「温める」と「冷やす」、歯の痛みに対して正しい対処はどっち? blog

2020.08.28

杉並区の歯医者さん、浜田山おとなこども歯科・矯正歯科です。
今回のテーマは「歯が痛む時の対処方法」です。
身体に何らかの症状が起こって対処しようとした時、悩みやすいのは「温める」と「冷やす」の二択でしょう。

と言うのも、どちらの対処が正しいのかは症状によって異なり、
冷やすのが正しいケースもあれば温めるのが正しいケースもあるのです。
では、歯の痛みに対してはどちらの対処が正しいのでしょうか。

歯の痛みへの対処は「冷やす」が正しい

結論から言うと、歯の痛みへの対処として正しいのは冷やすことです。
その理由として、そもそもなぜ歯が痛むのかという点から考えていきましょう。
歯に痛みを感じるのは、歯の内部の血液が多くなることで神経が圧迫されるのが理由です。

血液は血管の中を通っていますが、神経はそのすぐ近くに存在しており、
血液が多くなければそれだけ血管の中を流れる血液が多くなり、血管が神経を圧迫してしまうのです。
専門的な言葉を使えば炎症を起こしており、血液の流れを遅くすることが痛みの解消につながります。

では、血液の流れを遅くするにはどうすれば良いのか?…その答えとなるのが冷やすことです。

「温める」はなぜダメなのか

次に、温めてはいけない理由を解説していきますが、これは例を交えて説明した方が分かりやすいでしょう。
例えば、寒い冬に運動すると身体が温まってきて感じる寒さを解消できますよね。
これは運動によって血行が良くなり、血液の循環が向上して血流が盛んになるのが理由です。

ここで話を元に戻すと、血行が良くなるということは血流がさらに盛んになることですから、
そうなると神経はさらに圧迫されて痛みが増してしまいます。
つまり、温めると痛みの原因となっている神経の圧迫がより酷くなり、さらに痛みを感じてしまうのです。

最も、症状によっては温めるのが正しいケースもあるため、あくまでこれは歯の痛みに対して言える話です。

意図していないのに温めてしまうケース

歯が痛い時には温めてはいけません。しかし、それが分かっていつつも温めてしまうケースがあり、
なぜなら温めるつもりがなくても結果的に温めてしまっていることがあるのです。

身体を動かす

歯の痛みは辛いため、それを紛らわすためにわざと運動する人がいます。
例えば仕事中に歯が痛くなり、痛みを紛らわせようと普段以上に身体を動かして仕事するパターンですね。
しかし、身体を動かすことは運動行為であり、この場合も血行が良くなって神経が圧迫されてしまいます。

入浴する

歯の痛みを落ち着けようと、リラックス目的で入浴する人がいますが、
やはり入浴も身体を温めてしまうため、血行が良くなって神経が圧迫されてしまいます。
ですから、歯が痛い時の入浴はおすすめできず、軽いシャワー程度にすませた方が良いでしょう。

間違った冷やし方に注意

歯が痛い時には冷やすのが正しい対処ですが、やってはいけない冷やし方があります。
まず覚えておかなければならないのは、冷やしすぎてはいけないという点です。
と言うのも、冷やしすぎると血液の循環に障害をもたらしてしまう危険性があるからです

そもそも、温度というのは痛む歯にとって一種の刺激となりますから、
冷やしすぎてしまうのは患部に刺激を与えてしまい、逆効果となることも考えられるでしょう。
特に知覚過敏によって歯が痛む場合、冷やしすぎるとより痛みを感じてしまいます。

これらのことを踏まえると、患部を直接冷やすのではなく頬側から間接的に冷やすべきで、
例えば「濡れタオルで頬側から冷やす」、「頬に解熱シートを貼る」などが正しい冷やし方でしょう。

歯の痛みに効果的な「冷やす」以外の方法

歯の痛みへの対処は冷やすのが正しい方法ですが、それ以外にも効果的な方法がいくつかあります。
例えば、「歯痛」に効果のある鎮痛剤を飲むことで、
即効性はないものの時間の経過によって痛みはおさまっていくでしょう。

薬の効果を使う方法としては、他にも患部に正露丸を詰めるのも効果的ですね。
正露丸の場合、前述したように「飲む」ではなく「詰める」が正しい使用方法なので注意してください。
また、食べカスなどが詰まっている場合はぬるま湯でうがいを繰り返すのも効果的です。

まとめ

いかがでしたか?
最後に、歯が痛む時の対処方法についてまとめます。

1.歯の痛みへの対処は「冷やす」が正しい:炎症を抑えるため、冷やして血流を遅くする必要がある
2.「温める」はなぜダメなのか:血行が良くなるため、血流が盛んになってより神経が圧迫される
3.意図していないのに温めてしまうケース:身体を動かす、入浴はいずれも身体を温める行為に等しい
4.間違った冷やし方に注意:冷やしすぎてはいけない。頬側から濡れタオルなどで間接的に冷やすべき
5.歯の痛みに効果的な「冷やす」以外の方法:痛み止めを飲む、正露丸を詰める、ぬるま湯でうがいをする

これら5つのことから、歯が痛む時の対処方法について分かります。
今回の説明は、あくまで歯が痛む時のケースであり、
そのため全ての痛みに対して「冷やす」が正しいというわけではありません。
効果的なのは歯の痛みに対して、そして一時的な応急処置として解釈してください。