ホワイトニングはどうやって歯を白くするのですか? blog

2016.05.10

ホワイトニングは歯を白くするための治療ですが、ヘアカラーのように歯を白く染めるわけではありません。
治療自体は専門の薬剤を使用しますし、その薬剤の効果で歯を白くしているのです。
では、具体的にどういう仕組みでホワイトニングすると歯が白くなるのか?
ここでは、ホワイトニングがどういう効果でなぜ歯が白くなるのか、それについて説明していきます。

歯が白くなる仕組み

ホワイトニングで使用する薬剤には、過酸化水素や過酸化尿素が含まれています。
これらは一定の温度で水と酸素に分解されるため、口内でも同様の分解が起こります。
この時、歯の表面にあるエナメル質が酸素によって、無色透明になって構造変化を起こします。
この構造変化で象牙質の黄ばみをマスキングするため、結果的に歯が白く見えるようになるのです。

「歯の黄ばみ=象牙質の黄ばみ」であり、これを隠すことが歯を白くする上では必須です。
そして、象牙質は歯の中、いわゆるエナメル質の奥に位置します。
従来のエナメル質はただのガラスと同じで、その奥にある象牙質が透けて映ります。
しかし、構造変化することで曇りガラスへと姿を変え、黄ばんだ象牙質を見えなくさせてしまうのです。

ホワイトニングの種類

ホワイトニングの仕組みは上記のとおりになりますが、治療方法自体は一つではありません。
同じ薬剤を使い、同じ効果で歯を白くするものの、ホワイトニングの方法には種類があるのです。
また、それぞれの種類ごとに特徴が異なり、独自のメリットやデメリットが存在します。

実際にホワイトニングをする際には、そんな複数の種類から治療方法を選択することになるのです。
選択の基準となるのは効果が出るまでの時間、持続期間、費用、そして治療内容そのものになります。
どれがおすすめというのはなく、患者さんの希望にあったスタイルのホワイニングを選ぶことになります。

オフィスホワイトニング

歯科医院で行うホワイトニングです。ホワイトニング剤の濃度が高いため、一度行うだけで効果を得られます。
理想の白さを手に入れるには三回ほど行う必要がありますが、週一回のペースでホワイトニングできます。
つまり、オフィスホワイトニングならわずか三週間で理想の白さが手に入ることになります。

ただしその反面、持続期間が短いという欠点もあります。
これは高濃度の薬剤を使用するものの、毎日行うわけではないので深く薬剤が浸透しないのが理由です。
具体的にはオフィスホワイトニングの持続期間は、およそ3ヶ月~半年と言われています。

ホームホワイトニング

自宅で行うホワイトニングで、全て自身で行います。使用するのは専用のマウスピースと薬剤です。
マウスピースに薬剤を含め、毎日2時間ほどマウスピースを装着するために手間が掛かります。
また、薬剤の濃度が薄いために効果が出るまで時間が掛かるのも欠点です。

ただし、毎日ホワイトニングを行うために薬剤が深く浸透し、効果が長続きする利点も持っています。
簡単に言えば、オフィスホワイトニングと全く逆の特徴を持っており、
効果が出るのは遅いが、持続期間は長いというのがホームホワイトニングの特徴です。

デュアルホワイトニング

オフィスホワイトニングとホームホワイトニング、これら両方を行う方法です。
当然それぞれの方法のメリットを持っており、効果も早く実感できる上に持続期間も長いのが特徴です。
ホワイトニングの効果は絶大ですが、それだけに費用も高いというのが欠点になります。

また、ホームホワイトニングを兼ねている以上、自宅でもホワイトニングを行う必要が出てきます。
このため、特にオフィスホワイトニングに慣れている人にとっては、
今まで以上に手間が掛かるようになることも欠点になります。

効果は永久には続かない

どの方法を選んだとしても、ホワイトニングの効果は永久には続きません。
最も、ホワイトニングは何度でも行えるため、効果が切れるタイミングで行うことで白さは維持できます。
効果が切れる原因になるのは、歯が持っている自己修復の力です。

エナメル質が構造変化して歯を白く見せるわけですが、
構造変化したエナメル質は、自己修復によって徐々に元の構造に戻ろうとするのです。
元の構造に戻ればマスキングの効果は失われるため、ホワイトニングとしての効果も切れるのです。

まとめ

いかがでしたか?
最後に、ホワイトニングはどうやって歯を白くするのかについてまとめます。

  1. 歯が白くなる仕組み :薬剤によってエナメル質を構造変化させ、変色した象牙質をマスキングしている
  2. ホワイトニングの種類 :オフィスホワイトニング、ホームホワイトニング、デュアルホワイトニングの3種類
  3. オフィスホワイトニング :歯科医院で行う。短期間で歯が白くなるが、持続期間は短い
  4. ホームホワイトニング :自宅で行う。歯が白くなるのに時間が掛かるが、持続期間は長い
  5. デュアルホワイトニング :オフィス&ホームの両方を行うホワイトニング。費用が高いのが欠点
  6. 効果は永久には続かない :歯の自己修復の力によって、構造変化したエナメル質が元に戻ってしまう

これら6つのことから、ホワイトニングはどうやって歯を白くするのかが分かります。
ここまでの説明で分かるとおり、実際には歯を白くするのではなく、
エナメル質の構造変化を利用して歯を白く見せているわけです。これがホワイトニングの仕組みです。