虫歯がきっかけで脳梗塞が起こると聞きました。一体どういうことですか? blog

2016.10.20

虫歯を放置すると進行して症状はどんどん酷くなる、これは誰もが知っていることです。
しかし、酷くなることは分かっていても、
具体的にどう酷くなるかまでは考えたことがない人が多いと思います。
今回は、そんな虫歯の進行の果てについて説明していきます。
そこには、一見虫歯の何も関係のなさそうな「脳梗塞」が関わってくるのです。

1. 虫歯の進行

冒頭で言ったように虫歯は進行しますし、治療しない限り治ることはありません。
虫歯の始まりはささいなもので、最初は歯が黒ずんでいる程度です。
この時点では痛みもしみもないですし、ほとんど削らずに治療することが可能です。

しかし、この時点で放置すると虫歯は進行し、症状はより酷くなってしまいます。
では、具体的にどう進行してどんな症状が引き起こされるのか、
以下の項目で虫歯の進行に沿って説明していきます。

2. 象牙質へ

虫歯が進行して象牙質にまで達すると、ここで痛みを感じるようになります。
象牙質は歯の奥にあり、表面に比べて非常に敏感なのです。
このため、虫歯の痛みも敏感に感じますし、熱いものや冷たいものを食べるとしみるようになるのです。

大抵の人が痛みで虫歯に気付くため、この時点で歯科医院に行くパターンがほとんどです。
そして、この時点でも放置しておくと虫歯はさらに進行していきます。
ここで治療しなければ、この先はより深刻な症状になり治療もつらいものになっていきます。

3. 神経へ

象牙質に達した虫歯がさらに進行すると、今度は神経にまで達します。
最も、「神経が虫歯になる」と言うのは言葉として不自然だと思います。
そもそも虫歯を引き起こしているのは虫歯菌という細菌であり、
この場合は虫歯菌が神経に侵入したことを示します。

虫歯菌が神経に侵入すると痛みは激痛に変化します。
「虫歯の痛みを我慢していたら酷く痛むようになった」、そんな経験がある人もいると思いますが、
それは虫歯が進行して虫歯菌が神経に侵入したためです。
ここまでになると治療も簡単にはいかず、歯だけでなく神経も抜いたり消毒する治療が必要になります。

4. 神経の破壊

虫歯菌が神経に侵入したことで激痛を感じるようになりますが、
やがてその激痛は治まり、むしろ一切痛みを感じなくなります。
これは歯の神経が虫歯菌によって破壊され、完全に死んでしまってことを意味します。

痛まなくなったということで、中にはこの状態をむしろプラスに考える人がいますがそれは間違いです。
と言うのも、ここからが虫歯の本当に怖いところになるのです。
この状態になると歯もボロボロになっており、抜歯して対処するしかないことも多いです。
ここから先の進行は本当に怖いので、これ以降虫歯を放置してしまうのは厳禁です。

5. 顎の骨や全身へ

神経を破壊した虫歯菌は、今度は顎の骨にまで侵入していきます。
そうすると膿みを引き起こすことになって、再び痛みを感じるようになります。
また、最も怖いのは虫歯菌が血液に侵入することです。

血液に侵入した虫歯菌は血管を通じて全身に回ってしまうのです。
つまり、身体中が虫歯菌に侵されることになり、
この時虫歯菌が侵入する箇所によっては命に関わる問題に発展するのです。

6. 脳梗塞や心筋梗塞

全身に回った虫歯菌が脳や心臓に侵入すると、
それが原因で脳梗塞や心筋梗塞を引き起こすことがあります。
そう、つまり虫歯を放置し続けてしまうことで、今回のテーマでもある脳梗塞に至るわけです。

どちらも命に関わる大きな病気ですし、実際にこうして虫歯を放置したことによる死亡例もあるのです。
そう考えると、虫歯は絶対に放置してはいけないことが分かりますし、
できるだけ早く歯科医院に行って治療が必要なことも分かります。

まとめ

いかがでしたか?
最後に、虫歯がきっかけで脳梗塞が起こることについてまとめます。

  1. 虫歯の進行 :虫歯は治療しない限り進行し、症状はどんどん酷くなる
  2. 象牙質へ :痛みを感じるようになる。多くの人がこの時点で虫歯になっていることを自覚する
  3. 神経へ :激痛を感じるようになる。ここまで進行すると単に歯を削るだけの簡単な治療では済まない
  4. 神経の破壊 :痛みを感じなくなるが、ここからが虫歯の怖いところ
  5. 顎の骨や全身へ :血液に虫歯菌が侵入すると、血管を通じて虫歯菌が全身に回る
  6. 脳梗塞や心筋梗塞 :全身に回った虫歯菌が脳に侵入すると脳梗塞、心臓に侵入すると心筋梗塞になる

これら6つのことから、虫歯がきっかけで脳梗塞が起こることが分かります。
たった一つの虫歯が元で脳梗塞や心筋梗塞を引き起こす、これはとても怖い事実です
しかし、怖い事実ではあるものの、確実にそうならないように対処できることもまた事実です。

そして、その対処方法は実に簡単なことです。
虫歯はすぐに治療すること、虫歯にならないように普段から定期検診を受けて予防すればいいのです。
こうした虫歯への確実な対処が、大きな病気になるのを防ぐことができるのです。