歯を失う要因として考えられるは歯周病のみですか? blog

2019.06.04

杉並区の歯医者さん、浜田山おとなこども歯科・矯正歯科です。
今回のテーマは「歯を失う要因」です。
高齢の人同士の会話を耳にすると、時に「歯が抜けた」なんて会話が聞こえてきます。

おそらく、ほとんどの人は高齢になると歯が抜けるイメージがあると思いますし、その要因として歯周病を連想するのではないでしょうか。しかし、歯を失う要因として考えられるのは歯周病だけではありません。

歯周病で歯を失う理由

そもそもなぜ歯周病になると歯を失うのか?…まずはそれについて説明します。
歯周病は「歯の周りの病気」と示すとおり、歯ではなく歯を支える骨の病気です。
初期段階ではほとんど自覚症状すらないものの、進行することで歯を支える歯槽骨を溶かします。

歯槽骨が溶かされることは歯にとって支えを失うことになりますから、歯は不安的になってグラつくようになり、やがては抜け落ちてしまうのです。これが歯周病で歯を失う理由であり、つまり多くの人が歯周病を進行させてしまっていることになります。

虫歯で歯を失う理由

「歯が抜ける」と表現すると歯周病のみを連想しがちですが、「歯を失う」と言い換えると他の要因も挙げられます。
例えば虫歯…虫歯を放置すれば、最終的に原型を失うほどボロボロに溶かされてしまいます。

また、虫歯の再発である二次虫歯も歯を失う要因になり、虫歯の再発と治療を繰り返すことで、少しずつ歯を失われていくのです。虫歯によって歯が溶かされ、治療によって歯が削られる…これを繰り返すといずれ歯を失います。

事故で歯を失う理由

ぶつけるなどの衝撃で歯が割れることがありますし、大きな事故で歯を失うこともあります。
実際、事故においては2014年の健康保険改定により、一定の基準に該当する事故による歯の破損の場合、その対処となるインプラントでは健康保険が適用されるようになりました。

また、出っ歯の状態だと真正面からの衝撃に対して歯が真っ先にダメージを受けますし、矯正治療は審美目的のみでなくこのような事故から歯を守る目的も含まれています。例え健康な歯でも、こうした事故が要因となって歯を失ってしまうことがあるのです。

歯科治療で歯を失う理由

歯科治療の内容は、症状の程度によって全く異なります。
例えば虫歯や歯周病の場合、治療すれば必ず治ると思うかもしれません。
確かに治療は可能ですが、いずれの症状も重度の場合は歯が残せないことがあります。

そのようなケースでは抜歯するしかなく、症状は治っても歯を失ってしまうのです。
虫歯や歯周病は早期発見が大切と言われていますが、それは早期発見すれば早期治療できるからです。
一方、発見が遅れて重症化してしまえば、治療において抜歯が必要になる可能性があります。

歯を失った時の対処

歯を失った場合は人工の歯を入れた対処しますが、その場合の選択肢は次の3つです。

入れ歯

保険診療なので費用が安く、大きな治療も必要ないためお手軽さがメリットです。
ただし、歯としての再現度はそれほど高くなく、咬合力も天然の歯に比べて3割ほどしかありません。
また入れ歯への影響を考えると、食事において食べられないものが出てきます。

ブリッジ

ブリッジの名前が示すとおり「橋」の構造を利用した治療方法で、
失った歯の左右に隣接する両方の歯を架け橋にして人工の歯を安定させます。
このため連続して歯を失っている場合にブリッジは不可能ですし、健康な歯を削る必要もあります。

インプラント

歯としての再現度は最も高く、天然の歯に近い感覚を取り戻せるメリットがあります。
ただし治療の難易度は難しく、インプラント治療に対応して歯科医院に行かなければなりません。
費用が高い上に手術も必要とするため、患者さんに大きな負担のかかる治療方法です。

まとめ

いかがでしたか?
最後に、歯を失う要因についてまとめます。

1. 歯周病で歯を失う理由 :歯周病によって歯を支える歯槽骨が溶かされ、歯が不安定になって抜け落ちる
2. 虫歯で歯を失う理由 :虫歯を放置した場合、歯は原型を失うほどボロボロに溶かされてしまう
3. 事故で歯を失う理由 :ぶつけるなどの衝撃で歯が割れることがあり、出っ歯の場合はその危険性が高い
4. 歯科治療で歯を失う理由 :重度の虫歯や歯周病など、症状によっては治療において抜歯が必要になる
5. 歯を失った時の対処 :入れ歯、ブリッジ、インプラントの3つの選択肢があり、それぞれ特徴が全く異なる

これら5つのことから、歯を失う要因について分かります。
補足すると、歯周病で歯を失うのは高齢の人だけとは限りません。
さすがに子供が歯周病で歯を失うことはないですが、初期の歯周病である歯肉炎は小学生でもかかります。

歯を大切にすることに年齢は関係ありません。例え若い人でも歯の健康を無視していれば、やがて歯を失ってしまうことになりますし、その要因は歯周病とは限らず、例えば虫歯によって歯を失うこともあるのです。