セラミックよりも銀歯の方が硬くて頑丈で優れていると思うのですが… blog

2017.09.23

杉並区の歯医者さん、浜田山おとなこども歯科・矯正歯科です。
今回のテーマは「セラミックの強度の問題」です。
詰め物や被せ物の材質としてよく比較されるのが、セラミックと銀歯です。

ちなみにどちらが優れているかを比較した時、強度の点で銀歯が優れていると考える方も多いでしょう。
確かに、金属である銀歯は陶器のセラミックより硬いのは事実です。
ではセラミックよりも銀歯にした方が良いのでしょうか?…実はそうとも限らないのです。

硬さが全てではない

詰め物や被せ物は歯の代わりとして使用するものですから、当然硬さは重要なポイントです。
しかし、詰め物や被せ物で重要なのは硬さだけではありません。
確かに銀歯は硬さの点でセラミックより優れていますし、それは銀歯のメリットでもあります。

しかし、それ以外の部分ではむしろセラミックの方が優れているのです。
では詰め物や被せ物としてセラミックの方が優れている部分を以下で挙げていきます。
言わばそれは、銀歯にはないセラミックならではのメリットということになります。

見た目の美しさ

セラミックの最大のメリットは審美性の高さです。
銀歯は目立つため、中には人前で笑顔見せるのに抵抗を感じる方がいるほどです。
その点セラミックは天然の歯に近い白さ、さらには光沢も持っています。

特にオールセラミックは天然の歯と変わらない美しさを誇り、一見詰め物や被せ物だと分からないほどです。
審美治療が一般化しつつある今、既に銀歯を使用している方でもセラミックに交換するケースが多いのです。
見た目が美しくなることで自分に自信が持て、それはコンプレックスの解消にもつながります。

二次虫歯の予防

銀歯はプラークが付着しやすく、さらに接着が剥がれやすいため歯との間に隙間が生じます。
そうすると生じた隙間から細菌が侵入し、虫歯の再発…つまり二次虫歯を引き起こしてしまいます。
実際、銀歯を使用している方の中ではこの二次虫歯の繰り返しに悩まされている方も多いでしょう。

その点セラミックは陶器ですから、表面がツルツルしていてプラークが付着しにくい特徴があります。
さらに歯としっかり接着するため隙間も生じにくく、このため二次虫歯が起こりにくいのです。
虫歯の繰り返しは歯を失う要因になりますし、その意味ではセラミックは歯を守る効果も持っています。

身体への優しさ

様々なアレルギーがある中、銀歯の使用に支障をもたらすのが金属アレルギーです。
銀歯は金属ですから、金属アレルギーの対象になってしまうのです。
しかしセラミックは文字どおり陶器が材質になっているため、金属アレルギーの心配がありません。

ただし、これについては注意が必要です。と言うのも、中には金属を使用しているセラミックもあるからです。
メタルボンドというタイプはセラミックに含まれるものの、見えない箇所には金属を使用しています。
このため、例えセラミックでも種類によっては金属を使用しているということを知っておいてください。
確実に金属を使用していないのは、100%セラミックであるオールセラミックやジルコニアセラミックです。

寿命の長さ

銀歯もセラミックも人工物である以上、長年使用していればいずれ寿命が訪れます。
その場合は新品のものに交換する必要があり、今の詰め物や被せ物が永久に使用できるわけではないのです。
ただし、銀歯とセラミックでは肝心の寿命の長さに大きな差があります。

銀歯の寿命は5年ほどであり、それくらいの年数が経つと接着が剥がれたり、金属が溶け出したりします。
一方セラミックの寿命は最低でも10年ほどであり、ケア次第ではさらに使用することが可能です。
さらに接着の剥がれや溶け出すといった問題も起こらないため、長期間問題なく使用できるのです。

まとめ

いかがでしたか?
最後に、セラミックの強度の問題についてまとめます。

1. 硬さが全てではない :銀歯は確かに硬いが、詰め物や被せ物に重要なのは硬さだけではない
2. 見た目の美しさ :セラミックは審美性が高く、天然の歯と変わらないほどの白さと光沢を持つ
3. 二次虫歯の予防 :セラミックはプラークが付着しにくく、隙間が生じにくいので二次虫歯を予防しやすい
4. 身体への優しさ :オールセラミックなら金属を一切使用しておらず、金属アレルギーが起こらない
5. 寿命の長さ :セラミックは10年以上使用でき、ケア次第ではさらに使用することができる

これら5つのことから、セラミックの強度の問題が分かります。
ちなみに強度に関してですが、セラミックは決して脆いわけではありません。
最近のオールセラミックはより丈夫な仕様になっていますし、金属を混ぜたメタルボンドもあります。

さらにジルコニアセラミックは硬すぎるといわれるほど硬く、金属同等かそれ以上の強度を誇ります。
このため、いくら銀歯が硬いといってもイコールセラミックが脆いというわけではないのです。
それ以外のメリットを考えると、銀歯よりもむしろセラミックの方が優れているとも言えます。