入れ歯だし、噛み合わせが合わなくても放置して問題ないですか? blog
2019.03.08
杉並区の歯医者さん、浜田山おとなこども歯科・矯正歯科です。
今回のテーマは「噛み合わせが悪いことの問題について」です。
例えば入れ歯を使用している人は、噛み合わせの状態を大切に考えているでしょうか。
入れ歯は人工物ですから、天然の歯のように虫歯になることはありません。
しかしだからと言ってケアを怠って良いわけではなく、
噛み合わせの悪さを自覚しているなら、歯科医院で調整して改善しなければなりません。
人工物で噛み合わせが悪くなるケース
入れ歯に限らず、詰め物や被せ物やインプラントなど、人工物が原因で噛み合わせが悪くなることがあります。
これらは治療時に高さの調整を行いますが、そこでどうしても誤差が生じてしまうことがあり、
そうすると高すぎる、もしくは低すぎるなどの問題が起こって噛み合わせが悪くなります。
一般的に高すぎる場合は削って処置するため、調整はそれほど難しくありません。
しかし低すぎる場合は高くできないため、こうした人工物を再製作しなければなりません。
また、使用する過程で噛み合わせの調整はズレていくため、定期的にメンテナンスしなければなりません。
噛み合わせが悪くなると起こる問題
噛み合わせが悪いこと自体は病気ではありませんが、それが原因で病気が起こることもあります。
具体的には、噛み合わせが悪いことで次のような問題が起こります。
- 慢性的な肩こりや頭痛
人間は動作する時に必ずそれに応じた筋肉を使用します。噛む動作においてもそれは同様で、
噛む時には広頸筋や側頭筋を使用します。これらの筋肉は肩や頭の横につながっているため、
噛み合わせの悪さが影響すると慢性的な肩こりや頭痛を引き起こすことがあります。
- 顎関節症
顎関節症になると顎を動かした時に異音がする、痛みを感じるなど様々な症状が起こります。
そもそも顎関節症は噛み合わせの良し悪し関係なく発症する病気なのですが、
噛み合わせが悪い人の方が発症しやすく、また重症化もしやすくなっています。
- 歯周病
噛み合わせが悪いと噛み合わせた時に特定の歯に過剰な力がかかります。
入れ歯の場合も入れ歯に過剰な力がかかり、その負担は歯だけでなく歯を支える歯肉にも及びます。
このため歯肉が炎症を起こしてしまい、それが歯周病の始まりになることがあります。
- 虫歯
実感がないかもしれませんが、正常な噛み合わせなら噛み合わせた時に適度に歯と歯がぶつかります。
この衝撃はプラークを自然に剥がす効果があるのですが、噛み合わせが悪いと歯が当たらない箇所ができ、
そうなるとプラークが自然に剥がれないためそれだけ虫歯になるリスクが高まります。
- 口臭
噛み合わせが悪いと口呼吸になり、口呼吸になると乾燥した空気を口の中に取り込んでしまいます。
このため口の中が乾燥しやすくなり、酸欠状態になることで嫌気性菌の働きが活発になります。
嫌気性菌の働きは口臭の原因になるため、その働きが活発になることで口臭が起こりやすくなります。
- 体調不良
これも口呼吸が関係する問題です。上記で説明したとおり、噛み合わせが悪いと口呼吸になります。
鼻呼吸の場合は細菌を取り込んでも鼻の粘膜がそれを取り除いてくれますが、
口呼吸の場合は細菌をそのまま喉に送り込んでしまうため、体調を崩しやすくなるのです。
歯を失った時の選択
歯を失った時の選択は入れ歯、インプラント、ブリッジですが、
どの選択肢を選んだとしても噛み合わせが悪くなることがあります。
ですから、インプラントなら噛み合わせが悪くならないというようなことはありません。
人工物で噛み合わせを悪くさせないためにはまず歯科治療の精度が重要になるため、
信頼できる歯科医院で治療を受けることが噛み合わせを悪くさせないための基本です。
とは言え、いくら噛み合わせが正常でも生活する中で人工物の噛み合わせは少しずつずれていきます。
治療後に定期的なメンテナンスが必要なのはそのためでもあり、
例え安定したインプラントだとしてもメンテナンスを怠るとやがて噛み合わせは悪くなっていきます。
最も、入れ歯の場合はオーダーメイドの材質にすることで、噛み合わせが悪くなるのをある程度防げます。
まとめ
いかがでしたか?
最後に、噛み合わせが悪いことの問題についてまとめます。
1. 人工物で噛み合わせが悪くなるケース :入れ歯でも被せ物でも高さが合わないと噛み合わせが悪くなる
2. 噛み合わせが悪くなると起こる問題 :慢性的な肩こりや頭痛、顎関節症、歯周病、虫歯、口臭など
3. 歯を失った時の選択 :どの選択をしても、その後のメンテナンスを怠ると噛み合わせは悪くなる
重要なことは2つで、1つは入れ歯のような人工物でも噛み合わせの悪さを放置してはいけないことです。
噛み合わせが悪いと肩こりや頭痛、顎関節症などが起こりやすくなりますが、
これらは人工物の噛み合わせの悪さにおいても起こる問題です。
もう1つは、人工物は使用するとやがて噛み合わせが悪くなることで、
これはいくら最初の時点で噛み合わせの調整を万全に行ったとしても言えることです。
ですから入れ歯にしてもインプラントにしても、その後の定期的なメンテナンスが重要です。