虫歯の歯の痛みは常に一定ですか?それとも酷くなっていきますか? blog

2017.12.19

杉並区の歯医者さん、浜田山おとなこども歯科・矯正歯科です。
今回のテーマは「虫歯の痛みの変化」です。
虫歯の痛みは辛いですが、この痛みは一定ではありません。

仮に今虫歯で痛んでいる人がいたとして、今と同じ痛みがずっと続くわけではないのです。
病気による腹痛や頭痛も、病気が悪化すれば痛みがより酷くなるように、
虫歯が悪化すれば痛みもより酷くなっていくのです。

さて、ここでは虫歯の進行度を4つの段階に分け、それぞれの段階の虫歯の痛みについて説明していきます。

初期段階の虫歯

専門用語を使うと、初期段階の虫歯は「C1」と呼ばれています。
この段階は虫歯であるにもかかわらず痛みはありません。
なぜなら、初期段階の虫歯は歯の表面だけが虫歯になった状態だからです。

歯の表面にはエナメル質があり、エナメル質は歯を刺激から保護する役割を持っています。
このため歯の表面は刺激を感じにくくなっており、虫歯になっても痛みを感じないのです。
もちろん治療で痛むこともないですし、そもそもこの段階で治療すれば歯を削らずに治せることもあります。

つまり、初期段階の虫歯は虫歯による痛みもなければ治療による痛みもありません。
そう考えるとこの時点で治療すれば容易に治せると思うでしょうが、1つだけ問題があります。
それは痛みという自覚症状がないため、そもそもこの時点で虫歯に気付くのが難しいということです。

中期段階の虫歯

専門用語を使うと、中期段階の虫歯は「C2」と呼ばれています。
この段階は虫歯が象牙質まで進行した状態で、エナメル質の奥まで虫歯が到達したことで痛みを感じます。
多くの人が想像する虫歯の痛みは、おそらくこの段階の虫歯を示しているでしょう。

また、象牙質が一部剥き出しの状態になっていることから、虫歯の痛みだけでなく刺激による痛みも感じます。
冷たいものや熱いものを飲食すればしみますし、触れるなどの刺激でも痛みます。
治療においても象牙質まで歯を削る必要があるため、初期段階の虫歯と違って治療でも痛みも感じます。

最も、治療時の痛みはそれほど心配することはありません。
痛みを感じる治療と判断される場合は麻酔を使用してから治療しますし、
治療そのものが怖いと感じる人であれば、歯科医院によっては無痛治療にも対応しています。

重度段階の虫歯

専門用語を使うと、重度段階の虫歯は「C3」と呼ばれています。
この段階は神経まで虫歯が進行しており、中期段階の痛みよりも遥かに痛い激痛に襲われます。
常に歯がズキズキと痛み、夜は眠れないほどの辛さです。

またここまで歯が痛む状態だと、痛み止めを飲んでも完全に痛みを抑えられないこともあります。
治療においても細菌に感染した神経を除去し、根管内の清掃・消毒をするための根管治療を行います。
もちろん麻酔を使用して行いますが、治療内容としては辛いものになるでしょう。

こうした説明をすると重度段階の虫歯を誰もが怖く思うでしょうが、
虫歯の痛みは既に中期段階…すなわち「C2」の段階で感じるため、その時点で虫歯に気付きます。
気付いた時点で虫歯を放置することさえしなければ、重度段階まで進行することはないのです。

末期段階の虫歯

専門用語を使うと、末期段階の虫歯は「C4」と呼ばれています。
「C3」段階で激痛を感じるため、この「C4」段階ではさらに激しく痛むと思うでしょう。
しかし全く逆で、末期段階の虫歯は一切痛みを感じません。

これは「C3」段階を経たことで、神経が死んでしまっているのが理由です。
神経が死ぬことで痛みを感じなくなりますが、もちろん状況としては良くありません。
まず歯は被せ物を立てられないほどボロボロになっており、そのため抜歯するしか対処のしようがないのです。

さらに治療しない限り虫歯菌は生き続けているため、
やがては血液に侵入した虫歯菌が血管を通じて身体の至るところにまわってしまいます。
そうなると、場合によっては脳梗塞や心筋梗塞といった命にかかわる病気を招く要因になるのです。

まとめ

いかがでしたか?
最後に、虫歯の痛みの変化についてまとめます。

1. 初期段階の虫歯 :歯の表面が虫歯になった状態。痛みはなく、治療による痛みもない
2. 中期段階の虫歯 :象牙質まで虫歯が進行し、痛みを感じるようになる。冷たさや熱さを感じてもしみる
3. 重度段階の虫歯 :歯の神経まで虫歯が進行し、常にズキズキとした眠れないほどの激痛を感じる
4. 末期段階の虫歯 :歯の神経が死んでいるので痛みはないが、治療しても歯を残せない可能性が高い

これら4つのことから、虫歯の痛みの変化が分かります。
虫歯の痛みを知ることで覚えておいてほしいことは2つです。
1つは虫歯が進行すれば痛みが増すことで、治療しなければ余計に痛むようになってしまうのです。

もう1つは虫歯が進行すればするほど深刻な症状が起こるということです。
神経が死ぬほどの末期段階の虫歯では痛みなく、その点では辛さを感じないかもしれません。
しかし虫歯菌が全身にまわれば大きな病気を招くこともあり、実際にそれが原因で死亡した事例もあるのです。