インプラント治療はやはり大変ですか? blog

2016.07.21

インプラントと入れ歯を比較すると、実用性や見栄えなど、ほぼ全てにおいてインプラントが勝ります。
ただし、治療の手軽さに関しては入れ歯よりも劣ります。
それだけインプラント治療は大掛かりなものということです。
では、実際にインプラント治療の何が大変なのかを挙げ、それぞれについて説明していきます。

1. 手術が必要

歯科治療とは言え、インプラント治療では手術が必要になります。
インプラント(人工の歯の根)を顎の骨に埋め込むための手術です。
麻酔で痛みはそれほど感じないとは言え、従来の歯科治療に比べると明らかに大掛かりなものになります。

また、治療前にもCTを用いた精密検査やカウンセリングを行いますし、
虫歯や歯周病治療しか経験のない人にとっては、これらの治療内容に抵抗を感じるかもしれません。
ちなみに、手術自体は基本的に2回に分けて行われるため、2度の手術が必要ということになります。

2. 通院の手間

通院に関しての手間は2つあります。まず1つは、インプラント治療を行っている歯科医院が少ないことで、
虫歯治療のように街の近くの歯科医院で行うことはまず不可能です。
また、信頼できる歯科医院を選ぶ必要があるため、実績などを調べるための情報収集も必須です。
人によっては、かなり遠くの歯科医院まで足を運ばなければならなくなります。

もう1つの手間は、通院期間が長いことです。
期間は歯科医院ごとで異なりますし、手術後の経過にもよりますが、
一般的に治療完了まで半年以上掛かりますし、その後もメンテナンスのための通院が必要になるのです。
今では短期コースを採用している歯科医院もありますが、それでも3ヶ月以上は掛かるでしょう。

3. 費用の高さ

インプラント治療では、基本的に保険が適用されません。
これはインプラントが審美治療に含まれているためで、費用自体も高額になります。
相場の平均を挙げてみると、一般的に1本につき30万円~45万円の費用が掛かります。

さらに、治療後のメンテナンスでもその都度費用が発生しますし、細かく言えば交通費も掛かります。
ちなみに、平成24年以降は事故や病気によるインプラント治療の場合、保険が適用されるようになりました。
ただし、その条件は厳しく、特定の歯科医院で治療したり、一定以上の割合の骨の欠損などが条件になります。

4. 歯科医院の選びにくさ

インプラント治療はリスクを伴うため、信頼ある歯科医院で治療を受けることが必須です。
つまり、患者さんとしてもしっかりと情報収集を行い、適切な歯科医院を見つける必要があるのです。
一方、虫歯治療の際には単純に近くの歯科医院に行くでしょうし、
その歯科医院の信頼や実績を考えたこともないと思います。

しかし、インプラント治療では少しでもリスクを減らすため、
知識と技術に長けた歯科医師のいる病院で治療を受けるのが理想です。
また、いくらこうした点に長けた歯科医院を見つけても、通院できなければ意味がありません。
通える範囲で信頼できる歯科医院を探す、これが手間でもあり難しくもあるのです。

5. 敷居が高い

インプラント治療は誰でも受けられるわけではありません。
高血圧や糖尿病などの持病によっては受けられないこともありますし、
特に持病がない場合でも、治療前の精密検査で問題があれば治療は不可能になります。

また、長期間の通院が可能な体力を持っているかも基準になりますし、
未成年の患者さんだと年齢が理由で治療を受けられないこともあるのです。
このため、入れ歯に比べるとインプラント治療は明らかに敷居が高くなっています。

6. 失敗のリスクがある

脅かすわけではないですが、正直な話、インプラント治療の成功率は100%ではありません。
ニュースや新聞で見たことがある人もいるかもしれませんが、
治療に失敗した、事故が起こったなどの事例があるのは事実です。

また、こうした事態を招かないためにも、治療後の口内のケアには注意する必要があります。
信頼できる歯科医院で指示を守って治療すればまず安全ですが、
少なくとも入れ歯に比べるとリスクは高くなります。

まとめ

いかがでしたか?
最後に、インプラント治療は大変なのかについてまとめます。

  1. 手術が必要 :インプラント治療では、基本的に2度の手術を行う必要がある
  2. 通院の手間 :治療期間も長く、治療後もメンテナンスのための通院が必要になる
  3. 費用の高さ :基本的に保険が適用されない。相場は1本につき30万円~45万円
  4. 歯科医院の選びにくさ :インプラント治療を行っている歯科医院自体が少ない
  5. 敷居が高い :誰にでも受けられる治療ではない。持病などによって治療不可と判断されることもある
  6. 失敗のリスクがある :失敗や事故が起こった事例もあり、入れ歯よりもリスクは高い

これら6つのことから、インプラント治療は大変なのかが分かります。
インプラント治療の大変なところは、「費用」、「治療期間」、「治療内容」の3つです。
保険が適用できない上に治療期間も長く、治療自体には手術を伴うからです。
逆に、これらの点に問題ないと思う人なら、インプラント治療に欠点はなくなります。