歯周病は何歳位から起こるものですか? blog

2017.03.23

杉並区の歯医者さん、浜田山おとなこども歯科・矯正歯科です。
今回のテーマは「歯周病は何歳位から起こる病気なのか」です。
歯周病は進行することで最終的に歯が抜け落ちてしまう病気であり、
歯が抜けるという点から考えると高齢の人がなる病気のように思えます。

しかし歯周病は歯肉の病気ですし、引き起こされる要因はプラークに潜んでいる細菌です。
その点で考えれば、歯と歯肉があることで例え子供でも起こる病気にも思えますね。
とは言え、5歳や10歳の子供が歯周病で歯が抜けたというのは聞いたことがないですし、
やはり高齢の人だけに起こる病気なのでしょうか?そこで、ここでは歯周病が起こる年齢について考えます。

1. 歯周病は高年齢の人に多い

歯周病にかかる年齢をデータで見てみると、高年齢の人ほど歯周病になる割合は高くなっています。
最も、これについては多くの人が予想していることでしょう。
「歯肉の退縮」や「歯が抜ける」という歯周病の症状は、いずれも高年齢の人起こるイメージだからです。

ちなみに、過去に行った調査では45歳~54歳の人が最も歯肉に問題を抱えている結果になっています。
ここで気になるのが55歳以上になるとなぜ歯肉の問題が減少するかですが、
これはそれ以前の段階で既に歯を失ってしまった人がいるからだと予想できます。
つまり、「歯がない」ことでデータに反映されていないというわけです。

2. 歯周病の低年齢化

歯周病で深刻なのは、近年歯周病の低年齢化が目立っていることです。
同じデータで示すと5歳~14歳で約4割、15歳~24歳で約6割もの人が歯肉に何らかの問題を抱えています。
小学生で歯周病なんて聞いたことがない、そう思う人もいるかもしれません。
しかし、実際に小学校の歯科検診で「歯肉炎」と診断された経験のある人は意外と多いのではないでしょうか。

実は歯肉炎は歯周病の初期段階と等しく、歯肉炎になることは歯周病になることを意味するのです。
最も、子供の頃は新陳代謝が活発ですから、歯肉炎が悪化して本格的な歯周病に至ることはまずないでしょう。
しかし、歯周病になりかけていることに変わりはなく、風邪で例えるなら風邪気味の状態です。

3. 歯周病は国民の病気

成人している人に至っては、実に日本人のおよそ8割が歯周病になっていると言われています。
老若男女問わずに起こるという点では、歯周病は国民の病気であると言っても過言ではありません。
ではなぜそこまで歯周病になる人が増えているのかを考えてみましょう。

歯周病の要因は日常生活にも潜んでおり、不規則な生活や疲労やストレス、
喫煙や偏食などが原因で引き起こされることもあるのです。
つまり、生活している限り常に歯周病のリスクがあるわけで、それが歯周病になる人が急増している原因です。

4. 歯周病の予防方法

歯周病は歯周病菌という細菌に感染することで引き起こされ、その細菌はプラークの中に存在しています。
このため、毎日の歯磨きでしっかりとプラークを除去することが歯周病予防の基本です。
しかし、考えてみればほとんどの人が毎日歯磨きするでしょうし、なぜそれで予防できないのか疑問ですよね。

その理由は歯磨きの仕方にあり、正しい方法で歯磨きしなければ綺麗にプラークを除去できないですし、
プラークが除去できなければ歯周病になるリスクは変わらないのです。
このため、歯磨きだけでなくデンタルフロスや歯科医院で定期検診を受けて予防することをおすすめします。

5. 歯周病になる年齢

ここまでお伝えしてきたとおり、歯周病は高年齢の人だけに起こる病気ではありません。
極端な言い方をすれば、歯と歯肉がある人なら誰だって歯周病になる可能性があるのです。
確かに、仮に歯周病になっても小さな子供が重度の歯周病で歯を失うことはないでしょう。

しかし、歯周病になるかならないかの二択で言うなら、小さな子供でも歯周病になるのです。
そう考えると、歯周病は年齢関係なく注意が必要だということが分かりますし、
若い人ももっと歯周病の予防を徹底すれば、国民の病気と呼ばれるようなデータにもならないのです。

いかがでしたか?
最後に、歯周病は何歳位から起こる病気なのかについてまとめます。

  1. 歯周病は高年齢の人に多い :データでは高年齢の人ほど歯周病になりやすい傾向がある
  2. 歯周病の低年齢化 :5歳~14歳の子供でさえ、全体のおよそ4割が歯肉に問題を抱えている
  3. 歯周病は国民の病気 :成人のおよそ7割が歯周病と言われており、歯周病は国民の病気とも言える
  4. 歯周病の予防方法 :毎日の歯磨きに加え、デンタルフロスの使用や歯科医院の定期検診が効果的
  5. 歯周病になる年齢 :歯肉炎のような小さな状態も含めると、例え小学生でも歯周病になり得る

これら5つのことから、歯周病は何歳位から起こる病気なのかが分かります。
歯周病は歯肉に炎症を起こす病気であり、歯周病菌はお口の中のプラークに潜んでいます。
その意味では、年齢関係なく歯肉と歯がある時点でその人は歯周病になる可能性があるのです。
例え歯を失うほど重症化しないにしても、初期段階の歯肉炎なら小学生でもなり得ます。