冷たいものが痛い時はどんな歯の病気が考えられる? blog

2016.03.24

冷たいものがしみた時、誰もが想像するのが虫歯です。
確かに、虫歯の症状として正しいですし、実際に虫歯である可能性が高いのも事実です。
しかし、時には虫歯以外の症状で冷たいものがしみることもあり、ここでは虫歯以外の可能性を中心に考えていきます。

1. 象牙質が露出している

象牙質は歯の中で最も敏感ですし、虫歯で冷たいものがしみる時も、虫歯菌が象牙質に達した証拠です。
本来、象牙質は表面のエナメル質で保護されており、直接刺激を受けることはありません。
しかし、何かの理由でエナメル質が欠けていると、その奥にある象牙質が露出してしまうのです。

この状況になると、冷たいものがしみる、痛むといった自覚症状が起こります。
最も、この場合、なぜエナメル質が欠けているかが重要になってきますし、それによって歯科医院での治療方法も異なってきます。

2. 知覚過敏

象牙質には知覚があり、ここに刺激が与えられることで痛みを感じます。
また、歯の神経は一つの特徴があり、熱いや冷たいといった刺激も痛みに変換されるのです。
そして、この象牙質に刺激が与えられる症状を知覚過敏と呼ぶのです。

ここで問題なのが、知覚過敏に気づかずに別の治療を受けてしまった場合です。
例えば、薬剤を使うホワイトニングなど、剥き出しの象牙質に刺激のある薬剤が触れてしまうと、それはしみるというレベルではなくなり、痛み止めの服用なども必要になってきます。
ちなみに、何が原因で冷たいものがしみたとしても、そこには知覚過敏が関係してくるのです。

3. 歯磨きの仕方に問題がある

病気とは違うものの、これが原因だった場合は、自身の歯磨きの仕方を変える必要があります。
歯磨きはただゴシゴシと磨けばいいわけでなく、正しい磨き方があるのです。
ちなみに、こうした正しい歯磨き方法は、歯科医から指導を受けることも可能です。

あまりにも圧力がかかるような磨き方をしたり、長時間磨きすぎるなど、歯にダメージを与える磨き方をすることで、表面のエナメル質が削れてしまうのです。
こうなると、やはり象牙質が剥き出しになってしまうため、冷たいものがしみるようになってしまいます。

4. 歯周病

自覚症状のないのが特徴の歯周病ですが、進行することで冷たいものがしみるようになります。
歯周病は歯の骨を溶かしてしまい、進行すると次第に歯茎が下がってきます。
そうなると、歯の根元が露出してしまいますし、歯の根元にはエナメル質がないのです。

この状態で冷たいものを口にすると、エナメル質のない歯の根元が刺激を受けます。
このため、冷たいものがしみるという自覚症状が起きてしまうのです。
また、歯周病の場合はこの症状に留まらず、さらに進行することで最終的には歯も失ってしまいます。

5. 歯が傷ついている

明らかな外傷はともかく、無意識のうちに歯を傷つけてしまうこともあります。
一般的なのが歯ぎしりで、噛む力があまりに強いと、歯が欠けるといったことも起こり得ます。
こうした場合も、冷たいものがしみるようになるのです。

欠けた歯は、傷口が剥き出しになっているのと等しく、そこに冷たいという刺激が加わることで、しみたり痛んだりするのです。
特に噛み合わせが悪い場合は、噛むことで歯を傷つけやすいために注意が必要です。

6. 象牙質への刺激が原因

専門用語で言うなら、冷たいものがしみる時は知覚過敏を引き起こしています。
つまり、象牙質に刺激が伝わる状態になってしまっているのです。
それが歯の欠けであれ、歯周病であれ、何らかの理由でエナメル質の効果が失われているのです。

ちなみに、知覚過敏を改善する方法は、自身で行えるものと歯科医院で行えるものがあります。
自身で行えるものは、知覚過敏に効果的な歯磨き粉を使用するなど、刺激を少しでも抑えることです。
歯科医院で行えるものは、いわば治療の一つであり、薬を塗るなどして対処します。

まとめ

いかがでしたか?
最後に、冷たいものが痛い時にはどんな歯の病気が考えられるかについてまとめます。

  1. 象牙質が露出している :象牙質は刺激を受けやすく、これが露出した状態になっている
  2. 知覚過敏 :象牙質には知覚があり、そこに刺激が加わると痛む。これが知覚過敏である
  3. 歯磨きの仕方に問題がある :強く磨きすぎる、長時間磨きすぎるなどの行為が原因の可能性もある
  4. 歯周病 :歯周病で歯茎が下がることで歯の根元が露出する。歯の根元は象牙質が剥き出しになっている
  5. 歯が傷ついている :歯ぎしりなど、無意識で歯を傷つけてしまっていることもある
  6. 象牙質への刺激が原因 :何が理由だとしても、知覚過敏で象牙質に刺激を与えていることが要因

これら6つのことから、冷たいものが痛い時にはどんな歯の病気が考えられるかが分かります。
冷たいものがしみるということは、知覚過敏が起きていることになります。
問題なのは、なぜ知覚過敏が起きているかであり、その可能性は様々です。

これが歯磨きなどのライフスタイルに問題がある場合、それを正す必要がありますし、歯周病などの場合はしっかりと治療する必要があります。
どちらにしても、まずは歯科医院で診察を受け、知覚過敏が起きた要因を知ることが改善への第一歩です。