インプラントの手術中はずっと口を開けてなくてはいけませんか? blog

2016.12.15

歯科治療では患者さんが口を開ける機会が多く、長時間になるとそれが疲労にも繋がります。
実際に虫歯や歯周病治療の際、口を開け続けて疲れた経験がある人も多いでしょう。
ちなみにインプラント治療では口の中の手術を行うため、その際にはもちろん口を開けます。
そこで多くの患者さんが気にするのは、手術にずっと口を空け続けなければならないのかということです。
今回はその疑問についてお答えします。

手術中は口を開ける

口の中を手術する以上、手術している時は口を開けておく必要があります。
しかし、手術の時間は一次手術で長くて3時間ほど掛かることもあるため、
その時間ずっと口を開けた状態でいるのはつらいでしょう。

このため、手術中はこまめに口を閉じる機会を用意していますし、
歯科医院によっては休憩を取るところもあります。
工夫の方法は歯科医院ごとで異なるものの、ずっと口を開け続けることにはなりません。

緊張への対策

口を開け続けることのつらさの原因は疲労ももちろんですが、手術への緊張も原因の一つです。
「今自分の口の中を手術している」、そう考えれば緊張してしまうのも無理はありません。
こうした緊張や恐怖への対策として、静脈内鎮静法を採用している歯科医院もあるのです。

静脈内鎮静法とは鎮静薬を血管に注入する方法で、麻酔科医によって行われます。
効果としては眠っているような感覚になってリラックスできるため、
緊張や恐怖はもちろん、口を開けていること自体のつらさも感じにくくなるのです。

歯科医院にも相談するべき

手術中の休憩や静脈内鎮静法などは、インプラント治療で義務化されているわけではありません。
言ってみれば患者さんの疲労に対する歯科医院が行う工夫であり、
全ての歯科医院に導入された方法というわけではないのです。

とは言え、手術中の休憩や口を閉じる機会を作るのは大抵の歯科医院で行っています。
しかし、具体的にどうやって休憩できるのか、自由なタイミングで休憩できるのかなど、
細かい点は歯科医院ごとで異なると思うので、治療を希望する歯科医院に相談してみるのが確実です。

専用の器具で負担を軽減

休憩や口を閉じる機会を作るのは、いわば口を開け続ける疲労への対策です。
そうではなく、口を開け続けること自体の負担を減らす工夫もできます。
それは、「開口器」や「バイトブロック」といった器具を装着することです。

どちらも口を無理なく開け続けられる効果があるため、口を開けること自体の負担が小さくなるのです。
最も、こうした器具においても歯科医院ごとで採用しているところとしていないところがあるため、
あくまで一例としての参考ですし、やはり詳細は治療を受ける歯科医院で確認する必要があります。

相談が必要なケース

口を開け続ける疲労には対策ができるものの、口を開けること自体が苦となると問題です。
例えば、顎関節症で口を開け続けるのが難しい場合は、治療前に担当歯科医に相談した方がいいでしょう。
また、口の疲労以前に体力的に手術に耐え得る自信がない場合も、インプラント治療はおすすめできません。

実際に「高齢」という理由でインプラント治療できないケースがありますが、
これは年齢制限があるというわけでなく、手術や通院に耐え得る体力があるかどうかで判断されるのです。
また、風邪などで鼻がつまっていて鼻呼吸が困難な場合も担当歯科医に相談することをおすすめします。

疲労対策の注意点

ここで紹介した方法はいずれもインプラント治療の手術の際の口を開け続ける疲労への対策です。
このため、この点だけに捉われていると思わぬ不自由を招くこともあります。
特に問題になりがちなのが上記で紹介した静脈内鎮静法です。

これは緊張や恐怖を払拭するには最適ですし、
ウトウトした感覚になることで口を開ける疲労も軽減されます。
ただしこうした感覚になっている以上、手術当日は車などの運転ができなくなるのです。

まとめ

いかがでしたか?
最後に、インプラントの手術中は口を開け続けなければならないのかについてまとめます。

  1. 手術中は口を開ける :手術中は口を開け続ける必要があるが、口を閉じられる機会や休憩を設けている
  2. 緊張への対策 :静脈内鎮静法。眠ったような感覚になるため、緊張だけでなく口の疲労も感じにくくなる
  3. 歯科医院にも相談するべき :口を開け続ける疲労への対策は、歯科医院ごとでとっている対策が異なる
  4. 専用の器具で負担を軽減 :専用器具を使って、楽に口を開け続けられるようにする方法もある
  5. 相談が必要なケース :口の疲労以前に手術自体に耐え得る体力に自信がない、顎関節症の場合など
  6. 疲労対策の注意点 :静脈内鎮静法を行うと、手術当日は車の運転ができなくなる

これら6つのことから、インプラントの手術中は口を開け続けなければならないのかが分かります。
口を開け続ける疲労への対策はいくつもありますが、どんな対策をとるかは歯科医院ごとで異なります。
このため、静脈内鎮静法など希望の方法があれば、それを採用している歯科医院を探す必要があります。
最も、何も対策をしない歯科医院はまず存在しないでしょう。
信頼できる歯科医院で治療受ければ、口を開け続ける疲労はそこまで気にしなくても大丈夫です。