詰め物が取れてしまうとどうなりますか? blog

2020.11.27

杉並区の歯医者さん、浜田山おとなこども歯科・矯正歯科です。
今回のテーマは「詰め物が取れた場合に起こる問題」です。
虫歯治療で歯を削った場合、患部には詰め物を入れて処置します。

しかし、いくらしっかりと処置されていても詰め物は人工物ですから、
事故などの衝撃によって取れてしまうこともあるでしょう。
この時、取れてしまった詰め物を放置することには大きな問題があります。

虫歯が再発する

歯を削った部分を詰め物で処置するのは、その歯が細菌に感染するのを防止するためです。
歯の表面はエナメル質と呼ばれる組織によって保護されていますが、
治療によって歯を削ればエナメル質が失われ、象牙質が露出した状態になります。

このような状態における歯は非常に脆く、細菌に感染しやすくなってしまいます。
実際、詰め物が劣化して少々隙間が生じただけでも虫歯は再発しますから、
詰め物が取れたまま放置すれば、たちまち二次虫歯が発症してしまうでしょう。

知覚過敏が起こる

知覚過敏とは、冷たいものを飲食した時や歯に触れた時などの刺激によって歯がしみることです。
歯の象牙質は刺激に対して非常に敏感なのですが、
普段生活の中で知覚過敏が起こらないのはエナメル質に保護されているからです。

しかし、詰め物が取れた歯は刺激に敏感な象牙質が剥き出しになっているため、知覚過敏が起こります。
具体的には、「歯に触れる」・「冷たい温度を感じる」・「強い風が当たる」などによって起こり、
虫歯で痛みを感じるのもこの知覚過敏によるものです。

歯が欠ける

詰め物が取れた歯は象牙質が露出しており、強度においても健康な歯に比べて脆くなっています。
そうなるとぶつけるなどの衝撃はもちろん、単に噛み合わせただけでも歯が欠けてしまうことがあるのです。
と言うのも、成人の咬合力は象牙質が露出した歯を強く噛むと、歯にヒビが入るほどの力になるからです。

このため、詰め物が取れたままの状態で噛み合わせていれば、
歯にヒビが入る・欠ける・割れるなどの問題を引き起こす可能性があるでしょう。
仮にこのような問題が起こった場合、詰め物の再製作だけでは解決できなくなってしまいます。

食べカスが詰まる

詰め物が取れた歯は、その箇所にくぼみができるため食べカスが詰まってしまいます。
実際に食べカスが詰まってしまった場合、3つの問題が起こります。
1つ目に口臭の問題、詰まった食べカスは口臭の原因になってしまうでしょう。

2つ目に虫歯の問題、食べカスが詰まった状態は清潔とは言えず、虫歯が発症しやすくなるのです。
3つ目にフードインパクション(食片圧入)の問題、歯と歯の間に食べものが詰まることで歯肉を圧迫、
そうすると歯肉の腫れ・退縮などを引き起こし歯槽骨が破壊されてしまうことも考えられます。

食事が不自由になる

これは上記の「知覚過敏が起こる」・「歯が欠ける」の説明の補足になります。
詰め物が取れた歯は知覚過敏が起こり、また強く噛み合わせることで歯が欠けてしまいます。
そして、これら2つの問題点から挙げられるのが「食事の不自由さ」です。

冷たいものを飲食すれば歯がしみてしまいますし、かたいものを食べれば歯が欠けてしまうかもしれません。
どちらが起きても食事を充分に楽しめなくなり、普段どおりの食生活を送れなくなってしまうでしょう。
つまり、詰め物が取れることは日常生活に支障をきたすということになります。

詰め物が取れた時にやってはいけないこと

詰め物が取れた時には、絶対にやってはいけないことが2つあります。
1つはそのまま放置することで、放置した場合はここで説明したことが実際に起こってしまいます。
もう1つは自分で修復しようとしないことで、稀に接着剤を使って詰め物をくっつけようとする人がいます。

確かに、詰め物には接着剤が使われていますが、それは歯科医療で使用する専用の接着剤です。
工作用の瞬間接着剤を使ってしまえば詰め物が外れなくなってしまう危険性もあり、
そうなると全く別の大きな治療をしなければなりません。

まとめ

いかがでしたか?
最後に、詰め物が取れた場合に起こる問題についてまとめます。

1. 虫歯が再発する :詰め物が取れた歯は細菌に感染しやすく、虫歯が再発してしまう
2. 知覚過敏が起こる :詰め物が取れた歯は刺激に敏感で、知覚過敏が起きてしまう
3. 歯が欠ける :詰め物が取れた歯は強度が弱く、衝撃や噛み合わせた力によって欠けてしまう
4. 食べカスが詰まる :詰め物が入っていた箇所に食べカスが詰まり、口臭・虫歯などの原因になってしまう
5. 食事が不自由になる :知覚過敏、歯が欠けるなどの問題から、普段どおりの食生活を送れなくなってしまう
6. 詰め物が取れた時にやってはいけないこと :取れたまま放置する、自分で修復しようと試みる

これら6つのことから、詰め物が取れた場合に起こる問題について分かります。
丁寧に使っていても、事故によって詰め物が取れてしまうことはありますが、
すぐに歯科医院に行って処置してもらえば大きな問題にはなりません。
しかし、そのまま放置すれば虫歯の再発・知覚過敏・歯が欠けるなどの問題を引き起こしてしまいます。