差が生じにくい上、
歯としっかり接着するため隙間が生じにくくなります。
ですから細菌が入り込みにくく、この点も二次虫歯を予防しやすくなる理由です。

まとめ

いかがでしたか?
最後に、二次虫歯の説明についてまとめます。

1. 二次虫歯が発生する流れ :詰め物に隙間が生じることで細菌が入り込み、虫歯が再発する
2. 二次虫歯が起こることの問題点 :虫歯と治療の繰り返しになるため、少しずつ歯が失われていく
3. 二次虫歯と痛み :最初の虫歯で神経を失っている場合、二次虫歯が発症しても痛みを感じない
4. 二次虫歯が発症しやすい詰め物の素材 :銀歯・レジンは二次虫歯が発症しやすい
5. 二次虫歯を予防するには :定期的に詰め物を新品のものに交換する、詰め物の素材をセラミックにする
6. セラミックが二次虫歯を予防しやすい理由 :素材的にプラークが付着しづらく、接着もしっかりしているため

これら6つのことから、二次虫歯の説明について分かります。
詰め物で処置した歯が再度虫歯になるケースは珍しくなく、
成人の虫歯治療のおよそ7割が二次虫歯によるものといわれています。
例え虫歯治療を終えた歯でも、虫歯の再発に注意する必要があるのです。